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ひとりでカナダ大学生やりなおし~アラフォーの挑戦 Vol.16 若手による余興という文化

橘さざんか2024.01.19

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年末恒例の忘年会、自体は私は意外と嫌いではありません。普段話せない事務方の人と話せたりするし、まぁなんとなく一団の一員になっているのが楽という感じの会合だと思っていました。 他の業界ではどうなのかわからないのですが、医局(※注)では若手が余興として出し物をして一年の感謝を表す(?)というのが恒例になっています。

今研修生として所属している病院でもコロナが明けて3年ぶりの忘年会があり、若手医師・看護師は2ヶ月くらい前からダンスの練習をしていました。私も誘ってもらいましたがもう若手ではないのでいいだろうという意識もあり(そういった年功序列制のような考え方が悪なのかもしれませんが)断っていたのですが、他の後期研修医が仕事の後20時から22時まで、のようなかんじで練習しているのを知っていて「偉いなぁ」と思っていました。当日見るのを楽しみにしていたのですが、1週間前にたまたまその医師達によるダンスを録画してミュージックビデオ風にしたものを見させてもらって青ざめました。
とある上級医が韓国人プロデューサー役として登場し、韓国語訛りの日本語を話すというシーンがあったのです。日本においてはマイノリティにあたる国籍の人のモノマネ、とくに日本語を下手目に話すということがどういうことを指しているのか、その上級医も編集した医師も何も考えていなかったようでした。私はそのことがきっかけで今年は忘年会に出席すべきかどうか悩み、上司にも相談したのですが期待していたような議論にはならず、悶々としたままキャンセルできる日付を超えてしまい普通に出席し、普通に場に溶け込んで忘年会を終わらせてしまいました。

正月はカナダに遊びに行ったので、そのビデオをこっそりカナダに持ち込み、再度鑑賞して彼と一緒にもう一度考えてみることにしました。そうすると始め断固受け入れられないと思っていた、そのビデオに対する感じ方がまた変わってきたのです。今回のこの私の考察は「間違っている」可能性も十分にあるのですが恐れず今の所感としてまとめてみます。
まず、カナダでビデオを鑑賞する前に、このミュージックビデオの元ネタとなったNizi Projectの 映像をYoutubeで初めて見ました。その番組ではJ.Y.ParkというカリスマKpopプロデユーサーの前で、アイドル志望の女の子が歌とダンスを披露します。J.Y.Parkはその番組内で日本語も普通に披露します。そのNizi Projectが元ネタになっているパロディとして医局ビデオをみると、はじめに感じた違和感が軽減していたのです。
J.Y.Parkというセレブリティのパロディであるということが訛りのある日本語を真似することのタブーさを緩衝させたのでしょうか。でもJ.Y.Parkも日本語を話していたからというだけで物真似していいというのは理由にならないと思います。私も、私の英語を英語話者に真似されたらひどく傷つくと思うからです。
だとしたら、J.Y.Parkが表現者であり堂々と日本語を話しているから話が違って感じたのでしょうか? もう一つは、これは自分でもいいのか悪いのかわかりませんが、カナダでカナダ人と一緒にビデオをみたことで私が韓国と日本を一緒にしてカナダに紹介した気分になったからでしょうか? 実際にそのビデオはよくできており、皆の素敵な人間性も努力も滲み出ていて、私が誇りに思ってしまうような出来栄えでもあったのです。カナダ人には日本語を話しているのか韓国語を話しているのかわからないので特に私のフラストレーションは伝わらず、彼は普通にいいビデオだねと言っていました。

余興という文化はモラハラに近い部分があると思っているものの、自分が余興を提供される側の年齢になってくると反対する意識が薄れてきました。「私も若い頃やったし、通過儀礼よ~」てなものなのでしょうか、あたりまえのように楽しさを受け身で享受しており、自分でもこの慣れが危険だとは思いつつも、自然に世界が徐々に変わっていくのを見ていこうかという姿勢になってしまっています。でもこのビデオについては、出演者一人一人の子が個になっているところを狙って話をふってみようかなと、新年改めて思っています。

今年の私の抱負は引き続き痛みの研究を続けていくことですが(こういう研究というのは給料がもらえるわけでも誰かに頼まれているわけもないので、自分が有言実行するために宣言するのは大切)オンラインクリニックを5月8日より開業するため準備しています。詳しくはホームページを開設しているのでプロフィール欄から見ていただきたいのですが、今日本に圧倒的に足りていないオンライン診療(なぜ足りていないかというと端的に言って診療報酬が低いから)を専門とし、女医による主治医制を特徴としています。(多くのオンライン診療はまだ非主治医制です。それも診療報酬が低いからです。)オンライン診療ではできることに確かに限度がありますが、オンライン診療でしかできないこともあると思っており、使命感を持って臨んでいるので引き続き見守っていただけると幸いです。詳しくはまた告知させていただきますね。


※注:医局とは 大学ごとにある、教授を中心とした同じ専門分野に従事する医師たちのグループのこと。研修医の教育機関としての役割も担っている。教授を頂点にしてピラミッド型の構造をしており、その順列は、教授、助教授、講師、助手、役職を持たない医師、研修医、医大の院生のような順序になっている。


カナダの家庭では2メートル近くある本物のもみの木(正確にいうともみの木ではないそう)をツリーにしてクリスマスデコレーションをするのが一般的です。クリスマスが終わるともみの木は道路にほっぽり出しておくと、市のゴミ回収者が拾っていってくれるそうです。


空港の人間用トイレの横に犬用トイレが常設してありました。

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