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棚卸日記 Vol.13「めでたさの陰で」

爪半月2023.01.06

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久しぶりの更新になります。

あまりにも酷いデマと攻撃で、正直もう連載を辞めてしまおうかと何度も考えたのですが、伝えたいことを伝える場所がなさすぎる私は結局またこの圧倒的に不利な言論空間に戻ってきました。

この記事は、本当は年が明ける前に更新したかったのですが、何かを書こうとすると見当違いのクソリプや曲解が大量に届いて寝込んでしまう、という光景がフラッシュバックして、鬱の脳味噌がなかなか起動しないのもあって今日になってしまいました。

鬱の悪化と連動するように強迫的な加害恐怖が膨張し、自分の言葉が誰かを傷付ける可能性について想像するたびに心臓を掴まれたようになって、キーボードの上で指が固まってしまう。私は電気代が上がるのが恐ろしくて、部屋の中でも暖房は付けずにしこたま着込んで暮らしてるので、服から露出した指先はキーボードの上であっという間に冷えてしまう。そんな停滞と逡巡遅疑を経て漸く勢いで書いています。

久しぶりに書く文章はおぼつかなく、不安定な感情をそのままに書くので語気の緩急も安定しませんが、リハビリに付き合うつもりで読んでいただければ幸いです。


◆全ての『めでたくない人』と連帯する◆

何がめでたいんだよ。
性暴力が魂の殺人なら加害者が裁かれない社会で生きる私は永遠に死人だよ。
安全に年を越せない人が山程いる中で、安全圏で交わされる「よいお年を」という挨拶には強い抵抗感がある。無事な人同士で交わされる習慣が私にはまるで当てはまらなくて、そういう光景にずっと疎外感を覚えてきたし、明るくて楽しそうな人たちしか登場しない正月番組を観るたびに「お前の居場所はねえんだぞ、わかったか」というメッセージを受け取ってダメージを受けてきた。
世の中のおめでたさの濃度が上がると死にたくなる。
そういう気持ちを秘かに持っていて、しかし露にできないまま押し殺して、人前では何とか社交的な笑顔を作って疲労してる人たちが報われる社会にしたい。
暗いと言われると面倒くさいから人一倍テンションを上げて頑張って明るく振舞ってヘトヘトになる、そういう人が死んだような顔をしていても誰からも責められない、ジャッジされない社会にしたい。というか、そもそも死んだような顔にさせられずに済む社会にしたい。今すぐそうしたい。

◆正月が苦手だ◆

2日にたまたま初売りの百貨店を横切ったら、両手にどっさりショッパーをぶら下げた買い物客でごった返していて心の底からげんなりした。店内は暖房完備で火照るほど暑く、少し歩いただけで私はコートを脱いだ。
そうかと思えば、その百貨店から少し離れた公園では炊き出しをやってて、屋外でどうにか暖をとるために人が集まってた。なんなんだよこの国は。ねえ何やってんの?ねえ責任者誰?なんで貧困や格差放置してんの?あのさ、一般家庭でネグレクトがあれば児相が介入するよね。なんでこの国の責任者は平民をこんなに堂々とネグレクトできんの?生存権保障しろよ。
これを書いててもどんどん涙が出てくる。私は継続的に怒ってるし、あまりにも理不尽なものを見続けたせいでずっと精神的に不安定だ。
年末年始はDV/性虐待発生率が急増する時期でもある。
家庭という密閉空間から脱出するルートを確保できる社会にしたいし、親戚付き合いを強制する社会規範を解体したい。
全国の妻たちに夫と家事労働と親戚づきあいから逃げて!って言いたい。
経済的な不安からモラハラ夫との離婚を躊躇わなくて済む国にしたい。
家に安全な居場所がなくて街をさまようしかない少女たちを守ってきた民間シェルターがアンチフェミのおもちゃにされない国にしたい。

◆子どもを守れ◆

親戚が集まるシーズン、全国の子どもたちに伝えたいことがある。
本当は年末に伝えるべきだったし、ここで書くことでどれだけの「子ども」当事者に伝わるかわからない。
だけど、近くに子どもがいたら届けてほしい。余裕がなくてルビが打てなかったから、読んで聞かせるか、各自平易な言葉にならして伝えてほしい。

***

親戚から「育ち方」の善し悪しを評価されたり、きょうだいやいとこ同士で比較されたり、「(父/母)誰に似てる」と判定されるのは暴力以外のなにものでもないです。
そうした苦痛は断固拒絶していいし、つらいときはあなたの話を聴く相談窓口があります。
「お母さんを守ってあげてね」といった言葉もそのまま返品していい言葉です。
あなたは「大人をケアする人」ではなく、「大人からケアされるべき人」です。
お年玉をもらったからいい子にしなきゃ、なんてことは一切ないです。
懐柔される必要はないです。そんな風に経済力という武器で子どもに接待させようとする大人は滅びるべきです。
嫌なことは嫌だと言っていいし、その空間にいたくないときは部屋から出なくてOKです。
あなたの「嫌だ」という気持ちは決してわがままではありません。
あなたは親戚の接待要員ではないですから、無理して人前で明るく話さなくていいのです。
あなたをからかったり、あなたが大切にしてるものを馬鹿にしてくる親戚がいたら、それは「愛情」や「冗談」ではなく、暴力です。
あなたを笑ってくる親戚に付き合って一緒になって笑ってあげる必要はないのです。
もし、「一緒にお風呂に入ろう」と誘ってくる叔父さんがいたら逃げてください。
「膝の上においで」と手招きしてくる親戚がいても乗らないで。
親に伝えられる人は親に伝えて、親に伝えられないときは相談窓口に電話してほしいです。
電話が難しければ、スクールカウンセラーでも保健室の先生でもいい、塾や習い事の先生でもいい、信頼できる大人に相談してほしい。
あなたの身体はあなたのものです。
あなたの身体に、許可なく勝手に触ってくる人がいたら、それは暴力です。
あなたの裸に興味を向けてくる大人がいたら、身体に触られていなくてもそれも暴力です。
嫌がってるのに写真を撮ろうとしてくる人がいたら部屋に逃げてください。
逃げられる部屋がないときは、、、そういう子のために、本当は子ども用のシェルターを作らなきゃいけないのですが、この国にはそういう準備が全然なくて本当にごめんなさい。
学校でもらったタブレットがあれば、相談窓口を探してみてほしいです。

文科省『子供のSOSの相談窓口』
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/06112210.htm
性暴力の相談は内閣府『curetime
https://curetime.jp/

文科省は、GIGAスクール構想で小中学生にタブレット端末を支給するなら、まずは相談窓口アプリを開発してプリインストールしておくべきだ。
オンラインの相談窓口にチャット相談に来る小学生は、「家に電話がない/電話が自由に使えないから、学校のタブレットからアクセスしてます」という子が一定数いると聞く。
小学生になると、自治体の相談窓口のフリーダイヤルが記載されたカードをランドセルに入れておくようにと配布されるけど、文科省も厚労省も各自治体も、まず電話が自由に使えない子がかなりいるってことを把握してますか?
たまたま検索して、ウェブからアクセスできる相談窓口を見つけられた子は繋がれるけど、そもそも相談していいことを知らない子、相談できる場所があることすら知らない子が圧倒的に多いです。
大人が子どもに暴力をふるってはいけないことを知らない子もたくさんいる。
しつけだと思い込まされてるから。小さな頃から暴力のある家で育てばそれが暴力だと気付けない。
子どもに何か痛いこと、悲しいこと、つらいことがあったとき、その気持ちを我慢しなくていいことを、話せる場所があることを、そして助けてくれる大人がいることを知らせておく義務がある。
そしてこれを読んだ人は、今日から助けられる大人、気付いてあげられる大人になってほしい。
子どもと一緒に風呂に入ろうとする大人がいたら止めてほしい。

 

◆周縁化されてきた人間の声が言葉になるということ◆

書きっぱなし推敲なしの文章になってしまったけど、どうしてもいま出しておく必要があると思ったので書きました。読み難い、ぐちゃぐちゃの文章を公開するのは自分でも恥ずかしいし勇気も要るけど、アカデミックライティングの訓練を受ける機会に恵まれなかった人間の支離滅裂な文章であっても聞き届けられる社会になってほしいという願いを込めて、不格好なまま寄稿します。

理路整然としたきれいな文章でなければ読まれないような社会なら、それができない人の声は無視されてしまう。私はそんな社会であるべきとは思わないです。(だけど忍耐強く読んでくれたこと感謝します)

 

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爪半月

爪半月(そうはんげつ)

元『風俗嬢』
田舎で育児しながら通信制大学で社会保障を勉強中。

好きな言葉『人権』
嫌いな言葉『自己責任』
twitter @lunuladiary

 

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