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「女性の視点からの防災対策のススメ」

深井恵2009.01.15

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年末、学校で消火・避難訓練が実施されました。まずは地震が発生したという想定で、机の下にもぐり、しばらく待機の後、消灯し窓を開けて出口の確保。次に、火災が発生したという想定で、電灯をつけて(夜間定時制のため)窓を閉め、口をハンカチなどで覆って、避難経路に沿って避難場所へ。集合の後、消火器を 使った初期消火訓練をしました。

実際に各クラス代表の生徒が消火器を使って行う訓練でしたが、本物の消火器と、水消火器と2種類あって、本物の消火器を使って訓練したのはなぜか男子生徒ばかり。自分のクラスの生徒には、男女問わず消火器を使えるようになっておいたほうがいいし、ガスコンロから出火したときに女性が消火器の使い方を知らな いのは不利だから、特に女子生徒にはより積極的に消火器訓練を体験するよう指導してきたのですが、消火訓練の主催分掌である生徒指導部は、本物の消火器を全て男子生徒に割り当てていました。

さらに、災害時の班別役割分担で男子生徒に「搬出班」、女子生徒に「救護班」を割り当て・・・。「ジェンダー・バイアス」バリバリのまま、今年度の消火・避難訓練が終わってしまいました。男女別の割り当てについては、提案時に意見したのですが、「来年度にむけての課題ということで・・・」とされ、今年は前 年通り実施。また、来年度も同じことを発言しないといけないのか・・・と、多少うんざりしてしまいますが、忘れずに発言しようと思います。

さて、防災といえば、1・17は阪神・淡路大震災が起きた日です。昨年11月に岡山で行われた「全国シェルターシンポジウム」の分科会でも、阪神・淡路大震災の時に女性の犠牲者が特に多かったこと、性犯罪やDVが急増したといった実態が報告され、防災対策の視点に「女性の視点」が欠かせないと確認されまし た(詳しくは12月コラム参照)。その分科会で、男女共同参画課が中心となって作成した女性の視点からの防災対策ということで、大分県が紹介されました。

地元九州ということで、わたしも大分県のHPをチェックして(A4サイズ4ページのリーフレット「女性の視点からの防災対策のススメ」(PDF:826KB)を読んでみました。
まずは表紙に「このリーフレットは、『災害の被害を受けやすい女性』『防災・災害復興の担い手としての女性』双方の立場から、避難所生活での工夫や日頃の備えについてまとめたものです」と書かれていました。「被害を受けやすい女性」だけでなく、「担い手としての女性」という立場からも書かれている点に惹かれます。
防災対策の留意点については、次の6つの柱をもとにそれぞれ具体的な対策が書かれています。
1.安全・安心・快適な空間を確保しましょう
2.みんなで共同して作業しましょう
3.男女のニーズの違いに的確な対応をしましょう
4.防災訓令や防災に関する学習会などを積極的に行い、参加しましょう
5.防災・災害復興の分野への女性の参画を推進し、防災活動の活発化を図りましょう
6.男女がともに支えあう地域づくりに努めましょう

1.の「安全・安心・快適な空間」についての対策に一番力が入れられているようです。
「一人暮らしの女性や高齢者・障がい者、乳幼児のいる家族等の被災者の状況に応じ、間仕切りをするなどの配慮」「仮設トイレの設置にあたっては、特に女性や子どもの安全・安心に配慮した場所や通路を確保」「男女別の更衣スペースの用意」「女性用洗濯物の干し場の確保」「授乳スペース、育児スペースの確保」 「女性や子どもへの暴力を防止し、心身の健康を守るための相談窓口の設置」などが謳われています。注意書きに「*過去の大震災では、女性や子どもに対する暴力(ドメスティック・バイオレンス、性犯罪等)が増加したという調査報告があります」と、きちんと明記しています。

2の「みんなで共同作業」については、阪神淡路大震災や新潟中越地震などの経験から、男性は早い段階で職場へ復帰する一方、不便な生活環境の下での火事や育児などの家庭責任に対する負担が女性に集中してしまったことを踏まえ、避難所内外での作業をみんなで共同ですることが重要と位置づけています。具体的な 作業内容として、食事の準備や片づけ、物資の配布、共有スペースやトイレの掃除、ゴミの処理、行政との連絡、防犯(見回り)、イベントの企画及び開催、家の後片づけなどの復旧作業などを挙げ、共同作業のポイントとしては、一つの活動について性別が偏らないこと、みんなが公平に作業を行えるようローテーションを組むこ となどが書かれていました。

3の「男女のニーズへの的確な対応」については、避難所運営に男性と女性の責任者を配置することを盛り込み、女性が日頃から培ってきた地域の人的ネットワークやご近所づきあいなどの活用、安否確認などに女性の力が発揮されることも言及されていました。

4、5、6については、いつ起こるかわからない災害に備えて、防災・災害復興の分野への女性の参画を推進すること、女性の参画により地域の防災力の活性化が図られることなどが謳われています。

大分の県鳥「メジロ」をあしらったキャラクター「めじろん」(かわいいんだけど、おおいた国体のマスコットキャラクターのようです。国体が終わったいまでは「応援団鳥」として活躍中だとか)が、随所にちりばめられていることが唯一の残念な点でしたが、県の防災対策に、ここまで具体的に「女性の視点」を盛り 込んだ対策があることは、大分県のみならず、九州各県各地域、そして全国発信していく価値のあるものだと思いました。
来年度の校内防災訓練に、この大分県の「女性の視点からの防災対策のススメ」で理論固めして臨む所存です。

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深井恵

深井恵(ふかい・めぐみ)

九州某県の高校日本語教員。
日教組の「教え子を再び戦場に送らない」に賛同して組合加入。北原みのりさんとは、10年以上前(ジェンダー・フリー・バッシングがひどかった頃)に組合女性部の学習会講師をお願いして以来の仲。

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