ラブピースクラブはフェミニズムの視点でセックスグッズを売り始めた日本で最初のトーイショップです。

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 当コラム「女印良品」の更新、すごく日にちがあいてしまいました。
 前回の「他人にキレる人」を「つづく」としたところ、つづきが書けなくて、ちょっと別の話なら書けそうなので、書いてみることにしました。「他人にキレる人」のつづきは、また急に出てきたらその時更新します!

 2019年元日、テレビを見てたら、北海道の神社の初詣に来ている人たちに細川たかしがインタビューしてました。生後3~4ヶ月くらいと思しき赤ちゃんを抱っこひもで抱っこしてる女性と、その夫と子ども(幼児1名)、に細川たかしが突撃インタビュー。
 夫に「今年の抱負」的なことを尋ねる細川。「こうなってほしい!みたいなことありますか?」という質問。その夫はこう答えた。
「子どもがもう1人欲しいですね! 3人目!」
 心臓がヒュッとなりました。液体窒素をかけられたみたいにスンッと一気に冷却した。
「は? 何言ってんだてめえ」と思ったね。

 0歳の子を持つ女性本人が「もう1人欲しい」と言うのはいい。だけどそれ以外の他者が、身内が、夫が、0歳の子を生んだばかりの妻の前で、「もう1人欲しい(もう1人産め)」と言うのは法律で禁止するべき。
 妊娠の十月十日がどれだけ過酷か。「お腹の子、生きてるのか、大丈夫なのか」を常に心配しなきゃいけないし、単純に体も通常と違って苦しい。分娩も当然大変だし、それがやっと終わって、あーよかった、初詣に来られるくらい自分の体が回復して、赤ちゃんも順調に育って、ああ、ありがたい、よかった、ここから私の体も徐々に本格的にケアしていかないと、って思ってるような段階で「もう1人」って殺す気か!

 私の目の錯覚かもしれないが、その妻である女性も「は?」って、信じられないって顔に一瞬なってた気がした。

いきなり細川たかしとカメラが現れて、夫も、何かおめでたいこと、いいこと、ポジティブなこと言わなきゃって焦ったのかもしれない。だけどゼロ点。その答え、ゼロどころかマイナス5億点です。ダメ、ゼッタイ。
 そのあと細川たかしが「北国はそれしかすることないからね」と言ってて、今年も地獄ジャパン開幕宣言!って感じでした。



 4年前に出版した文章の本、「男しか行けない場所に女が行ってきました」の文庫版が今月、ちくま文庫から出ます。
 文庫版のタイトルは「他人のセックスを見ながら考えた」になりました。今年の年末年始はこの本作りの作業をしていました。

 10代の頃から、男性の性風俗とかエロ本の世界に興味があって、25歳でエロ本の漫画家になりました。いろいろな風俗やエロスポットに潜入して取材して、「女の本音」を書くのが私の仕事でした。でもエロ本で求められる「女の本音」というのは例えば「実は勤務中にエッチしたくなることがあるんです、私ってスケベですよね…」とかそういうやつ。

 勤務中にムラムラすることがあるなんて別に、人間として普通のことだと思う。男でも女でもそういう時はあるだろと思うけど、女だともう、性欲があること自体がものすごくやらしいということにエロ本の中ではなっている。

 そんな25歳の時、エロ本には書けない女としての違和感をweb日記に書いていました。それを10年後の35歳の時に「男しか行けない場所に女が行ってきました」という本にまとめたんですが、違和感を持ちながらも男社会の中で男に擬態することで生きていた頃の文章を、擬態をやめて随分経って子どもを生んだらその男社会の欺瞞に本格的に怒りを持つようになった35歳でまとめるのは、ものすごく大変でした。自分の本の中で一番苦労した。

 それをさらにまた40歳になった今、修正・削除・加筆、イラストも追加して、まとめ直したのが「他人のセックスを見ながら考えた」です。今回は、自分自身の変化よりも、この5年間のMeTooなどのジェンダー、女性蔑視、フェミニズムに関する社会の意識の変化を強く感じました。amazonなどのネットショップでは既に発売されています。本屋さんにももうすぐ並ぶと思います。ぜひみなさんに読んでほしいです!



 毎年、ラブピースクラブの福袋を買ってます。夫といっしょに開けてあれやこれや言うのが楽しいです。1人でひっそり開ける年もあります。どっちにしてもわくわくプレジャーなタイムが過ごせるのでおススメです。
 今年はLELOのSONAっていう、クリトリスを吸うやつが入ってました。ちょっと本格的にヤバかったです。やみつきになって常時手放せなくなりその内にクリトリスがぶっ壊れる恐れがある、そう思ったくらい、ヤバかったです。おススメです。

 知り合いの女の人たちが集まった場で、このSONAを買おうか検討している、という話を唐突にしてきた人がいて、内心、度肝を抜かれた。アソコを吸って気持ちよくなるおもちゃの話を何いきなり言い出しちゃってんだよと。大丈夫かよと。そしたらなんと別の女性がこの吸うタイプのグッズを全部持っている人で、これはソフトで、こっちのはこんな特徴があって、と冷静に説明をし始めたのでマジかよ、と真顔になったんですけど、「いいんだ!アソコ吸うタイプのおもちゃの話って、人前でしていいんだ!」と思って「わーい!私も持ってるー!スゲーよ!ぶっ壊れ〜!」って話に入りました。話してなかった他の人も吸うタイプのを全員持ってました。ウケる!最高!女友だち最高!
知り合いだったけどもうそれで友だち!

 調子に乗った私は、さらに別の知り合いの女性にメールしました。「SONAっていうのがヤバかったからおススメです」と。そしたら「持ってます」と返信がきました。

 おまえたち最高だぜ!

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★LPC スタッフより★ SONAはこんなバイブです!!
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田房永子(たぶさ・えいこ)

漫画家・ライター
1978年 東京都生まれ。漫画家。武蔵野美術大学短期大学部美術科卒。2000年漫画家デビュー。翌年第3回アックスマンガ新人賞佳作受賞。2005年からエロスポットに潜入するレポート漫画家として男性向けエロ本に多数連載を持つ。男性の望むエロへの違和感が爆発し、2010年より女性向け媒体で漫画や文章を描き始める。2012年に発行した、実母との戦いを描いた「母がしんどい」(KADOKAWA 中経出版)が反響を呼ぶ。著書に、誰も教えてくれなかった妊娠・出産・育児・産後の夫婦についてを描いた「ママだって、人間」(河出書房新社)がある。他にも、しんどい母を持つ人にインタビューする「うちの母ってヘンですか?」、呪いを抜いて自分を好きになる「呪詛抜きダイエット」、90年代の東京の女子校生活を描いた「青春☆ナインティーズ」等のコミックエッセイを連載中。

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