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更なる「戦前」が始まった

深井恵2013.12.15

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11月末に免許状更新講習修了の証明書がようやく届いた。8月末に講習が終わり、9月末に大学側から必要単位の修得が認められ、10月上旬に教育員会に書類を提出して、11月末にやっと完了。問い合わせをして「来週にでも届く」と聞いてから一ヶ月待たされた。どんな免許状の更新証明書かと思ったら、ただのA4コピー用紙にプリントアウトしたものだった(教育委員会の印鑑は押印しているけれど)。厚みはなく、ホントにA4のコピー用紙そのまま。実に軽々しい。教員免許もこの程度の重みなのだろう。吹けば飛んでいく。しかも、教育委員会の印鑑が押されているのは、紙のほぼ中心(対角線が交わるところにある)。バランスも実に悪い。このA4コピー用紙(証明書)を10年後の更新時まで、教員免許状とともに保管しておかなければならない。酸性紙ではないだろから、10年くらいはもつだろうけど、ピラピラのコピー用紙をありがたく10年間保管し続けないといけないなんて、何とも情けない気分になろうというもの。法律が変わらない限り、少なくともあと1回、どうかするとあと2回、更新しないといけないんだろうなぁ・・・。気分がめいってくる。が、そのときも、このコラムのネタになっているかもしれない(本当か?)と思うと楽しくなってくる(笑)。
12月6日、自民公明の強行採決で、「特定秘密保護法案」が強行採決された。直前に石破幹事長がブログで市民団体のデモを「テロ行為」と同一視していたことからも、誰を取り締まりの対象としているかがしのばれる。香港・中国メディアでは「日本の平和憲法は事実上骨抜きにされた」と報じているらしい。日本にはかつて「軍機保護法」という法律があった。ウィキペディアによると、「軍事上の機密、いわゆる軍事機密(軍機)を保護する目的で公布・施行された法律。1899年(明治32年)7月15日公布。1937(昭和12年)に全部改正され対象が拡大、強化された。1945年(昭和20年)10月13日に廃止された」という。
特定秘密保護法案が取り沙汰されている頃、知り合いの鉄道マニアが、「あの法律が成立したら、真っ先に鉄道マニアがやられてしまう」と危惧していた。有事立法が成立したとき、港湾関係者や医療関係者が、有事の際にまずお国のためにかり出されるという危機感を抱いていたことと通底している。第二次世界大戦前に「改正」されていた、さきの「軍機保護法」。ウィキペディアには、続けてこう書かれていた。「国家機密のうち、軍事機密を保護の対象とし、これらの探知、収集、漏洩を処罰」「軍人以外にも民間人も対象で、軍港、要港などの港湾、堡塁、砲台、その他国防のために建設した防禦営造物、軍用艦船、軍用航空機、兵器、陸軍大臣又は海軍大臣所管の飛行場、電気通信所、軍需品工場、軍需品貯蔵所、その他の軍事施設について、測量、撮影、模写(スケッチ)、模造、録取(記録)、複写、複製を禁止又は制限した」「また、陸軍大臣又は海軍大臣は空域、土地、水面について区域を定め、その区域に於ける航空、気象観測、立ち入りの禁止又は制限、外国船舶に対する開港場
以外の入港禁止又は制限を行った。最高刑は死刑」。
戦前がまさに本格的に始まった感がある。防空識別圏や尖閣諸島をめぐる中国の報道、朝鮮民主主義人民共和国の動向を伝えるメディア、テレビでは航空自衛隊の広報室が部隊の『空飛ぶ広報室』が流れ(もう終わったが)、映画では『永遠のゼロ』が上映(ゼロ戦の実物大模型までが、大型商業施設に展示されてもいる)。災害救助にあたる自衛官がテレビニュースでインタビューに答える。スポーツ中継で番組冒頭に君が代の流れる中、胸に手を当てるスポーツ選手が大写しになるのも、「見慣れた」光景となってきた。少しずつ少しずつではあるが、ちょっと前までは「当たり前」ではなったことが、当たり前の日常に入り込んできているようで仕方ない。その一方で、当たり前にできていたことが、当たり前にできなくなりそうで怖い。当たり前に書きたいことをコラムに書いたり、当たり前にデモ行進を行ったり、当たり前に集会をしたりしている日常が、当たり前ではなくなる日が近いのかもしれない。特定秘密保護法案の成立は、当たり前の生活を奪いかねない危険性をはらんでいる。
おかしいことはおかしいと声に出す。そんな当たり前のことを、新たに決意しなければならない、そんな時代がまた一歩近づいた。来年の賀状は、また「めでたくはない」内容になってしまいそうだ。声をあげて闘っていかねばならない。闘うためには体が資本。みなさん、お体にお気をつけて、よいお年をお迎えください。

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深井恵(ふかい・めぐみ)

九州某県の高校日本語教員。
日教組の「教え子を再び戦場に送らない」に賛同して組合加入。北原みのりさんとは、10年以上前(ジェンダー・フリー・バッシングがひどかった頃)に組合女性部の学習会講師をお願いして以来の仲。

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