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集団的自衛権容認と子宮頸がんワクチンの「副反応」、ついでにアナ雪

深井恵2014.07.07

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2014年7月1日は最悪に不名誉な日となった。
「日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ」と謳っているのは、紛れもない、日本国憲法前文の一節だ。一政権の閣議決定ごときで解釈改憲を行うとは盗人猛々しい。海外での武力行使を容認し、自衛隊が武器を使える範囲を拡大し、自衛隊が後方支援する場所を「非戦闘地域」に限る制約をなくすという。「平和主義」というこの国の柱を根元から抜き去ろうとしている。これが安倍首相のいう「積極的平和主義」なのか。

これほど大きく憲法にかかわることは、国民に信を問うべきだ。主権者の国民不在の場で、勝手に決めたのだ。案の定、安倍政権の支持率は急降下。当初はすぐにでも関連法案の審議に入ろうかと伺わせていたが、得策でないとみたか、ここにきて急遽先送った。来年の通常国会で幅広い法整備を一括して行うという。これから控えている各級選挙の一つ一つの積み重ねによっては、「戦争への道」を選ぶのか、「平和への道」を進むのか、その行方が分かれることになる。「新たなる戦前」にさせないために、しなければならないことはたくさんある。閣議決定された日の首相官邸前のデモに参加した人の多さに、まだ諦めずに闘えば、平和への道をつかみ取れると確信した。しかし、予断は許されない。教え子を再び戦場に送ってはならない。

子宮頸がんワクチンの「副反応」が一部で報道されている。「副作用」という言葉だったら聞いたことがあったが、「副反応」という言葉は、耳慣れなかった。看護師をしている友だちの話によると、「副反応」という言葉はワクチンに対して使うとのこと。病気に対しては「作用」を期待して薬剤を使っていて、作用=治癒あるいは症状軽減と捉え、「副作用」という用語となる。しかし、ワクチンの場合は免疫反応をつくるものであって、治療とは別扱いということで、「副反応」となるらしい。言われてみればなるほどと納得するが、個人的な印象としては、「副作用」というと、責任主体は「薬」や「注射」にあり、「副反応」というと、責任主体は飲んだ側・打たれた側、つまり、飲んだり打たれたりした人間にあるという印象を受ける。国お得意の「自己責任」論か(?)と思ってしまった。

現時点でも、子宮頸がんワクチンの「副反応」を、国は認めていない。あくまで個人の体に原因があるとの見解だ。そもそも子宮頸がんは性感染症として位置づけられ、ヒトパピローマウイルスに感染しなければいいわけで、コンドームをつければほとんど防げるはずだ。コンドームをつけない性行為を頻繁に行うと、感染のリスクは高まる。既婚女性の感染率が高いというのもうなずける。

そう、この子宮頸がんワクチン、コンドームをつけたがらない男たちと、コンドームをつけてなかなか妊娠しないと困ると考えた国(戦争が始まると若者が更に必要になるし)と、ワクチンで儲かる製薬会社が結託して、「そんなら女にワクチンを打ってもらって、自己防衛してもらおうぜ。」と目論んだ・・と捉えるのは考えすぎか?

「副反応」で、記憶障害や計算障害、歩行障害等が起きた女子中高生もいると報道や雑誌で知った。親の顔がわからなくなる重篤なケースもあるという。「子どもが将来癌にかかるリスクを減らせるなら」とワクチンを受けさせた親も多いに違いない。まさか、「副反応」があろうとは思わずに。このまま泣き寝入りさせず、薬害として認めさせなければならない大きな問題だろう。

先日、「アナと雪の女王」を見に行った。なかなかのロングランという。水曜日(レディースデイ)に意を決して(?)行った。身長の高さと髪型(ショート)のため、男性に間違われることが圧倒的に多いので、レディースデイに行くと「性別チェック」で一騒動起きる。前回レディースデイに一人で見に行った際には、チケットを購入して入り口で係員に渡して半券を受け取ろうとしたとき、「お連れの方がいらっしゃいますか?」と聞かれた。「いえ、一人ですが・・・」と答えながら、「ははぁ、カップルで映画を見に来て、相手の女性の分はレディースデイのチケットを買い、もう一枚は一般券を買ったものの、レディースデイのチケットを間違って男性側が持っているんだと判断されたか・・・」と、瞬時に係員の思考回路が見えた。今回もまた何か「物言い」がつくかと身構えていたが、簡単にスルー(?)した。レディースデイが1100円になっていたことを初めて知った。増税後にこの手の映画を見に行ったのが初めてということだ。消費税が10%になったら、また上がるのだろうか。

さて、「アナと雪の女王」だが、「女王」という言葉に最初に触れたのは小学校の頃に習字を習っていて、ある月のお手本(毎月、お手本が変わっていた)が、「雪の女王」だった。そのお手本を見るまで、「王女」という言葉は知っていたが、「女王」という言葉を知らなかった小学生の頃の私。頭の中でなかなかしっくり来ず、「王女」の間違いなのではないか・・・などとしばらく悶々としていたことを思い出す。同じ頃、「帰国子女」には「女の子しかいないのかな」と思っていた(「子」が男子の尊称だと知るのは数年後、孔子や孟子を学習する頃だ)。「女医」や「女教師」はいまや死語となりつつあるが、「女王」は死語にはならないのだろうか。

「アナと雪の女王」、原題は「FROZEN」というらしい。そう、この日本向けの映画のタイトルに、しっくりきていなかった。もともとのタイトルや言語(英語)に触れたくて、子どもが見にくるような時間(日中)を避け、夜にしたのに、映画が始まってみると、吹き替えだった(笑)。神田沙也加と松たか子が吹き替えているからなのか、この時間帯の映画で吹き替えはないでしょ・・・と思ったもののあとの祭り。仕方なく最後まで映画を見た。自分の能力を封印させられた「女王」と、取り立てて特別な能力は持たない「アナ」。双方ともに「ありのままで」自然体で生きるのがいいと思うが、日本でヒットした理由は、この国の女性の生きづらさの裏返しと思ってしまう。「男勝り」と言われ、「女らしくしなさい」と言われ、議員になればセクハラやじを受け、キャリア官僚であっても子どもを産むことを最優先させられる。「女性の登用」を積極的に進めたとアピールしたら、法務省や経済産業省で初の女性局長に女性が就任するとの報道で、「これから重責を担うことになります。云々」と余計な一言が付け加えられる。男性が局長に就任して「重責云々」と付け加えてきただろうか。ただでさえ生きづらい国が、ますます生きづらくなっている。

 

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