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YURIさんのフェミカンルーム84 「年をとるのも悪くないな、と思う日々」

具ゆり2025.07.22

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みなさんこんにちは。お元気ですか?

私のシニアライフはのんびりペースに慣れて、コラムも1年ぶりです。四季に合わせて模様替えをしたり、小さな庭の花や緑を眺めながら暮らす日々です。

気候のいい春と秋は、少し長い旅に出かけています。

また暑い夏がめぐってきて、昨年のわが家の耐震工事に汗だくだったことが思い出されます。

「南海トラフ巨大地震」が起きると言われてもう30年。最近はトカラ列島で地震が頻発して治まる様子がみえないし、不気味で不安です。

昨年の能登半島地震が起きたあの瞬間は、お正月で帰省していた家族ともども、とっさに外に飛び出していました。あれから1年半もたつというのに、能登の復興はまだまだかかりそうなんて、この国の被災者支援の手薄さにやりきれません。

わが家は築46年の木造家屋で、もし大地震が来たらこの家は耐えられないはず。あのとき、それを感じた瞬間でした。いつかは来ると頭に入れてるだけで、まさか自分の身に起きるとは考えていないのですね。わが家は古いなりに手入れをしているほうですが、耐震をほぼ念頭におかず使い勝手や見栄えのリフォームで満足していたのですから。

今回のコラムは、わが家の耐震工事話が何かのお役に立てればと思い、話題にします。

住宅の耐震基準について調べてみると、国土交通省のHPに「昭和56(1981)年以前に建築された建物の耐震診断・耐震改修をしましょう」とあります。1979年築のわが家はそれにあてはまる旧耐震基準住宅です。

さらに「まず耐震診断を実施し、自らの建物の耐震性を把握して、耐震診断の結果、耐震性が不十分であった場合は、耐震改修や建替えを検討しましょう」と呼びかけています。

「旧耐震基準」住宅は、「数十年に一度発生するような震度5程度の中規模の地震には耐えられるものの、それ以上の大地震では倒壊する可能性がある」。

一方、1981年に施行された「新耐震基準」では、「震度5程度の中地震では軽微なひび割れ程度にとどまり損壊せず、数百年に一度の震度6強程度の大地震であっても倒壊・崩落して人が押しつぶされることなく、命を守れるだけの耐震性が備えられる」。

その後、阪神・淡路大震災がありさらに改正されて現行の耐震基準(2000年基準)に強化。「住まいの安全の基準は地盤調査で測定したうえで、それに見合った基礎構造にすることが義務化された」のです。

地震大国日本ならではの厳しい耐震基準はこうして更新されてきたことがわかりました。

実際は93年に買った中古住宅で、当時はそんなことまったく頭にありませんでした。

さて、では当事者としてどうしたものか。

まず耐震診断です。そして、まさにわが身に起きうる危険度を知ることになりました。

結果は耐震診断基準(is値)0.26! 

診断数値0.3以下は「震度6~7の程度の規模の地震に対する評価」で「倒壊、または崩壊する危険性が高い」。

「おそらく1階部分は押しつぶされます」1級建築士で耐震診断士のOさんは、少し気の毒そうに説明してくれた。脅してるわけじゃないのはわかるけど、そのリアルな危険度に言葉がありません。

「そうなんだ・・・!」 

一方で科学的なデータを前にして、覚悟ができたというか冷静になれた気がします。

このまま住むのがムリなら選択肢は? あれこれ考え始めました。まわりは新築の建て替え住宅が増えてきて街並みも住人も変わってきています。

(私)「小さな平屋に建て替えるなんて、どうかしらね?」

(相方)「この年で、今さら家を建てるなんて」ときっぱり、その気はない。

う~ん、確かに。もう10年若かったらねぇ。

じゃあ、引っ越すという手はありか。

そうは言っても、そばには池と緑に囲まれた公園はあるし、静かな郊外で交通の便もいい。長年住み慣れた家の居心地は捨てがたい。気に入るところはそうそう見つかるでもなく、今さら新しい暮らしを考えても、ストレスばかりが大きいことにも気がついた。

わが家は2人暮らしにはほどよい広さで、お互いのプライベートスペースでの自分時間と空間に余裕がある。年を重ねたせいか、お互いの世界に踏み込まず干渉しないこのバウンダリーが心地いい。ちょうどいい具合に自由で、1日中同じ家にいながら苦にならない程度でつきあっている。いや~、昔はちょっとしたことにムカついて、カリカリしていたのにねぇ。

2人でいるうちはこのままでいいかなぁ。

おひとり様になったら小さなマンション暮らしかな、と思っていたけど、それ、今じゃない。

耐震改修助成制度の補助金も出ることだし、まぁ直して住むことにしましょう。

能登地震があって、私のようなかけこみ耐震診断需要はぐんと増えたそうだけど、実際に工事に踏み切る人は1割程度と聞いた。そうかもね。いざ見積った工事の金額や詳しい説明を聞いて、考えなおすのはわからなくもないですね。

梅雨時に始まった工事はほぼ1か月半かかった。6部屋のうち5部屋の壁の一部を内側からはがして補強した。暮らしながらなので家具の移動や不便は覚悟、ガマンの連続です。

それでも日に日に頑丈に改修されていくのを見ながら、安心実感が生まれてきます。

以前からの懸案だった古いサッシは、この際思い切ってペアガラスや二重窓にしたおかげでビックリするほどの断熱と遮音効果だし、市のボランティアさんにお願いしてタンスや本棚の固定もガッチリできた。やれやれ。

工事完了検査は「耐震基準値1」を無事にクリア!

「シスターフッドルームさらん」リ・スタート。安全保障を手に入れた夏でした。
ゲストのみなさん、安心して来てくださいね。

「ルームさらん」のおんなのサロンは「性&からだ」のトークサロンや北原みのりさんを招いて「フェムケアトーク」を開催したり、最近は「包括的性教育で繋がる」次世代メンバーがMTで集まったりと、ゆるく続けています。

先月、ラブピの東京ショールームに行って骨盤底筋群トレーニングチェア「femisson+」を体験してきました。すごくいいですね!体感抜群、パルスが効く!内部まで届く感じ!ぜひ欲しい!と思ったけどとても買えるお値段じゃないとわかって、手ごろなケゴールブーストを購入しました。これはこれでいいですね、ふふふ。

みんなでワイワイ「骨盤底筋フェムケアサロン」をやりたい、楽しそうでしょ。

サロンではYURIさんランチつきが定番です。来る人の顔ぶれを思いながらメニューを考えるのも楽しみです。一緒にごはんをおいしく食べて、時には飲んだり、親密な人たちと大切にしたい時間です。

カウンセリングは対面とオンラインで続けています。

遠方に住むオンラインのクライエントさんが「さらん」に来てくれることもあります。何年も画面越しだった方と初めてリアルで会えるとちょっとドラマチックです。海外在住女性とつながることもあります。オンラインの時代ですね。そのことはいつか書けたらなと思います。

昨年度から『フェミニストカウンセリング研究』のジャーナル編集委員を引き受けました。フェミニストカウンセリング学会が毎年発行しているジャーナルで、19号、20号に続いて3年目はそろそろ21号にとりかかります。会員が自分たちの手で作り続けてきたジャーナルは、私自身のフェミカン史でもあります。その他、フェミニストカウンセラー協会のフェミカン冊子シリーズを企画準備中。新しい仲間との出会いや編集作業を通してシスターフッドの充実した時間を楽しんでいます。

こんな暮らしを続けながら、年を取るのも悪くないなと思う日々です。

YURIさんのフェミカンルーム、今回も読んでいただいてありがとうございます。

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具ゆり

具ゆり(ぐ・ゆり)

フェミニストカウンセラー
フェミニストカウンセリングによる女性の相談支援に携わっている。
カウンセリング、自己尊重・自己主張のグループトレーニングのほか、ハラスメント、デートDVやDV防止教育活動など、女性の人権、子どもの人権に取り組んでいる。
映画やミュージカルが大好き。
マイブームは、ソウルに出かけてK-ミュージカルや舞台を観ること。

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