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女性が「いじめられる」日本の政治 〜TheGurdianの記事から〜

Justin Mccurry2021.11.04

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日本の女性政治家が直面している性差別、ハラスメントの現実についてTheGurdianの記者 氏の記事を広く読んでいただきたいという読者の方から、日本語訳をいただきました。著者のJustin氏の許可を得てラブピで公開します。フェミニスト議連や女性議員に対するバッシングの現実、そのなかで女性政治家が直面する厳しさについて記されています。記事は10月27日にThe Gurdianに掲載されています。

https://bit.ly/3k2kaJu

安田まり氏はSNSをチェックするのが恐くなったという。今月、日本の総選挙に関する報道で、安田氏は「注目の人」とされたが、SNS上では匿名のユーザーが安田氏は女性として議会に立候補すべきではないとあからさまに言ってくる。 

兵庫県で立憲民主党から出馬した安田氏は、「出世するために権力者と寝たと言われたり、事務所にかかってきた電話で暴言を吐かれたりします」と語った。 「男性から、外見についてコメントしたり、デートに誘うようなセクハラメールも届きます」 

日本は、女性の政治参加率が世界最低の国々のひとつ。立候補した女性がセクハラを受けることは日常茶飯事となっている。最近、ダイバーシティやジェンダーが話題になり、有権者が多くの代表者よりも進歩的であることを示しているにもかかわらず、日本の政治は変化していないと安田氏は語る。

「暮らしの中で、女性が過小評価され、自分を表現できないと感じることはたくさんありますが、それが特に政治で顕著です」

安倍晋三首相が在任中の9年間、「女性が輝く社会」の実現を目指していたにもかかわらず、10月31日の衆議院選挙では、政治の世界でも「ガラスの天井」が強化されているのではないかという懸念が強まっている。今回も自民党(LDP)が議席数を減らしたとしても勝利し、議会は再び男性によって支配されることが予想される。

2018年に男女共同参画法が導入され、各政党が女性と男性同数の候補者を出すことが推奨されているにもかかわらず、衆議院候補1,051人の候補者のうち、女性はわずか186人(18%未満)。 これは、2017年の前回の選挙よりも減っている。

「まるで男性は生まれながらに議員になれるかのようです」と、安田氏は言う。 彼女はかつては一人で選挙運動を行っていたが、現在彼女には2人の同僚が同行する。 「一般の人々が政治が彼らの日常生活に関わっていると感じれば、より多くの女性が当選するでしょう。 しかし、ほとんどの人は、まるで政治が『特別な』人々のためのものであるかのように、政治から遠ざかっています…日本の場合、この特別な人とは中年や老人の男性ということになります」 

2015年から西東京で市議をする前田よし子氏は性差別はソーシャルメディア(SNS)の世界だけにとどまらないと語る。フェミニスト議員連盟の会員として彼女のもとに、日本中の女性議員から届けられる男性議員からのハラスメントの経験は討議中のヤジから辞任に追い込むような圧力まで多岐にわたっている。ただの純粋ないじめですよ、と彼女は言う。 

「一人もしくは少人数しか女性の議員がいない地方自治体はさらに女性にとって威圧的です」と前田氏は語る。フェミニスト議員連盟が、東京近郊地域での学童の自転車交通安全促進に使われていた性的バーチャルキャラクターの使用中止を訴えたことから、彼女はオンラインで一連の誹謗中傷と暴力を受けた。

自分の地域•議会で性的な嫌な体験はしたことはないと言いながらも、議会の雰囲気と女性議員と候補を標的にしたセクハラの実態が明るみに出ていることは、ほぼ確実に他の女性を議会から遠ざけている、と彼女は言う。 政治に興味がある人も、家族の反対などで諦めてしまい、女性が政治家になることにはいまだにたくさんの障壁がある。

今年初めの内閣府の調査によると、女性の政治家•候補者は、男性の有権者による不適切な接触や口頭での発言など、「横行する」セクハラにさらされている。 調査した1,247人の女性の地方議会議員のうち、57.6%が、有権者、支持者、または他の議員からセクハラを受けたと述べた。 多くの人が、性的に露骨な言葉や性別に基づく侮辱の標的にされている。

問題はハラスメントだけではない。東京の上智大学の三浦まり教授によると、今月の選挙で出馬する女性候補者のこのように少数なのは、日本が女性進出のために積極的に構造的障害を取り除かなかったことの現れだ。 「現職の国会議員は日本の選挙で大きな特権を持っています。自民党が圧倒的に最大の政党である限り、国会議員の構成にほとんど変化はありません」と三浦氏は言う。 「大きな変化は野党が勝利したときにのみ起こります」 

10月31日の選挙で336人の候補者のうち33人の女性を擁立している自民党は、2009年以来衆議院選挙に敗れず、1950年代以来ほとんど途切れることなく政権を握ってきた。 その結果、議会は男性だらけだ。政治家の多くは、現在の首相である岸田文雄を含め、第2世または第3世の世襲政治家でもある。

男女平等担当大臣の野田聖子氏は最近、「現職者が手を挙げれば、次の選挙で優先的に立候補できる。そして議席は圧倒的に男性で埋め尽くされている。党は女性を増やすために、女性議員のためにその道を譲るよう男性議員を追い払うことまではしなかったのです」と発言。 列国議会同盟によると、国際比較で日本の女性の政治参画は不十分であり、190か国中165位。女性議員はは衆議院議員の9.9%にすぎない。 2019年の数字によると、地方の政治でも状況は変わらず町や村の議会の30%強に女性の代表が一人もいない。

「女性が主要政党の支持を勝ち取る唯一の方法は、選出プロセスを担当する都道府県の党首を調べ、党内の有力な男性政治家に接近するために個人的なネットワークを使うことです」と三浦氏は言う。「日本はクォータ制を導入し、女性が公職に立候補することへの構造的な障壁を取り除くべきです。 それ以外に、近い将来に変化の見通しは見えません」

日本の貧困にあえぐ中産階級に富を再分配することを約束した岸田は、20人の内閣にわずか3人の女性を任命するにとどまった。岸田は選択制夫婦別氏制度に消極的だ。 「日本社会は変化しています」三浦氏は、気候の緊急事態やジェンダーの不平等などの問題に対する若者の意識の高まりと照らして述べる。「しかし、日本の政治はまったく変わらないままなのです」 

 

 

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