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彼氏ができました。すご~くイケメンで優しいんだけど、束縛したり、たまに暴力をふるいます。どうしますか?・・・高校生に考えてほしい10個のチェックリスト。

具ゆり2015.02.12

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  第12回「恋愛と暴力~恋する自分の心とからだを守る~パート2」 1月に引き続き、卒業を控えた女子高3年生の授業、後半の2時限分の様子です。 私立女子中高育ちの彼女たち。アイスブレーキングは「彼氏にするなら、どんな人がいい?」。 さすがに物心ともに要求水準は高いです。「お金持ち(or経済力)」「安定職(or収入が安定)」「身長(175、185以上)」は相変わらずの差別的な定番条件ベスト3ですね。「イケメン」「センスがいい」「ダサくない」「いいにおい(ほぅ~)」など容貌容姿のほか、心理面での要求は「優しい」「おだやか」「温厚」「おもしろい」「うざくない」「守ってくれる」「私を大切にしてくれる」「一緒にいて楽な人」「共通の趣味」など、女子の好みとしては一般的。「怒らない」「DV(暴力)しない」「束縛しない」「お互いを干渉しない」「個人の時間をもてる」「家事ができる」など、講座のテーマとジェンダーにしばられない男女平等で対等な関係を意識した発言もあります。そんなことを好き勝手に言い合ってウォーミングアップ。 「で、恋人にしたい人と結婚したい人は、おんなじなの?」と聞くと、またワイワイ。「恋人は見た目が合格じゃないとダメ!でも、結婚は別!」という声が大きい。ふ~む、恋人は「私の彼氏よ」と紹介して自慢できる、見せるレベルが必要だそうです。でも、「結婚は顔より、愛より、生活条件(金、仕事)。センスは後で磨いてあげる」と、きっちり割り切り型の女子も多い。う~ん。母親の大半が専業主婦という環境から考えれば、貧困とは縁のない恵まれた生徒が大多数の学校だしねぇ。安定志向になるのかなあ。お金もキャリアもないと相手にしないということか・・・。 さて、本題。「彼氏ができました、すご~くイケメンで優しいんだけど、束縛したり、たまに暴力をふるいます。どうしますか?」・・・恋愛経験ゼロの彼女たちに、今だからこそ考えておいてほしいことです。

  <チェックリスト>「もしこんなことがあったら、どうする?」  ①いつも一緒にいることを要求する  ②異性(あるいは同性でも)の友だちと話す、会うことをいやがる  ③何回も電話やメールがきて、すぐにでないと怒る  ④どこで何をしているか、すべて行動を知りたがる  ⑤メールや携帯の履歴をチェックする  ⑥服やヘアスタイルなど、自分の好みを押しつける  ⑦人前で見下すような態度をしたり、傷つくことを言う  ⑧気に入らないことがあると、すぐに不機嫌になる  ⑨お金を貸しても返してくれない  ⑩無理やり性行為をする・避妊してくれない 10項目のチェックリストを見て静かに1人で考える子、2~3人で話し合う子、騒がしく大声で話す子たち・・いろいろです。 「即、アウト」「すぐ別れる」とハッキリ断言する子がいる一方で、考え込む子もいる。「好きな人だったら言うこと聞いちゃうかも・・」そう、そうなのよね。だから、今、自分の直感や価値観で考えてみてほしい。当事者になる前に、自分の感度、感覚を磨いておいてほしいのです。 「どんな恋愛がしたい? どんな関係が理想?」と問いかけながら、10代・20代のデートDV(交際相手からの暴力)の実態を知り、これからのために考えます。 参考資料の名古屋市「デートDVに関する調査報告書」(2009)をご紹介します。名古屋市全63高校中31校の協力を得た精度の高い調査です。デートDV被害経験は女子で4人に1人、男子で8人に1人。特徴は大きく①性行為の無理強い、避妊しない ②携帯電話による監視、コントロール ③女性の側の恐怖感の高さ の3つをあげられます。「無理やり性的な行為をされた」被害女子は6.1%、実に20人に1人という数字は見過ごせません。これは決して名古屋だけの数字ではないでしょう。ほぼ日本のどの地域でも、どの学校でもありうる高校生の現状を表しているととらえていいはずです。高校生の性知識がどれほど稚拙かを思えば、妊娠の危険から彼女たちを守らなければなりません。男子にも教育が必要です。教育現場での早急な対策がとられなければなりません。 ある共学高でのアンケートでは、「いやだったらセックスには応じないはずだ」と考える男子は「ややそう思う」を含めて65%もいます。逆に「そうは思わない」女子は53%、過半数います。この温度差が問題です。「彼のことは好きだけど、まだ心の準備ができていないのに応じてしまった」女の子が多いことを彼らに知らせないといけません。彼女たちの本音を聞くと「相手の機嫌が悪くなるので断れなかった」「イヤだと言って嫌われたくなかった」「イヤだと言ったけれど聞いてくれなかった」とほとんど同じセリフが返ってきます。10代の男の子たちのほとんどが「相手が許してくれるところまでする」と言っていることを思うとやり切れません。 デートDVは暴力で相手を支配する関係です。暴力を軽く考え、束縛や嫉妬を愛情と勘違いしている人は、力づくで相手を思い通りにしたがります。それは愛じゃないんだと彼らが知り、自分で気づけるよう学ぶ機会が必要です。 だから授業では、「好き」とは、大切な人との関係とは、YESもNOも言えてお互いを尊重する対等な関係とは、を考えます。デートDVの予防知識、誰にでも起こりうるという認識、暴力と被害のメカニズム、心理的影響も知って、暴力を見抜く力を養うこと、妊娠予防知識を含め、セルフディフェンスのスキルを身につけて自分を守れるようにするのが授業のねらいです。素敵な人と出会って、幸せな恋をするために。

 <生徒の感想(一部抜粋)> *つきあうっていうのが「好きだから」ってだけではダメなんだなと本当に思いました。 *自分のことを大切にしようと思った。恋しようと思った。人生のいい勉強になりました。 *女子校だから周りでカップルがいなくて、付き合うということが身近ではなかったので、DVDで本当にデートDVされた人の話が聞けてためになった。自分も気をつけようと思った。 *自分の意見をきちんと人に伝えるのが大事だと感じた。私も友だちとの関係でいやなことはいやとお互いに言える人をつくるよう心がけたい。(絵文字) *デートDVなんて嫌だし、もし自分がそうなったら我慢するなんてありえないくらいに思っていたけど、境界も気持ち的にも難しい問題だなと思いました。 *私は今まで彼氏もいないは恋もしたことがなかったので大学では彼氏つくろう!と強い気持ちがあります。しかし今回デートDVについて知ってたくさん知らないことがありました。彼氏はほしいですが、できたらデートDVに気をつけて恋をたくさんしようと思います。 *大学の共学は不安だけど、楽しみでもあるので、楽しみたいです。 *自分の父親が母に対してDVを行っていて、母は父に逆らうなといつも言っています。自分は県外の大学に行くので逃げるけど、母親は逃げられないのでかわいそうだと思いました。まずは母親の意識を変える必要があると思いました。 その他、デートDVを知ってよかった、いい恋愛をするぞ、楽しかった、加害者にもならないぞ、などなど。彼女たちは3月高校を巣立ち、新しい世界に旅立っていきます。

 <最近のこと> 2月、震災支援で久しぶりに福島に入りました。除染が繰り返されていてもまた雨が降ると・・・。 そんな繰り返しのやるせない現状を目の当たりにしました。被災地の女性たちの活動が徐々に沁みるように広がっています。

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具ゆり(ぐ・ゆり)

フェミニストカウンセラー
フェミニストカウンセリングによる女性の相談支援に携わっている。
カウンセリング、自己尊重・自己主張のグループトレーニングのほか、ハラスメント、デートDVやDV防止教育活動など、女性の人権、子どもの人権に取り組んで20年あまり。
映画やミュージカルが大好き。
マイブームは、ソウルに出かけてK-ミュージカルや舞台を観ること。

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