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映画・ドラマに映る韓国女性のリアル(6) 愛憎入り交じる母娘、映画「同じ下着を着るふたりの女」

成川彩2023.05.20

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「同じ下着を着るふたりの女」。タイトルから気になる。韓国の原題もこのままで、ふたりというのは母と娘を指している。同じ下着を着るほど仲がいいのかと言えば、その逆だ。険悪な関係ながら離れられない、愛憎入り交じる母娘が描かれた。日本では5月13日に公開された。

「同じ下着を着るふたりの女」は、昨年の東京フィルメックスでも上映され、来日したキム・セイン監督は「以前短編映画を撮っているときから、心から愛することも憎むこともできないアイロニカルな関係を探求してきたが、韓国社会でアイロニカルな関係の極みを考えたとき、母と娘の関係だと思った」と話していた。キム監督は1992年生まれ、「同じ下着を着るふたりの女」が長編デビュー作だ。近年、韓国では若い女性監督の長編デビューが相次いでいる。それらの多くが自分自身の経験が土台になっていたり、女性をテーマにしたりした作品だ。

愛憎入り交じる母娘というのは、リアルにはたいていの母娘がある程度そうだろうとも思う。ただ、「同じ下着を着るふたりの女」の母スギョン(ヤン・マルボク)は、娘イジョン(イム・ジホ)にことあるごとに暴言を吐き、暴力を振るう、かなりひどい母だ。



スギョンとイジョンはふたり暮らし。ひとりで子育てをしてきたスギョンは「娘の犠牲になった」という不満を抱えているようだ。一方のイジョンは、暴言・暴力の絶えない母を憎みつつ、20代後半にもなって自立もできない。母と同じ下着を着るのは、自立できていないからだ。



ある日、駐車場の車の中でけんかになったふたり(というより、一方的にスギョンにイジョンがたたかれる)。イジョンは車から飛び出すが、車が急発進し、イジョンをはねる。スギョンが故意に当てたのか、車の不具合で当たってしまったのか。車が勝手に動いたと主張するスギョンと、それを信じられないイジョン。この出来事をめぐってふたりの確執は深まる。



髪を赤く染め、恋人の前では屈託なく笑うスギョン。自由奔放なスギョンとは対照的に、イジョンはおとなしく、友達付き合いもうまくできない。母と娘は決別して自分の人生を歩もうとするが、それぞれ行き詰まる。スギョンは恋人と暮らそうとするが、恋人の娘となじめない。イジョンは少し親しくなった会社の同僚女性の家に転がり込むが、同僚女性はイジョンとの間に線を引こうとする。母の代わりに同僚女性に依存しつつあったイジョンは絶望する。

韓国は映画・ドラマの中でも、実際にも、家族の存在感が大きい。トラウマの原因が家族だったり、人生の選択の理由が家族だったり。韓国の人たちを見ていて、家族の絆がまぶしく感じることもあれば、もう少し互いに解放してあげてもいいのでは、と思うこともある。特に母と娘の関係が難しいのは、同じ女性であるがゆえ、自分を投影してしまいがちなのではなかろうか。

そう感じたのは、女性の「性」を感じさせる描写が多かったからだ。生理痛で苦しむイジョンに「なんで私の悪いところばかり似るの?」とため息をつくスギョン。スギョンも生理痛がひどい方なのだろう。何より、スギョンが営んでいるのが、ヨモギ燻しだ。韓国語では「ヨモギ座燻」と言うもので、座浴のように下半身にヨモギを燻した煙を当てる。血行をよくし、特に婦人科疾患の改善につながると言われている。私自身、昨年からヨモギ燻しに通っているが、中年以上の女性客が多い。



それにしても、スギョンのキャラクターは破格だった。娘や恋人、友人……周りとことごとくぶつかり、暴言を吐いてしまう。怒ってコートを脱ぎ捨て、スリップ1枚で街を闊歩する姿は圧巻だった。とんでもないけども、どこか憎めない魅力も持ち合わせている。

女性監督作が増える中で、これまで主人公の「母」として補助的な役割で描かれることの多かった中年女性が、主人公として多様な側面が描かれるようになってきた。ドラマでも、最近ヒットした「イルタ・スキャンダル」の主演チョン・ドヨンや、現在視聴率急上昇中の「医師チャ・ジョンスク」の主演オム・ジョンファら、50代のベテラン女優たちが「母」でありながら恋愛したり、仕事に再挑戦したり、という役で共感を集めている。多様な女性キャラクターは魅力ある作品につながるだけでなく、中年女性を「母」の役割に閉じ込めず、価値観の多様化を促している面もありそうだ。



キム・セイン監督
©Challan Film

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成川彩

成川彩(なりかわ・あや)

韓国在住文化系ライター。2008~2017年、朝日新聞記者として文化を中心に取材。2017年から韓国に渡り、ソウルの東国大学大学院で韓国映画について学びつつ、フリーのライターとして共同通信、中央日報など日韓の様々なメディアに執筆。2020年からKBS WORLD Radioの日本語番組「玄海灘に立つ虹」で韓国の本と映画を紹介している。2020年、韓国でエッセイ『どこにいても、私は私らしく(어디에 있든 나는 나답게)』出版。

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