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セクシュアル・マイノリティの生きやすい学校生活

深井恵2007.06.19

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 かなり遅めの梅雨入りとなりましたが、みなさんいかがお過ごしでしょうか? 夏本番に水不足が深刻にならないといいですね。いまのうちから節水を心がけよっかなぁ・・などと思いながら過ごしているところです。

 先日の報道によると、陸上自衛隊が市民運動の情報収集をしていたということが明らかにされました(6月7日(木)付けの朝日新聞の記事等)。陸上自衛隊の情報流出防止機関である情報保全隊が、イラクへの自衛隊派遣に反対する市民運動や報道機関の取材などの情報を収集・分析していたというのです。

 この自衛隊の内部資料には個人名も挙げられていて、映画監督の山田洋次さんが書かれた文章や報道写真家の森住卓さんの写真展、議員のあいさつの内容等、イラク派遣に批判的な内容を見つけるとチェックしてリストに載せていたようです。中には、小林多喜二の展示会まで記されていて、あまりのばかばかしさに思わず笑ってしまいましたが、こんなことを本気で自衛隊が監視しているかと思うと、背筋の凍る思いがします。このような市民を監視し圧力を加えることになる、自衛隊の本来の仕事の範疇を超えた逸脱行為を許すわけにはいきません。

 こんなおぞましい事実が明らかになる中、沖縄県の41市町村のうち、27市町村の議会では、高校生が使う日本史教科書の検定で、沖縄戦での集団自決をめぐって「日本軍による集団自決の強制」が削除されたことについて、撤回を求める意見書が可決しました。沖縄県議会でも、近いうちに可決する見通しです。自衛隊はこの一連の動きも監視しているのでしょうか?
草の根の市民運動の力強さに、あさはかな監視など踏み越えるたくましさを感じて、参議院議員選挙もこの勢いだ!!などと、一人元気付けられました。

 さて、前置きが長くなりましたが、定時制高校赴任3ヶ月目。徐々にその面白さ・醍醐味の一端が掴めてきました。

 4月のコラムにも書きましたが、定時制高校ならではのよさを感じたことの筆頭は、制服がなく、少人数の学級編成であることです。生徒が自由にのびのび生活でき、型にはめずに生徒一人ひとりとじっくり向き合えます。アットホームな学校で、クラス担任以外の教員にも、生徒は気軽に話し掛けてくれます。

 私に個人的に話をしに来たこんな生徒がいました。その生徒は、以前、全日制の実業系の高校に通っていたことがあるのですが、その高校の指導になじめず、定時制高校に入りなおした経緯があります。その生徒は、自分は男性同性愛者であると私に打ち明けてくれました。全日制の高校では、みんな一律に同じように振舞うことが求められ、男は男らしく、女は女らしくといった教員の価値観を押し付けられて苦しかったそうです。

男子の制服はこれ、女子の制服はこれ、たくましく力強くなければ男じゃない、かわいらしく気配りができなければ女らしくない・・・そう言った、教員からの有言無言のメッセージを、授業中にとどまらず、ホームルームや学校行事といった日常のさまざま場面でシャワーのように浴びせられ、息苦しい日々を過ごしたと言います。次第に悩みは深くなり、不登校になり自宅にこもり、自分の存在なんてこの世から消えてなくなればいい!!と自暴自棄になったこともある、そう打ち明けてくれました。

そして、今通っている定時制高校は、制服もなく、自分の着たい服装で通学することができるし、男らしくしろと言われることも少ないので、気持ちが楽になったということです。また、クラスメイトにはカミングアウトでき、ありのままの自分を受け入れてもらえる心地よさを実感しているようです。
その生徒は、こうも言ってくれました。「ゲイ、レズビアン、性同一性障害・・など、人を分類して呼ばないでほしい。人が人を好きになる、それでいいじゃないか。性はグラデーションだ」と。

こんな生徒とのやりとりも自衛隊は取り締まるのかなぁ・・・

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