ラブピースクラブはフェミニストが運営する日本初のラブグッズストアです。Since 1996

banner_2212biird

集団的自衛権を行使させない世論づくりを

深井恵2013.11.15

Loading...

教員免許更新の申請を済ませてから一ヶ月以上、毎月の教育委員会の申請締め切り設定日から20日以上が経った。にもかかわらず、教育委員会から完了の書類が送られてきていない。今月のコラムに教員免許更新完了!と書きたかったのだが、残念、来月以降に持ち越しのようだ。職がかかっていなければ気にかけもしないが、下手をすると職を失いかねない事柄なので、完全に完了するまで頭の片隅に常にひっかかっている。教育委員会のHPにも、申請してから何日後に完了の書類が届くといったことについては記載がない。先週、たまりかねて担当部署に問い合わせの電話をかけたところ、週明けには発送するとのことだった。が、もうすでにそれから一週間がたとうとしている。そば屋の出前にしてももう届いてもよさそうなものなのだが・・・。同じ職場の同僚で、同期に教員免許更新講習を受けた人が複数いるのだが、その人たちのところにもまだ届いていないので、自分一人だけ更新不可ということになっているわけではなさそうなのが救い。来週あたりには届くのだろうか。
先日、職場で会計監査があった。事務職員が減らされてきているご時世、教員が会計の一部を担わざるを得ない状況になっている。学校で使う教材(問題集など)を生徒全員に問題集を購入してもらったり、模擬試験の受験料を集めたりした場合、その日に各クラスの生徒がクラス担任に手渡したお金(問題集代や模擬試験の受験料など)を、その日の内に金融機関に預けなければならなくなっている。朝、各クラスで生徒が出してきたお金を、釣り銭が必要ないかも含めて、まずは、クラスごとに金額確認する。その後、学年主任が一学年分まとめて口座に預けに行く。各業者へは金融機関を通してすぐに送金する。という手順だ。当然、一日で全金額が集まるはずもなく、1週間以上、毎日数人の生徒が出してきたお金をクラス担任が集め、金額を確認し、学年主任が一学年分まとめて金融機関に持って行く・・・という一連の作業が続く。
教員には当然授業があるわけで、授業のない時間(本来なら、教材研究や課題を添削したり採点したりする時間)をお金の計算や金融機関まで持って行く時間に充てなければならなくなっている。しかも、その日に出されたお金は必ずその日の内に金融機関へ持って行かなければならないという縛りがある。各クラスから朝のうちにすぐに学年主任のところにお金が集まればいいが、クラスによっては生徒が遅れてお金を出してきたり、担任が朝から連続授業で金額確認が午後になったりすると、一学年分揃うのが午後になる場合もある。午後、確実に授業のない時間があれば金融機関に持って行く対応ができるが、午後に授業が詰まっている場合、お金を持っていきたくても持っていけない事態が生じる。しかも一日の授業が7時間目まであるので、授業終了時刻(清掃や帰りのホームルーム活動が終わる時刻)がイコール勤務時間終了時刻となる。かくして、残業がまた増えていく・・・。
さて、前置きが長くなったが、先日、奥平康弘さん(法学者。東京大学名誉教授)のお話を聴く機会があった。奥平さんは「九条の会」の呼びかけ人のお一人でもある。現行憲法の詳しい読み取りと、自由民主党が昨年4月27日に決定した日本国憲法改正草案の問題点をいくつか指摘されていた。講演時間の都合上、全ての問題点をお聞きすることができなかったのが非常に残念だった。まずは、「国民主権」について。日本国憲法の三大原則は、基本的人権の尊重、国民主権、戦争放棄だ。その「国民主権」が憲法の中で謳われている独立した条文はないとの指摘。憲法の中で「国民主権」が出てくるのは、前文と「第一章天皇」。前文では、ご承知の通り「・・・政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。・・・」。そして「第一章天皇」の条文には「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く」。とある。日本国憲法はアメリカ
から押しつけられたものだ云々という人たちが世の中にはいるが、「第一章国民主権」とあればいいところを「第一章 天皇」ときているのだから、ここには日本側の強い意向があったであろうと想像がつくというものだ。
続く「第二条皇位は、世襲のものであつて、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する」。奥平さんの指摘は「国会の議決した皇室典範」の部分。法律が憲法を先取りしているという矛盾。つまりは、法律の名前が憲法に載っているということ。もっというと、「国会の議決した皇室典範」ではなく、「国会の定める法律により」とあるべきところだという指摘だ。これは目から鱗だった。ここにも日本側の強い意向があったであろう。
その第一章、自民党改正案では、現行の日本国憲法にはない(国旗及び国歌)が新設されている。「第三条 国旗は日章旗とし、国歌は君が代とする」。 「2日本国民は、国旗及び国歌を尊重しなければならない」。とくるからビックリだ。そもそも日本国憲法は、権力をもつ側・為政者側を縛るもの。国民を縛るものではない。そのおおもとをひっくり返して、国民を縛ろうとしている自民党改正案の性格が如実に表れている。この国旗国歌を尊重する義務は、「国旗国歌法」に盛り込もうとして見送られたという。それを憲法に復活させようとしているのだから、何をめざして憲法を「改正」しようとしているのか。「第二章戦争の放棄」は、「第二章安全保障」に「改正」。加えて(国防軍)を新設。内閣法制局はこれまで集団的自衛権は認められないとの見解を示していたが、憲法解釈の拡大で集団的自衛権を行使できるなどと言い始めた自民党(安倍政権)に口裏を合わせるように、先月、参院予算委員会で小松・内閣法制局長官が答弁していたようだ。
圧倒的多数の自公連立政権。戦争へ突き進もうとする動きをとめるには、世論で歯止めをかけるしかない。講演の中で、奥平さんは、婚外子差別を違憲とする最高裁判所の判決にいたったのは、市民の政治活動の積み重ねによる成果だとおっしゃっていた。九条の「改正」ができなれば拡大解釈で集団的自衛権を行使しようとする動きまで見せ始めたいま、一人ひとりの政治活動がその流れを変えるエネルギーとなる。

RANKING人気コラム

  • OLIVE
  • LOVE PIECE CLUB WOMENʼS SEX TOY STORE
  • femistation
  • bababoshi

Follow me!

  • Twitter
  • Facebook
  • instagram

TOPへ