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お正月と女性と介護
18.01.29 by 李信恵



お久しぶりです、今年もやっぱり明けました。年末年始を問わず、年中ドタバタしている私ですが、みなさまもで、大変だったのでは。毎年、お正月になると女性たちのしんどそうな声が聞こえたりもする。まあ、お正月に限らず、長期の休みに入ると、家庭のある女性の負担は増えたりもするし。また、「家制度」みたいなものの圧力を実感したり、「嫁」を演じなきゃいけなかったりする人も多かったんじゃないかな。家族は大切だけど、ほんまに時々面倒くさい。

自分のオモニ(母親)は現在認知症で、現在はグループホームでお世話になっている。けれど、せめて年末年始は一緒に過ごそうと、この時期だけは一昨年から毎年自宅に連れて帰ってきている。一緒に穏やかな時間が過ごせてうれしい半面、オモニはいつもと環境が変わったことによる緊張もあるのか、夜中に何度も起きる。また、真夜中に十数年以上前のことを突然話し出したり、幻覚と云うかそこにいない人に話しかけたりと、そう云った行動に付き合うのも大変だった。

「知らないおばあさんが部屋に入ってきたわ。あなた、誰?信恵、とりあえずお茶を出してあげて」
…誰やねん。もちろん、部屋には私とオモニしかいない。怖いがな。でも、オモニの言う通りお茶を出して、誰もいない(はずの)一角に向かって
「真夜中に、しかもお正月にどないしはったん。どうせ来るならお年玉ぐらい持ってきてね」
と、とりあえず話しかけてみた。新年早々、怪談なのかコントなのか。そして、当たり前だけどお年玉はまだ来ない。

2泊3日でこれだから、自宅で介護されている人はもっともっと大変なんだろうな。オモニをグループホームに送ってから、ほっとした自分がいて。そんな自分がちょっと嫌で、悲しかった。
オモニにとっても、お正月を一緒に私と過ごすことはどうなんだろう。オモニのためといいながら、実は私のエゴでしかないのかなとも少し悩んだ。でも、オモニの笑顔もいっぱい見られたし、もっと過ごしやすいように考えなきゃとも思った。グループホームで介護して下さっているスタッフに改めて感謝もした。

そんな中、つい先日あった小室哲哉さんの引退会見は、いろいろ思うことがあった。KEIKOさんの高次脳障害とオモニの認知症はまた違うけど、長年過ごした家族と、会話が出来なくなったり、今までと同じ日常を過ごせなくなるのは、本当に辛い。しばらく前、グループホームを訪ねた時、私のことを忘れていた日もあった。スタッフの前では、「もう、可愛い娘を忘れるなんか薄情やな」と笑っていたけど、帰り道で涙が止まらなかった。

私はそれでも立ち直りが早いので、その日の晩には「オモニが私のことを忘れても、私が覚えていたらそれでいいやん」と思うことにして、解決した。早い。その次に尋ねた時は、私のことをしっかり娘と認識していたので、良かったけど。またいつかすべて忘れてしまう日が来ても、ちょっと泣いたら立ち直れるはず。そう思うのは、私がたったひとりでオモニを介護しているわけではないからだ。グループホームを訪ねては、代表者でもあるオンニ(お姉さん)に時々、弱音を吐いたりもする。ケアマネージャーさんに、いろいろ相談もしてきた。もちろん家族や、近所の友人にも愚痴を聞いてもらったりもする。孤独なのが一番しんどいし。

遅くに生まれた末っ子なので、同年代ではまだあまり親の介護をしているという話は聞こえてこない。なので、ちょっと寂しい。けれど、まだ体力があるので、その点だけは良かったと思うことにしている。自分がわずかながら介護で知ったことを、また誰かに伝えることもできるし。
オモニは数年前までは、いつも元気で街中を自転車で走り回っていたのに、急に自宅から出るのが億劫そうになった。お風呂にもなかなか入ろうとしないし、毎日かけて来る電話が、時間を問わず滅茶苦茶になった。

それが認知症の初期と分からなかったし、ただの老化だったらいいのにと思いながら、実家に通うと同時に介護保険など、サービスについて調べていた。その時、たまたま通りがかった近所の幼馴染みのお姉さんに
「いつもお母さんの面倒を見て偉いね。施設とか、預けるもんじゃないよ。やっぱり持つべきものは娘やね」
と、声を掛けられたこともあった。そのお姉さんは、私を励ますつもりでそう云ったとは思うけど。介護すること、親の世話をすることって、女だけの仕事じゃないだろと心の中でつぶやいていた。世間体とか、そういうのって介護の邪魔にしかならないし。恥ずかしいと思わないこと、隠さないことって大切だと思う。難しいけどね。

あ、みなさまも年末年始とかに実家に帰ったりした時、親の様子がおかしいなとかいつもと違うなと思ったら「もの忘れ外来」「認知症外来」のある病院に。早期にかかれば、認知症の経過がより良くなるので。うちの場合は、「いつまでも美しく元気でいてほしいから、念のために検査を受けよう」と云って連れて行った。「美しく」が効いたと思う。違うか。

しんどいときに、しんどいと云える誰かがいること、「自分もそうだった」と、辛さを共有してもらえると、安心できる。上手に誰かに甘えるたり、頼ることができれば、もうちょっと楽になれるはず。みんなにとって、そんな1年になりますように。

今年もみなさま、お世話かけます。

プロフィール
李信恵
李信恵
1971年生まれ。大阪府東大阪市出身の在日2.5世。フリーライター。
「2014年やよりジャーナリスト賞」受賞。
2015年1月、影書房から初の著作「#鶴橋安寧 アンチ・ヘイト・クロニクル」発刊。