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教職員の休憩時間をジェンダーの視点でチェック?!

深井恵2005.05.13

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ゴールデンウィークも終わってしまい、五月病にかかっている方も多いのではないでしょうか。連休明けの1週間は、本当に長い長い1週間でした。みなさんも、しんどい時はちょっとゆったり働いて、五月病を乗り切りましょう。特に、ベテランの人で転勤1年目の人は、ストレスの度合いが最もキツイらしいので、ご用心を。

さて、今回は、教職員の休憩時間についてです。労働基準法に謳われていますが、1日8時間の勤務では、45分の休憩時間が確保されなければなりません。義務教育の学校や養護学校では、給食時間も給食の指導があって、教職員は子どもたちの指導に当たります。従って、お昼ご飯の時間は休憩時間になりえません。そこで、義務制の学校や養護学校は、子どもたちが帰った後に、45分の休憩時間を確保しているところが多いのです。

一方、学校図書館の司書は、子どもたちが昼休みに図書館に来るので、昼休みは子どもたちの指導に当たります。そこで、学校図書館の司書は、子どもたちが図書館に来る前に休憩時間を確保するか、子どもたちの昼休みが終わった後に休憩時間を確保して対応しています。他の教職員とはちょっと違った休憩時間になっています。

また、学校にかかってくる電話の応対をしている事務室勤務の職員は、昼休みも電話がかかってくるので、なかなか完全に休憩することができません。事務室内に複数の職員がいれば、交代で休憩をすることができますが、少ない人数だと、ゆったりと昼休みというわけにもいかないのです。

さらに休憩時間の確保が難しいのが、保健室にいる養護教諭。授業中は授業中で、ばらばらと五月雨式に全学年から入れ替わり立ち替わり、諸症状を訴えて子どもたちがやってきます。もちろん子どもたちの昼休みの時間も、多くの子どもたちが保健室にやってきます。子どもたちの対応に追われて、ひどいときには、養護教諭はトイレに行くのもままならないことがあるのです。

子どもたちから完全に離れてゆっくり休憩・・・とはいかない、養護教諭の忙しない毎日です。だったら義務制の学校や養護学校のように、子どもたちが帰った後にゆっくり休めばいいのでは・・・?と思われますが、そうもいきません。
それはどういうことかと言いますと、一日に7時間目まで授業をしている学校では、教職員の勤務時間の終了時刻と子どもの校時の終了時刻がほとんど同じなのです。つまり、超過勤務をしなければ、保健室では子どものいない状態は生まれにくいということなのです。

また、常時子どもが何人かいる保健室では、事務処理などの仕事を片づける時間も、なかなか確保することが難しいのです。そうなると、休憩時間を確保するくらいなら、子どもたちのいない時間に事務処理をすませてしまおうと、ついつい働いてしまいがちです。

そうして、子どもたちの健康・安全の維持に奔走している養護教諭自身が、一番休憩時間が確保できずにいるという、「医者の不養生」の状態になってしまうのです。

さてさて、ここで「ジェンダーの視点」が入ってくる訳なのですが、学校の事務室の電話の応対を仕事の一つとしている人たち・・・事務補佐の仕事をしている人・・・には、女性が多いのです。学校司書もほとんどが女性、養護教諭にいたっては100%女性です。

そして、この職種の経験者で管理職(事務長や校長)になっている人はいません。管理職になることが全てではないのですが、ここで私が言いたいのは、休憩時間を他の教職員と同じようには確保できずに、シンドイ思いをしている教職員の思いを、管理職は体験していないということなのです。これでは、県教委に対して人的配置を要求するときも、その必要性を感じられないという悪循環に陥ってしまうでしょう。

現に、先日「養護教諭は休憩時間をなかなか確保できない。他の教職員も一緒になってどうしたら確保できるか考えるべきではないか」と、ある男性教員に話をしたところ、「それは養護教諭の問題だ」と一蹴されてしまいました。私にはその感覚が許せない!!

家庭内で多くは女性が担ってきた「アンペイドワーク」に近い労働を、学校の中で担っているのはやっぱり女性・・・そんな構造が、休憩時間一つをとってみても垣間見える学校のシステムでした。

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