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男女混合名簿導入から見えてくるもの

深井恵2004.06.15

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とうとう全国的に梅雨に入っちゃいましたね。ジメジメしたどんよりとした日々が続いていますが、みなさん、体調はいかがでしょうか。これからしばらくは食べ物も用心して食べないといけない季節が続きますが、この雨がなきゃ夏は水不足になってしまうと思って、雨の季節も楽しんでみよう・・・などと、無理矢理こじつけてみたりして・・。

さてさて、第4回は、「男女混合名簿導入から見えてくるもの」です。

たかが混合名簿されど混合名簿。男女別男性優勢名簿では見えなかった事柄が、次々と明らかになってきました。たくさんありますが、思いつくがままに挙げてみましょう。
「男女別の平均点」

中間考査、期末考査などなど、さまざまなテストを高校では行っていますが、男女別名簿の頃は、平均点をわざわざ「女子○○点」「男子○○点」と、男女別にそれぞれ計算して、「文系科目は女子が得意」だとか、「男子はもっと頑張らないと女子に負けているぞ」とか、まことしやかに分析してコメントしてたんですね。ちっとも個々の生徒を見ていなくて、「初めに性別ありき」の姿勢で、ジェンダーのフィルターを通してから生徒を見ていた教員が多かったんです。この傾向は、男女混合名簿を導入してからはなくなりました。男女別平均点の愚かしさが自ずとわかったようでした。

点数だけにとどまらず、たとえば、各種提出物のチェック表も、男女別の名簿で提出物をチェックしていると「女子のくせになかなか提出物を出さないなんてだらしない」「男子でもしっかりと出している」などと、提出傾向を男女の二分割でしか見ないままに終わったうんですよね。生徒一人ひとりを、きちんと個として見て指導するっていう当たり前のことに、男女混合名簿の果たした役割は大きかったと言えます。

仕事の役割分担
学校行事の準備や後かたづけの役割分担をする際にも、性による区別は行われがちです。「プラカードを持つのは女子」「テント張りは男子」「受付・湯茶接待は女子」などなど・・。相撲の大会が行われた時に、プラカードを持つ女子を各クラスから数名ずつ出すよう求められたこともありました。「女は穢れているから土俵にあげられない」などと宣うくせに、プラカードは女子じゃなきゃダメなのかい?と、食ってかかりましたが・・。

男子生徒からも「何でいつも力仕事は男子だけなのか」と反感を持っている声が聞かれました。男子・女子で分けずに、一緒に力を出し合って準備や後かたづけをすればいいんですよね。
高校入試の合格者の男女比は1:1?

たとえば、「定員が400人の場合、女子200人、男子200人を合格にする」っていうのが、果たして男女平等かどうかってことです。合格した男女のそれぞれの最低点が、男女で違う・・。軒並み、女子の点数のほうが高く、男子が低い傾向にあるようですが、「男子だからこの得点でも合格できた」「女子だからこの得点では不合格」などということが、許されるのでしょうか。混合名簿の導入が進んだ現在、このような男女別で合格点が違うような学校はあるのかどうか定かではありませんが、就職試験でも似たようなケースは多々あるようです。

「男子は一家を支える大黒柱の自覚が出て、最後に成績が伸びる」「女子は理数系に弱い」「女性は結婚出産があって腰掛け程度の働きだから」などなど、ジェンダーによる偏見は、まだまだ渦巻いています。

次回は、このような現状を生徒たちがどのように受け止め、どう変えていこうと考えているか、その一端をお伝えしようと思います。
つづく

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