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男女混合名簿導入前夜!

深井恵2004.03.16

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はじめまして。九州の某県で高校の教員をしている深井恵美です。学校でのジェンダー・フリーをめぐるコラムを書くことになりました。よろしくお願いしますねっ。

ジェンダー・フリーっていうのは和製英語で、ホントは「ジェンダー・バイアス・フリー」と言ったほうが意味を正しく伝えています。「ジェンダー・フリー」っていうのは、「女だから○○してはいけない」「男なんだから○○しなくちゃ」「女のくせに」「男なんでしょっ」などという性による「らしさ」の押しつけをやめて、「あなたはあなたらしくていいんだよ」と、その人らしさを大切にしていこうというものだと、私は考えています。

「ジェンダー・フリー」は子どもたちにどのように受け止められているんだろう? 保護者には? 教職員には? などなど、実際に高校の教員をしている私の目から見た、学校におけるジェンダー・フリーについてのあれこれを、思いつくまま書いていこうと思います。

1回目の今回は、「男女混合名簿、導入前夜」です。
「名簿」と言えば、諸外国では男女混合が当たり前。「男女混合名簿」なんていう名称自体、おそらくないでしょう。ある留学生からこんな話を聞いたことがあります。いわく、「男性が先で女性が後の名簿を、日本に来て始めて体験しました。差別されていてとっても不愉快でした。」

男が先で女が後の、「男女別男子優先名簿」を使用している国は、世界でも2,3カ国ほどしかないと言われています。その、数少ない国の一つが日本。今日、男女混合名簿を導入している学校はどんどん増えていますが、私が勤めていた学校でも、私が赴任した当時は男女別名簿でした。男女別名簿をなんとか男女混合名簿にできないものか。赴任したての私に大きな課題が立ちふさがりました。

名簿を変えるには、職員会議の議題にのせて議論した後、最終的に、混合名簿導入の校長決裁を得る必要があります。そのため、「今日提案して明日から実施」と言うわけにはいきません。当然のことながら、男女別名簿は私が赴任したときには既に印刷済み。出席簿、座席表、靴箱の並びなどなど、一学期はあらゆるものが名簿の順番で決まってしまいます。全校一斉の混合名簿導入は不可能。しかし、何とか混合名簿の実施できないものか。

考えあぐねた結果、私は「クラス内男女混合名簿」を導入することにしました。そして、全校一斉に男女混合名簿になる日が来るように、職員会議の議題にのせる計画も平行して進めていくことにしました。

さて、1学期が始まる前に、クラス担任はさまざまな準備をしていきますが、クラス内男女混合名簿の導入を考えている私は、混合名簿で対応できる範囲を考えて整えていきました。

まずは、クラス内の名簿の作成。印刷済みのクラス名簿は男女別男子優先名簿に仕上がっているので、自分で男女混合五十音順に生徒の名前をワープロで打ちこんで、クラス独自の名簿を作成。固有名詞の漢字変換が少々面倒だけどガマン。この並びでの順番が、クラス内での出席番号になります。(…生徒には少々面倒をかけるけど、男女別の出席番号と男女混合の出席番号の2種類を使い分けてもらおーっと)。

次は生徒の氏名のゴム印。男女別に五十音順に並んでいるクラス全生徒の氏名のゴム印を、男女混合五十音順に並べ替えます。ゴム印の色、これがまた、男子は水色、女子はピンク…。(来年度は男女同じになるように提案しよう…と固く決意)。40名分のピンクと水色のゴム印が、色としては無秩序に並んでいきます。でも、見た目より中身。男女混合五十音順。
ゴム印を並べ替えたら、次は座席表の作成です。4月当初は名簿順が座席の順にもなります。これも、男女混合五十音順に並べたゴム印を使って、黒インク一色で押印していきます。(決して「女子は赤、男子は黒」などと色分けしない)。
それから、靴箱とロッカー。これもクラス内出席番号順。(1学期の初日に、生徒にはしっかり説明する必要があるなぁ…)。

さてさて、以上のようなさまざまな準備を進め、1学期初日を迎えます。果たして、初めて「男女混合名簿」に触れる子どもたちは、いったいどんな反応を示すでしょうか?

つづく

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