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「改憲隠し選挙」終わる ~当事者意識の高かった東北・福島・沖縄は、NOを突きつけた!~

深井恵2016.07.14

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 参議院選挙、予想通りの結果だった。直前まで、大手マスコミは舛添都知事一色だった。参議院選挙の話は、本当に直前までほとんど語られなかった。舛添知事の報道に違和感があったのは先月にも書いたが、知事になる前の政治資金の使途について(正月に家族で千葉の宿泊施設に泊まった件等)までも、あれやこれや大騒ぎして、時間を割いて何度もしつこく報道していた。追及すべきは、政治資金規正法がザル法で大きな問題があることや、舛添知事だけの問題ではないことだろうに、個人の問題に矮小化してしまって、辞任した途端、まるで何もなかったように、政治資金の報道は影を潜めてしまった(一部、リオ五輪の視察に注目をさせ、視察の取りやめや縮小に世論を喚起させたようだが)。

 「改憲」が争点のはずの参議院選挙が、与党が全く「改憲」を叫ばず、「経済政策」を全面に出し、マスコミ各社も、安倍政権下で年金が何兆も失われたことなどほとんど報道せず、何かにつけ民主党政権下より安倍政権下で経済状況が改善した等と報道をしていた。その結果、「改憲」できる数を、与党に与えてしまった。原発事故後の政府の対応にNOをつきつけた福島や、米軍基地問題で現政権にNOをつきつけた沖縄等は、反自民の結果だったが。今後、どう「改憲」の道へと進んでいくのか、どう歯止めをかけられるのか、考えあぐねてしまう。

 今回の選挙は、18歳選挙権が行使された初の参議院選挙だった。私のクラスの生徒の中にも、選挙権が手に入ったものが10人を超えた。新聞やニュース、家族の意見を参考にしてもいいので、誰に入れるかじっくり考えて、自分自身が「この人に一票入れよう!」と決めた人に投票しようと、投票日直前まで生徒に確認をしていた。投票日の前々日には、「7月10日(日)投票に行こう!」とだけ書いた紙を、有権者となった生徒一人ひとりに手渡し、もし保護者の方が投票に行くのがめんどくさいと言っても、「一緒に投票に行こう。連れて行って」と声をかけて、連れて行ってもらうよう声をかけた。

 その結果、クラスの投票率は73%だった(100%の投票率をめざしていたのに、ちょっと残念)。投票した生徒に感想を聞いてみると、「模擬投票で練習した通りだったので、きちんと投票できた」「多くの人(立会人)が見ている中での投票だったので緊張した」「家族と、誰に投票するか事前に話をして、党の方針も考慮に入れて投票した」等々、初めての投票に様々な感想を抱いていた。今後の選挙でも投票しようとする意気込みも伝わってきて、なかなかいい反応だった。

 投票しなかった生徒には、なぜ投票しなかったのか、詳しく話を聞いた。すると、ある生徒は「自分の投票用紙(投票用紙と引き替えるハガキ)が、来てなかった」と言った。保護者の分のハガキは来ていたが、自分宛てのハガキは来ていなかったという。ハガキは一世帯につき一通、同一世帯の分は、ハガキをめくってミシン目から切り離して各自で持って行くはずだが、そのことを保護者の方もご存じではなかったようだ。その生徒自身は投票する気満々でいたのに、非常に残念なことをした。ハガキの現物を見せて、めくって見せて、確認しておくべきだった。

 別の投票しなかった生徒は、「選挙当日、家族でおばあちゃんちに行っていて、投票できなかった」と言った。当日用事がある人は期日前投票ができるという話を詳しくしておくべきだった。我が子が選挙権を手に入れたからと言って、保護者が必ずしも子どもを投票に連れて行くとは限らないということに、もっと配慮すべきだった。反省することしきり。投票日に部活動で遠征試合が入っていた生徒は、部顧問の指導もあって、期日前投票を済ませていたという。

 今回の参議院選挙にしてみれば事後にはなるけれど、今後も選挙は何度もあるので、ハガキのしくみ(一世帯につき一通であることや、期日前投票の際に必要事項を記入して持って行って投票すること等)を、いまいちど生徒に説明しておこう。全国の投票率は5割をわずかに超えただけと低迷していたが、クラスの生徒たちはしっかりと考え、自分の意思を表明して投票しようと考えている。子どもに言われて保護者も一緒に投票するかもしれない。

 国民投票でEU離脱を決めたイギリスだが、離脱することに後悔して「もう一度国民投票を」と声を上げる人が増えているという。マスコミの報道に振り回されず、冷静にいまの状況そして未来の姿を見極めて、自分でしっかりと考え、後悔しない一票を投じる。子どもたちの未来は、子どもたちのためにある。国のためにあるわけじゃない。政治参加への意識を高め、日々政治に興味を持たせるような教育を行っていくことが、教員に求められていると思われてならない。

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深井恵(ふかい・めぐみ)

九州某県の高校日本語教員。
日教組の「教え子を再び戦場に送らない」に賛同して組合加入。北原みのりさんとは、10年以上前(ジェンダー・フリー・バッシングがひどかった頃)に組合女性部の学習会講師をお願いして以来の仲。

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