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スクールフェミ「ヤングケアラーはクラスに1人!?」

深井恵2021.05.12

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ヤングケアラーに関する国の初めての調査結果が、4月12日に発表された。厚生労働省が昨年12月から公立の中学2年生と公立の全日制高校2年生を対象としたもので、回答数は中学2年生が5508人、高校生が7407人。回答した中学2年生の5.7%、高校生の4.1%がヤングケアラーという結果だった。
新聞各紙も4月13日付で報道していたが、中高生の20人に1人、クラスに平均して1〜2人のヤングケアラーがいることになる。果たして、この人数は、実態を表しているのだろうか。甚だ疑問である。実態からかけ離れている気がしてならない。
中学生より高校生のほうはヤングケアラーの比率が低いのも意外だった。ケアする本人が高校生より中学生のほうが、ケアを必要とするきょうだいが「より幼い」からだろうか。
また、高校の場合は、校種よってもヤングケアラーの比率に差があると考えられる。いわゆる「進学校」に入学する生徒は、小中学生時代にしっかりと学習時間が確保されて偏差値も高く、ヤングケアラーほとんどいないと推察されるが、そうではない高校はヤングケアラーの比率が高いのではないかということだ。

全国調査では定時制高校と通信制高校も調査対象だったらしく、回答数が定時制366人(ヤングケアラー8.5%)、通信制446人(ヤングヤングケアラー11%)という結果だった。回答数が少ないので、全国の実態を表していると一概には言えないが、全日制より定時制、更には通信制のほうが、その比率が高くなることは想像に難くない。
そして、忘れてはならないのが、高校に進学しなかった中学生の存在だ。そもそも高校に進学することそのものをあきらめざるを得なかったヤングケアラーは、この全国調査からこぼれ落ちている。
毎日新聞によると、「生徒への全国調査は公立中学と全日制高校の2年生計16万8000人(推計)を対象としたが、実際の回答は中2が5558人、高2も7408人と回答率が低迷した」と報じている。対象者の1割にも満たない回答率だ。
アンケートの方法も、スマートフォンでコードを読み取って回答する方式をとったとのこと。家族のケアで忙しい子どもたちが、スマートフォンでアクセスしてアンケートに回答する余裕があるだろうか。
そもそもスマートフォンを持っていない場合もあるだろうし、時間のゆとりもないかもしれない。支援を必要としている子ともたちに寄り添っていない、「科学的な根拠」とは程遠い、残念な全国調査だった。
紙で行うアンケートより予算が安く抑えられると言う理由があったらしいが、本当に困っている子どものことを思えば、今回の調査方法は適切とは言えまい。厳密に実態把握ができる、しっかりとした調査をすべきだ。

ステップファミリーが増え、非正規労働が増え、共働き家庭やひとり親家庭が増えれば、子どもたちへのしわ寄せが出てくるのは、わかっていたはずだ。加えて、新型コロナの影響で、ヤングケアラー増えこそすれ、減りはしないだろう。
そのような社会で、「まずは自助」と言ってはばからない、いまの政権。新型コロナのPCR検査も、濃厚接触者の検査対象を減らして陽性者数を低く見せ、正確な実態把握ができないままだ。その結果、数値として信頼性のある科学的根拠を持ち合わせないため、政策に反映されていない。
新型コロナの対応も、ヤングケアラーの対応も、本気で向き合おうとしていないような印象を受ける。あとは現場任せということか。生徒と直接関わりを持つ教職員が、意識を高く持ち声を上げていくしかない。

アンケートに寄せられた中高生の声は切実だ。4月13日付の朝日新聞には次のような声が掲載されていた。

・ケアしながらでも進める進路がもっと広がってほしい。
・昨年の休校中は障がいのあるきょうだいを預かってくれるところがなく、母が仕事のため私と別のきょうだいが交代で世話した。その間は学校の課題や勉強ができなかった。
・ヤングケアラー同士のコミュニティーを作り、相談しやすい環境を作ると良いと思う。
・私のようにきょうだいの世話や自分の時間を取れない子はいると思う。高校への学力も足りなくなり、精神的にも疲れてしまう。親は子どもが育児をして当然と思っている。
・ヤングケアラーについて学校で取り上げ、知ってもらえるような機会を設けてほしい。

ヤングケアラーがケアに費やす時間は1日平均4時間ほど。1日7時間以上と回答した中高生が1割を超えた。家族の世話をしていることについて、誰にも相談した経験がない生徒が過半数を超える。
教職員側の課題も、同時に行われた学校への調査結果から見える。「ヤングケアラーという言葉を知らない」「言葉は聞いたことがあるが具体的には知らない」が4割近くに上る。教職員の認識不足が、生徒を孤立させてしまう。
ヤングケアラーを認識した後の、学校の対応にも限界がある。学校だけで抱えていても解決できない。スクールソーシャルワーカーなど、外部の社会福祉とつながって、生徒をサポートするシステムづくりが求められる。

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