ラブピースクラブはフェミニストが運営する日本初のラブグッズストアです。Since 1996

No Women No Music Vol.6 DIVAS in MEXICO

ほんま えつ2003.10.01

Loading...

Hola,amigo!

1回お休みしちゃって、ムーチョ ゴメンサ~イ。ちょっくら、メキシコに行ってきたよ。ってわけで、今回はメキシコで触れた音楽感をつづってみます。

すごいっすよ、メキシコって。もう世界観変わっちゃいました。治安がめっチャ悪いってのは聞いてたけど、単に治安が悪いってんじゃないんだよ。とある高速でストップしたときに見た観光バスからの風景が、左手にはシェパードくらい大っきな野良犬のスプラッタな死骸、右手にはフロントガラスをはじめ、窓ガラス数カ所がものの見事に(イーストウッドの映画ばりに)銃弾撃ちぬかれたまま走ってる乗合バス。でもどうってことないよって顔して、み~んな日常をすごしてる。何があってもそれが日常って感じで、のんびりしてる、その逞しさ。街やTVに溢れる音楽にも、そんなラティーノ魂を十二分に感じてしまう。レストランとかお店から流れてくる音楽は、一昔前に流行ったような歌い上げ系ポップスがやたら多かったなぁ。バーブラ・ストライザンド、ドナ・サマー、グロリア・ゲイナーなどの誰もが知ってるような歌などなど。アバの「悲しきフェルナンド」も何度か耳にしたよ。

そこいらの小ちゃな男の子は、みんな髪にポマードやグリースべったりぬってセットアップ。女の子は生まれてすぐにピアス空けて、子供のときにお化粧のイロハをマスターする、そのおませな慣習は、男も女もガキのころから‘モテタイ!’情熱から来るらしい…。もうモテテなんぼのお国柄。その情熱が、人々の熱さ、メキシコの熱さだと、メキシコシティ出身の女子プロレスラーは解説してくれた。

ホテルではひたすらMTVを見ていた。もうこれでもかこれでもかってくらいの、ラティーノ・ポップのオンパレード。エンリケ・イグレシアスとリッキー・マーティンしか知らなかったけど、どれもこれもが‘ムーチョ・アムール’って感じのバラード、もしくは見た目も曲もバリバリ濃いいダンス・ポップス。あぁぁメキシコにいるんだって気分にさせてくれるんだわ、これが。そんなMTVを見ながらボ~っと寝転がっていると、憑き物がとれたように、頭が空っぽになっていく。あれやこれやと不毛なことばかり考えていた自分があまりにもくだらない。

メキシコの人たちは、パーティに歌と踊りはなくてはならない。どんな人が歌ってるとかそんなことより、そこにイカした音楽があれば、腰が動く、それですべてOKさ。

もう音楽マニアとかオタクであること事体が馬鹿らしくなってきた。街にCDショップなんて見あたらない。広場や、レストラン前の路上で海賊盤が山ほど売っている。それでOKなのさ。海賊盤ではないと思われる新しいCDは、ちょっと郊外のドでかいショッピングモールのスーパーマーケットで売られていた。食べ物や、日用雑貨品といっしょにカゴにぶっこんでレジへむかうのだ。音楽も日用雑貨みたいなもんさ。

 そのスーパーでお買い上げした1枚がSus sxites‘en La academia’。お店のチャートでは2位だった。メキシコのスパイス・ガールズか?って思わせるようなジャケットだけど、中身は、ずらっと並んだメキシコの若手女性シンガーのオムニバス。ミディアムなラテン色ナンバーのなかに、『タイタニック』のあの歌や、ロバータ・フラックの‘Killing me Softly’のカヴァーあり。本家セリーヌ・ディオンの‘My heart will go on’は映画の背景もあいまって、冷たい海に溺れて行く寒さと苦しさと肉体疲労を感じ家で聞くにはちょっと…でしたが、ここに入ってるLauraのヴァージョンは、なんか熱い。ムーチョ・アムールな情熱が滲み出る歌曲に聞こえてきます。私のお気に入りは、写真見ためが肉感的なAntoniaの‘Mi tierra’。歌パンチ効いてまっす。ちなみにこのCD、男性版もあったよ。やはりチャート連番で上位。でも日本ではまず買えないと思う…

で、もう1枚、日本でもちゃんと買えるものをご紹介。メキシコシティ出身のパウリナ・ルビオ『ボーダー・ガール』。昨年の夏、ユニヴァーサルから大々的に発売されたからご存知の方も多いでしょ。キッとした気の強そうな表情と、ムーチョ・ラテンなゴージャスさのパウリナ・ルビオ。そのジャケット写真に見惚れてジャケ買いしていたんだけど、これがメキシコから帰ってきいたら、ムーチョいいのよ。メキシコ帰りの高揚感醒めぬまま、浸させてくれるのだ。シャキーラや、アギレラにつづけとばかりに英語歌詞を中心に構成されているけれど、やっぱりスパニッシュで歌っているほうがしっくりきます。なかでも「リブレ」って曲は最高。

<あなた自身が幸せなら、なにをやったっていいんじゃない!自由に自信を持って生きるのよ、間違った人を愛してしまったって、打ち負かされたって、死んだらダメ、あなた自身のために生きるの、強く行き続けるのよ!>

こんな歌詞がスーパーハイテンションでこれでもかこれでもかっとごり押しで来るんです。これぞ‘ラテンの魂’。彼女の爪の垢を煎じて飲むがごとくあやかりたいラテンの強さとしたたかさ、そして能天気さと楽天さなのであります。

ちなみにメキシコって、自殺率が世界で1番低い国って聞きました…。本当だとおもう。素敵だ。

Loading...

ほんま えつ(ほんま・えつ)

音楽、映画、本をこよなく愛して生きる趣味人女。
小学5年生のとき同級生の友達宅で聴かせてもらった「クィーン」に感動。
以後、洋楽を貪り始める。初めて買ったLPレコードは「アバ」のベスト盤。
いまではこれぞと思った音楽はジャンルを超えてなんでもござれの雑食派。
本連載、約10年ぶりのカムバックです。

RANKING人気記事

Follow me!

  • Twitter
  • Facebook
  • instagram

TOP