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幸せな毒娘 Vol.38 人類最後の植民地、女性:ポリティカルコレクトネスに女性の人権はない

JayooByul2023.10.13

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ついこの前北海道の老人ホームで100歳の女性を性的に暴行した事件がありましたね。老衰した人を乱暴に扱うと死んでしまう事は誰もがわかることであって、最初から殺人の罪に問われず「不同意性交罪」として扱われているのはとても残念な事です。悲痛ながら老人ホームや病院で起きる性犯罪はそれが初めてではなく、世界どこでも今この瞬間も起きています。

アメリカでは男のEN (Enrolled Nurse) が植物状態の女性をレイプし妊娠・出産までさせた事件がありましたね。男は子供のDNAと言う強力な証拠があるにも関わらず無罪を主張していました。

韓国では足の手術を受けてた60代の女性が30代の男性ENにレイプされ自殺してしまった事件もありました。警察側に「30代男性が60代女性をレイプした」と言う事実を信じてもらえず、極度なストレスに苦しまれていたとの話でした。遺書には「私が若ければ加害者が捕まったはずだ」と書かれていたそうです。

それだけではありません。男性医者による全身麻酔状態の患者たちがレイプされた事件があります。それにお医者さんからの被害に遭う女性たちはお医者さんから薬物を乱用されたのにもかかわらず「互いの同意の上関係を持った」と判決されたケースもありました。

医者から患者へ、介護の人から患者へ、または患者から他の患者へと―加害者の立場はそれぞれですが、被害に遭う人は大体体の不自由な患者であって、物理的に抵抗の出来ない人が殆ど。性別も被害に遭う人はまれに男性も居ますが大体は女性で、加害者は全員男性。そのため当たり前ながら女性たちは女性のお医者さんのいる病院を好んだりするわけです。

オーストラリアで老人ホームの看護師として働く私が思うには、医療機関ですら女性スペースが切実に思えてきます。老人ホームも同じです。おばあちゃんたちのためでも、自分の将来のためでも女性専用の老人ホームがあった方が安心なのではないかと思うんです。

しかしそれと同時にこういう不安も湧いてきますね。もしも本当に女性専用の老人ホームが出来るとしたら、そして今の世代がそのまま年を取っていくとしたら、いずれ女性専用の老人ホームも生物学的男性たちに侵略されてしまうのではないか、と。ジェンダーで「差別をしてはならない」からと「ポリティカルコレクト」という名の下でです。そしてこれは被害妄想でも、皮肉のつもりでもない事実です。実際世間が主張する「ポリティカルコレクト」には女性の人権が含まれていないからです。私はここ数年看護師として働きながら実際こういった経験をしています。

ある老人ホームで認知症で殆ど記憶もないし意思の疎通も取れないおばあちゃんたちだけを狙って、太ももを触ったり体を密着して座ったりとセクハラをする男性の入居者がいました。彼は介護士たちのアシストを求めず大体一人で生活が出来、趣味で中国語も勉強している等、心身ともにとても健康な人に見えましたが、どの手口を使ったのか担当の精神科医には「Dementia(認知症)」という診断を受けていて、自分の行動を病気のせいにしていました。

認知症は未だに治療法がなく、徐々に悪化していくだけの病気なのですが、彼は何故か2回目のコンサルタントでは前回より「良い記憶力点数」を取ったらしいです。その時点で彼の異常さに気付くべきだと思うのですが、医者も自分の名誉が掛かっている事なので、そうそう誤診を認める訳がありません。

しかし彼により強い対応が出来なかった理由はそれだけではありませんでした。彼は肌色の暗い国から移民した移民者―どっちかと言えば「黒人」と言える人種だったのです。彼はそれを利用し、介護士や看護師が「その女性の入居者から離れて」、「彼女を一人にしておいてあげて」など、口を出すとすぐに激怒し、「お前らは俺が黒人だから差別をしている!俺にだけ一々うるさく口を挟んでいる!」と怒鳴りました。「人種差別」という言葉に白人のスタッフたちはビビッてそれ以上関わろうとしません。だから施設を管理するマネージャーは「彼の出身国ではスキンシップが挨拶替わりらしいの。だから彼は性犯罪者なのではなくて、文化が違うだけ。私たちはCultural Differenceを尊重しなくてはね。」と言い責任を回避しようとしていました。

自分に抵抗できない女性にだけ近づきセクハラをするという、そんなクソみたいな文化は聞いたこともないのですが、例え本当にそんな文化があるとしてもここはオーストラリア。文化の尊重は互いにするものであって、一方的に押し付けるものではありません。皆もそれを知っているはずなのですが、やっぱり「ポリティカルコレクト」を優先した結果、他の女性の入居者を守りたいと言う気持ちよりはレイシストに呼ばれたくないと言う気持ちが強かったのではないでしょうか。

私は白人でも黒人でもないと言う立場を利用し、私からそれは性犯罪を庇う言い訳に過ぎないと、犯罪は文化として認めてはいけないし、彼は自分の立場を悪用しているのに限らないと声を上げました。すると色んなスタッフからより多くの目撃情報や証拠が集まって来るようになったんです。私はその証拠をより上のマネージメントチームに報告しました。それから毎晩本社から送られた警備の人が彼を監視するようになりました。

が、それだけではすっきりとしません。その男のために雇われた1:1の警備員の給料は週に数千ドル。病気や人種を盾にし性犯罪を犯している男なんて、男専用の施設に送るか刑務所に送ってしまえば良いだけの話なのに、何故そこまで税金を無駄にしながら彼を守らなければならなかったんでしょう。認知症に関しても同じです。「認知症の患者は性的に不適切な行動を取ったりもする」と知られていますが、他人に迷惑まで掛けながら性的に狂った行動を取るのは何故男性だけなのでしょうか。この世は「男の劣等さ」を必死に隠し、彼らを守るために色んな理屈を作っているだけなのではないでしょうか。

看護師たちが経験するセクハラ問題は深刻です。オーストラリアではセクハラ自体が多くはないのですが、それはあくまでも処罰が厳しいためであって、オーストラリアの男たちがアジアの男性より優れているからではありません。しかし、普通の会社で同じような事が起きたのならすぐ上司に行って首にしてもらったり、警察沙汰に出来たりするのに、看護師たちの対応はそれとは少し違います。いいえ、違うべきであると言う雰囲気を教わります。看護師は患者の面倒を見る仕事に付いているので、不快なセクハラに遭ったとしても、事を大きくするのは「最後の最後の手段」として後回しされます。

労働者を大事にするオーストラリアが、看護師の人権は後回しにしているだなんて可笑しな話です。もし看護師が女性の多い職場でなく、男性の多い職場だったとしたら?それでもこういった待遇が同じだったのでしょうか?

悲しいことに2023年が終わる今でも世界の女性たちが訴えている権利は、「安全権」、「生存権」と言う人として守られるべき最低な基本権に過ぎません。それが女性スペースなのです。でもそれすら「女性と呼ばれ女性のグループに属したいと言う気分」を守る権利―そう、生物学的男性の気分権を優先しようとする動きが強くなっていますよね。PCを叫び皆の人権を大事にする人々が「女性にかすかに与えられている権利すら奪おうとする動き」からは目を逸らしているって、それは一体何を意味するのでしょうか?

いつも他人の人権を奪う側は「生物学的男性」であって搾取される側は「生物学的女性」です。ですが、世界は「男の否」を国や人種、宗教やジェンダーなどに括ってごまかそうとしています。例えばある宗教や国の男性達への非難を「人種差別だ!宗教差別だ!」と論点をずらし、女性たちの声を塞ごうとする動きがそれです。だから私たちは「ポリティカルコレクト(=全ての差別は宜しくない、皆の人権は大事である)」という言葉に騙されてはいけないと思うんです。その「全ての差別」に女性への差別は含まれてないのですから。その「皆の人権」に女性の人権は含まれてませんから。

「人類最後の植民地は女性である」

私はその言葉以上に現代を良く表す言葉はないと思います。

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JayooByul

JayooByul(じゃゆびょる)

JayooByul (ジャヨビョル)日本のお嫁さんとオーストラリアで仲良くコアラ暮らしをしています。堂々なるDV・性犯罪生存者。気づいたらフェミニストと呼ばれていました。毒娘で幸せです。

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