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スクールフェミ 敵は統一教会だったか ~これまでの20年を振り返る、カルトの国、ニッポン~

深井恵2022.08.09

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旧統一教会と自民党議員のつながりが徐々に明らかになってきている。安倍が銃撃を受けたのをきっかけに、まるで「旧統一教会の件を報道してもよし」と許可が下りたかのごとく報道されている。なぜもっと早く報道しなかったのか。
安倍への同情票により、参議院でも改憲勢力が3分の2を超える議席を確保してしまった。自民党と旧統一教会との癒着がもっと前に報道されていれば、これほどまでに自民党が議席を増やすことはなかったはずだ。マスコミの罪は重い。報道できない何らかの圧力があったのか。旧統一教会が無言電話や迷惑電話を、放送局に組織的にかけていたと旧信者による証言が報道されていた。

報道への圧力と言えば、2001年に国際女性戦犯法廷を取り上げたNHKのETV特集を放送前に中川昭一(経済産業相 当時)と安倍晋三(内閣官房副長官 当時)に見せて番組が改変された問題、いわゆる「NHK番組改編問題」があった。それ以降、NHKが時の政権の広報番組となっていった感がある。
その後、時の政権に異を唱えるキャスターの相次ぐ降板も相次いだ。民主党政権下で11位だった「報道の自由度ランキング」が、安倍政権下でどんどん下がり続け、いまでは71位にまで落ち込んでいる。

それでも、今回の旧統一教会をめぐる報道によって、様々なことが表に出てきた。そもそも統一教会を韓国から日本に紹介したのが、安倍の祖父、岸信介だったというから、問題の根は深い。いったいいつから日本の政治に統一教会が影響力を及ぼしていたのか。
報道によると、文鮮明は1970年代初めから、日本・韓国・アメリカで政教分離を崩壊させることが目的だと話していたらしい。トランプ元大統領も旧統一教会と無縁ではなかったというから驚きだ。共和党が中絶反対するのも、旧統一教会と利害の一致を見ての動きだという。トランプ元大統領が旧統一教会の関連団体のイベントにメッセージを寄せたことで、安倍も同じくメッセージを寄せたと報道されてもいた。
「安倍一強」「選挙に強い安倍」と言われていたが、その強さの理由が旧統一教会のバックアップだったとは。旧統一教会票の采配を牛耳っておれば、よほどの強い地盤がない限りは逆らえなくなるだろう。

国会議員票だけではない、知事や県議・市議など地方選挙にも旧統一教会の影響が及んでいた。議員の当選に旧統一教会票が左右していたなら、男女共同参画条例や家庭教育支援条例等、地方行政にも旧統一教会の考えが反映されていたおそれがある。どこまで影響を受けているのか、検証するのは難しいだろうが、「ジェンダーの視点」で地方行政をチェックすると見えてくるものがあるかもしれない。
2023年4月1日に設立される予定の「子ども家庭庁」にしても、当初は「子ども庁」だったところを、あえて「家庭」を入れ込むことになった。これもまた、旧統一教会の考えとベクトルの向きを同じくするものだ。家庭の中に国が入ってくるのを容易にする。

しかし、「家庭」が大事だと説いておきながら、多額の献金を要求して家庭崩壊を招いているのが旧統一教会の実態だから、本末転倒も甚だしい。この献金手法は、子どもの貧困をも招いている。宗教による子どもの貧困を国や地方自治体は調査しているのだろうか。報道を見る限りにおいては、親が信者だったことが原因で貧しい家庭環境になっている子どもが少なからずいることが想像できる。

だが筆者自身、これまでに「親が宗教にのめりこんでいて家庭が貧しい」と訴えてくる子どもに出会ったことはない。誰にも言えずに悩みを抱えている子どもがいるはずなのに、可視化されていないのではないか。山上容疑者のような強硬手段を選ぶ前に、信者二世の子どもたちが救済される仕組みが求められる。親の宗教で経済的・精神的に困っている子どもを見過ごさない姿勢が、教職員にも求められる。

いまから20年ほど前のジェンダーフリー・バッシングや性教育バッシングも、旧統一教会の教えと重なるものだ。日教組がすすめてきた「性別で分けない名簿」や、七生養護学校(当時)に象徴された性教育が「行き過ぎた性教育」として全国各地で自民党によるバッシングを受けた。下手に性教育をすると叩かれるから、性教育はできないという教員が増えていった。
まともな性教育を受けないまま大人になり、性に関する情報はインターネットの間違ったAV関連情報から手に入れるしかないという状態がいまの日本だ。AVが虚構だと知らないまま、生身の人間にAVと同じことを求めるようでは、対等なパートナー関係を構築できるはずもない。女性だけでなく男性にとっても不幸な状況だ。
かくして、日本のジェンダーギャップ指数は低迷し続け、現在は116位と地に落ちている。「家庭が大事だ」「中絶反対だ」などと言っておきながら、少子化に拍車をかけているのは、結果的に旧統一教会の教えなのではないか。

同性婚や夫婦別姓についても、旧統一教会の考える「家庭」に反するからか、この国ではいまだに認められていない。国会だけでなく、司法でさえも旧統一教会によって支配されているかに見えるような判決が、裁判所から出され続けている。
憲法を変える前の大きな布石として、安倍政権下の2006年に教育基本法が改悪された。道徳教育が重要視され、道徳が教科として扱われるようになったもの教育基本法の改悪によるところが大きい。教科書検定によって、パン屋さんが和菓子屋さんになったことが話題になった、あの道徳である。

国会で虚偽答弁を繰り返した安倍に、道徳を押しつけられる筋合いはない。ましてや、憲法を守らなければならない立場の国会議員が率先して憲法を自分たちの都合のいいように変えようとしている憲法を受け入れられるはずはない。自民党の憲法改憲案も旧統一教会の考えと似ているという。このままでは、カルトによる憲法が成立してしまう。憲法改悪はなんとしてでも阻止しなければならない。

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