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生徒が考えついた、日常のさまざまな男女差別のある場面

深井恵2015.01.08

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2015年、スタートしました。今年もよろしくお願いします。
3学期が始まって、新春恒例行事の餅つき大会や百人一首大会が初日に行われました。保護者の協力もあって、ぜんざいが全校生徒に振る舞われたのですが、その準備に係の生徒も加わっていました。担当した生徒は家庭科の係。生徒のクラスの役員は、委員長を始め、風紀委員などの専門委員会の各委員と、各教科の係を、前期・後期の半年任期で決めています。家庭科の係も各クラス2名ずつ選出されているですが、男女の制限はなく、生徒の希望を優先して決めています。全校から集まった家庭科の係の生徒をみてみると、男女比がほぼ半々でした。家庭科が男女共修になって久しいという、時代の流れを反映した男女構成なのかもしれませんが、「普通に」各クラスから係の生徒が決まって集まって、しかも、結果的に男女比が同じになる。そんなことが、当たり前になってきているんだなぁと、3学期早々うれしくなりました。

 

 

選択科目を選ぶのも、国語・数学・英語等々ある中で、「フードデザイン」(家庭科の科目の一つ)や「発達と保育」(こちらも家庭科の科目)を希望する男子生徒も少なくありません。進路希望一つ取ってみても、「食べることが好きで、将来は調理師になりたい」という男子生徒や、「小さい子どもが好きで、保育士になりたい」という男子生徒が複数いて、性別にとらわれずに進路選択ができてきたなぁと実感します。

 

 

昨年の2学期の始めに生徒に行った「働くことに関する意識調査」の結果を、2学期の終わりに生徒に提示しました。意識調査の結果の概略は、「男女ともに仕事と家庭のバランスの取れた働き方をしたいと思っていて、男女ともに結婚や出産をしても働き続けたいと思っているのに、男子生徒は将来のパートナーに対して、結婚や出産で仕事をやめてほしいと思っている比率が高い。自分の家庭や日本社会には男女差別はないと思っている生徒が多い」というものでしたが、こちらからは意識調査の結果分析を説明せず、各項目の円グラフを生徒に示して、生徒に気づいた点を発表させました。

 

 

すると、生徒もすぐさま男女の意識の差に気づいて、「この意識の差のままではよくない」と思い始めたようでした。「OECDの男女平等ランキングが、世界136か国のうち日本は105位だったけど、いまの意識のままでは、105位のままかもしれない。いまの社会をもう一度見つめ直して、男女差別のある、よくない場面を見つけ出し、その場面を、差別ない理想の社会や差別を解決した場面に改めたシナリオを作ってみよう」と、数人グループの班に分け、シナリオ作りをさせていきました。

 

 

生徒が考えついた、日常のさまざまな男女差別のある場面は、なかなか興味深いものでした。いくつか紹介すると

 

 

「現実のよくない場面」1

母親:(娘に対して)洗濯物干して。

娘 :なんで、いつも私なの。たまにはお兄ちゃんにも言ってよ。

母親:何を言ってるの。あんたは女の子なんだから、あんたがしなさい。

娘 :え~。

 

 

「差別のない理想の場面」1

父親:(娘に対して)洗濯物干して。

娘 :なんで、いつも私なの。たまにはお兄ちゃんにも言ってよ。

兄 :今日は俺が干すよ。

 

「現実のよくない場面」2

プリクラ撮影場所にて

男子生徒A:プリクラ撮りに行こう。

男子生徒B:いいね。行こう、行こう。

プリクラ店員:当店は男性のみのプリクラ撮影はお断りしております。

男子生徒AB:そんなぁ・・・。

 

 

「差別のない理想の場面」2

プリクラ撮影場所にて

男子生徒A:プリクラ撮りに行こう。

男子生徒B:いいね。行こう、行こう。

プリクラ店員:当店は男性がかっこよく撮れる機種も用意しております。

男子生徒AB:かっこよく撮れたよね。

 

 

「現実のよくない場面」3

建築関係の求人について

応募の女性:今日は。体力を活かして、こちらで働きたいのですが。

建築会社社長:うちは、女性は雇う気はないんだよ。力仕事は無理でしょ。

応募の女性:仕事がなくて困ってるんです。

建築会社の社長:他をあたってみてよ。

応募の女性:(無言)・・・・。

 

 

「差別のない理想の場面」3

応募の女性:今日は。体力を活かして、こちらで働きたいのですが。

建築会社社長:いいですよ。力仕事もあるけど、大丈夫ですか。

応募の女性:体力には自信がありますが・・・。重たすぎると無理かもしれません。

建築会社の社長:まぁ、あまりに重たい物を扱うときは、仲間の力を貸してもらえばいいから。しっかり働いてよ。

応募の女性:ありがとうございます。がんばります。

 

 

このほかにも、スポーツ施設の団体割引が「女性のみ」なのを男性にも適用させる場面や、ペンを子どもに買い与えるのに「女の子には赤いペン」「男の子には青いペン」を与えるのを、「自分の好きな色」を買い与える場面・・・というように、さまざまな場面を柔軟に編み出していました。プリクラ撮影について、「男性のみはお断り」という店を私も知ってはいましたが、その理由を知りませんでした。生徒の中にその理由を知っている生徒がいて、「盗撮にくる男性客がいたから、それを防止するためらしいよ」と教えてくれました。
柔らかな思考で、子どもは変わった。では、大人はどうか?
いまの生徒たちが社会に出る頃、もっと彼らが生きやすい社会に変化していることを願ってやみません。

 

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深井恵(ふかい・めぐみ)

九州某県の高校日本語教員。
日教組の「教え子を再び戦場に送らない」に賛同して組合加入。北原みのりさんとは、10年以上前(ジェンダー・フリー・バッシングがひどかった頃)に組合女性部の学習会講師をお願いして以来の仲。

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