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生徒から見た男女不平等の実態とその改善策・理想像

深井恵2004.07.21

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いやー、毎日暑い日が続きますね~。みなさん、夏バテしていませんか? 私はここ2ヶ月ほど食欲があまりなく、ちょっと元気がないのですが、週刊金曜日などなどで北原さんの書かれた文章を拝見しては、元気を絞り出しているところです。
さて、第5回は、「生徒から見た男女不平等の実態とその改善策・理想像」です。入学した当初の1年生は、よく、「性差別されたことはない」と言います。社会的に見ても、学校内では差別はほとんどなさそうだと思われていると思いますし、実際に、「差別はいけない」と教えている学校では、差別のない教育を行おうとしているはずです。差別されていないと思っている人に、「あなたは差別されている」と言うと、寝た子を起こしちゃうような気がしますが、まずは、差別を見抜く目を育てて、それから、差別を前にしたときにどう向き合うのか、しっかりと考えさせたいと考えています。

生徒たちが実際にどのようなことを差別と感じ、また、どうあってほしいと願っているのか、その一端をご紹介します。


寸劇のシナリオ(生徒作品例)
学校編(体育大会の後片づけ)
ナレーター 私たちの班は、学校での男女差別についてとりくみました。これから演じる場面は、体育大会終了後の、よくある場面です。
先生    今から後片づけを始めます。男子は残ってテントの片づけ、女子は教室に戻って掃除をしなさい。
男子生徒A 先生、何でいつも男子ばかりに力仕事をさせるんですか。
先生    力仕事は男じゃないとできないだろ。
男子生徒B そうだけど・・・。
生徒女子A 男は力が強いんだから。
生徒女子B つべこべ言わずに片づけなさいよ。
生徒男子A (嫌そうに)わかったよ!
生徒男子B (嫌そうに)やればいいんだろ。
先生     ほらほら、早くしないか。日が暮れるぞ!
生徒女子A  教室帰って掃除しよ~。
生徒女子B うん。
ナレーター  学校生活でよくある光景ですが、これが学校での差別の実態です。次は理想の現実です。
先生     今から片づけを始める。男子も女子も協力してするように。
生徒女子A  え~? 何で私たちもしないといけないの。
生徒女子B  男じゃないんだから、無理言わないでよ。
先生     文句を言わない! みんなで協力してやるんだ。誰も一人でやれとは言ってないんだから。
生徒男子A  早く片づけよう。協力すればすぐ済むから。
生徒男子B  そうそう、早く終わらせよう。
生徒女子A  わかったよ。
生徒女子B  でも、重たいものはみんなで運ぼう。
ナレーター  このように、男子も女子も協力してものごとをするような、そんな環境になったらいいですね。今回の寸劇をして、私たちはちょっとした学校行事の差別を取り上げてみました。こんあちょっとした差別でも、少しずつでもいいからなくしていけたらいいなと思いました。
家庭編(女は進学しなくていい?)
ナレーター  私たちの班は、家庭でも女性差別についてとりくみました。夕飯時の親子の会話です。
娘      (台所にいる母に向かって)お母さん、今日のご飯、なあに?
母      アジのフライよ。何か文句ある?
娘      いや、ないよ。ところで、高校卒業したら○○大学に進学したいんだけど、いいかなぁ?
父      何だって?
母      だめよ。女の子だもの。短大か就職にしなさい。弟が二人もいるんだから、お金のことも考えて。
弟A     そうだよ~。
弟B そう思うよ~。
父      ○○大学なんかに行ってどうなる。短大出てその後結婚するだけでいいじゃないか。もう、父さん怒るぞ!
娘      そんな~。私にも夢があるのに!!
ナレーター (少し間をおいて)これがよくない現実の場面です。次は私たちが考えた理想の場面です。
娘     (夕食を作っている父に向かって)お父さん、今日のご飯はなあに?
父      ヒレのステーキだ。給料日だからな。
娘      やった~。ところでお母さん、高校卒業したら、○○大学に進学してアジアについて勉強したいんだけどいいかな。
父      いいんじゃないか。
母      そうね。あそこは少しお金が高いけど、いいわよ。これからは女性も自立していかなきゃね、お父さん。
父      母さんの言うとおりだ。
弟A     ステーキ、おいしいなぁ。僕らも手伝ったもんな~。
弟B     そうだよ~。塩コショウとって~。
父      これからは男も女も家庭と仕事を両立させないといかんな。
娘      やったぁ。お父さん、お母さんありがとう。
ナレーター  (少し間をおいて)男性も女性もお互いが家事もすれば仕事もする、そんな生活をしていきたいですね。
職場編(お茶くみは女性の仕事?)
ナレーター  私たちの班は、ある会社のよくある納得いかない場面についてとりくみました。
男性社員A  (ある女性社員に向かって)ちょっと、コーヒーをいれてくれないか。
女性社員A  はい・・。(歩いていく途中)また頼まれたよ・・。
女性社員B  何で私たちがしなきゃならないのかしら。
女性社員A  そうだよねぇ。
ナレーター  女は仕方なしにコーヒーをいれて、男のところへ持っていった。
女性社員A  (嫌そうに)はい、どうぞ。
男性社員A  オーケー。
ナレーター  これがよくない現実です。次は解決する場面です。
男性社員A  ちょっと、コーヒーをいれてくれないか。
女性社員A  すいません、私の仕事はお茶くみではないんです。
女性社員B  自分でやってください。
男性社員A  (自分でいれにいく。コーヒーのところに男性社員Bもいて)
男性社員B  最近の女性社員はすごいなぁ。
男性社員A  俺なんて、自分でしろって言われたよ。
男性社員B  これからは自分でしないとなぁ。
男性社員A  うん。
ナレーター  これが理想とする場面です。女性もしっかりと自己主張して、男も女も平等に仕事が出来る職場にしていきたいですね。


拙いながらも、3つのシナリオそれぞれ、熱心に作成し、演じていました。
子どもたちのやわらかい心は、私たち教職員以上に、男女平等を体現してくれそうで、頼もしいなぁと感じたところです。
 次回は、流行歌をジェンダーの視点で分析したお話をしようと思います。

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深井恵(ふかい・めぐみ)

九州某県の高校日本語教員。
日教組の「教え子を再び戦場に送らない」に賛同して組合加入。北原みのりさんとは、10年以上前(ジェンダー・フリー・バッシングがひどかった頃)に組合女性部の学習会講師をお願いして以来の仲。

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