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貧困が食糧自給率低下に拍車をかけている

深井恵2016.08.11

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 甲子園での熱戦が始まる前の練習で、大分県代表の大分高校の女子マネージャーが甲子園のグラウンドで練習に加わっていたら、大会関係者から制止され、ネットで「いつの時代のルールなのか」「時代錯誤だ」「グラウンドは土俵か?」「危険に性別は関係ない」などと非難が殺到したという。大会規定では危険防止のためグラウンドに立つのは男子のみと明記されているらしい。始球式には短パンはかせて女性にも玉を投げさせるのに、甲子園でもプラカードはいまだに女子高校生に持たせるのに、謎の規則がまかり通っている。奇しくも、同じ日、全日本中学校女子軟式野球大会(第1回)の決勝が行われていた。優勝したのはこまた、奇遇にもオール大分だったとのこと。大会規定が即刻見直されることを期待する。

 都知事選が終わった。残念ながら予想通りの結果であったが、小池氏を支持している「つくる会」との関係について、ほとんど報道されないまま投票日となってしまったことは、マスコミの怠慢なのか、「自主規制」なのか。「百合子グリーン」に染められた人たちは、そのことを知っていて応援したのだろうか。都内の学校で「つくる会」の教科書採択が今後増えていかないか、気になるところである。

 待機児童問題が都知事選挙の争点の一つになっていた。「待機児童問題を解決します」と、小池・増田両氏も口にしていたようだが、そもそも待機児童問題を招いた側の政党の人間が言う?!と、笑ってしまう。待機児童問題の根底にあるのは、紛れもなく貧困だ。小泉政権以降の規制緩和等で、非正規労働者を大量に増やし、若い世代の労働者では6割に迫る勢いで、非正規労働者が増えている。非正規労働だから育児休業制度も充実していないだろう。従って、働き続けるためには、どうしても子どもを預けざるを得ない。少子化が進んで子どもの数が減っているのに、子どもたちを受け入れる保育園が足りない事態を招いている。

 良くも悪くも共働き。本来なら、生活にゆとりをもって共働きができて、女性も男性も家庭と仕事を両立させる「ワークライフバランス」が理想だ。ところが、いま日本の共働きは、生活にゆとりがないから共働きせざるを得ない。生活に困窮しているためもあり、子どもを預けざるを得ないのだ。

 先日、食糧自給率の低下が報道されていた。米離れに歯止めがかからないという。米離れも、貧困が原因なのではないかと考えた。ごはんとパンの特長を労働者の視点から考えてみる。単独で一食として許されるのは、圧倒的にパンだろう。おかずがなくても許されるのは、ごはんよりパンだということ。パンのほうが、手間がかからない。米をといで、ご飯を炊いて、だしをとって味噌汁を作ってから食べるのと、パンをそのまま、あるいはパンを焼くだけで食べられる手軽さと比べると、その差は歴然としている。食事の用意をする時間的なゆとりがなければ、人々はご飯から離れ、パンへ移行する。

 また、パンのほうが日持ちする。常温でもしばらくは大丈夫。冷凍保存もきく。ご飯は常温ではすぐに傷んでしまう。パンのほうが単価も安い。食パン6枚入りなら、6食分持たせることも可能。甘くてもおいしいから、子ども受けもよい。ジャムを塗るだけで一食として成立する。あんパンやクリームパンもありだ。そこへいくと、ごはんはそうはいかない。おはぎがあるから、「あんこ」と「きな粉」くらいは許されるかもしれないが、ご飯にクリームやジャム・・・は想像しがたい。

 以前、閉店間際のスーパーに行列ができている一角があった。こんな時間からバーゲン?!と思ったら、パン屋さんにできていた行列だった。閉店前にパンが100円均一となるのを待って、並んでいたのだった。パンは単独で売っても商売として成り立つ。パン屋さんがあるからそれは立証済みだ。ところが、ご飯を単独で売っているお店は、世の中にほとんどないのでは?
 それほど、パンの需要があるということの証左であろう。

 和食が「世界文化遺産」に登録されたが、果たして現代日本人のどのくらいの人が、登録されているような和食を、自宅で食べているだろう。我が身を振り返ってみても、「前回、丁寧にだしを取っておかずを作ったの、いつだっけ?」と振り返らなければならないほど、和食が非日常となっているような気がする。世界遺産に登録しなければ消えゆく食文化だから、登録されたのではないかと勘ぐってしまう。経済的にも時間的にも、ゆとりを奪われた労働者が、ご飯から離れて手軽なパンへと移り、ひいては食糧自給率の低下へとつながっている(個人の感想です)。

 話はさかのぼるが、参議院選挙の前に、大分県別府市にある労働組合などが入る建物の中に、隠しカメラが仕掛けられていたと報道されていた。敷地内の草刈りをしていた職員が発見し、別府警察署に届けたところ、隠しカメラを仕掛けたのが別府警察署員だったというから、びっくりだ。「雑草地だったので管理地だという認識がなかった」などと言っていたようだが、その後、夜間に人の侵入を防ぐためのチェーンを越えて侵入していたことが判明(このチェーンは、以前、敷地内へのゴミの不法投棄があったため、別府署の勧めで夜間等の時間帯に掛けるようになったという)。この事件、果たして、別府警察署だけの話だろうか。大分県全体で・・・いや、全国的に、監視カメラが仕掛けられていたとしたら・・・そして、今回の参議院選挙が初めてだったのか、それとも以前から?
 様々考えれば考えるほど、背筋が寒くなる(クーラー要らず?)。

 8月8日の毎日新聞によると、福井県小浜市では、地域の花火大会前夜祭で、自衛隊の装甲車が参加したそうで、物議を醸しているらしい。地元商店街の組合は、自衛隊からの参加の打診を断ったらしいが、それにもかかわらず、装甲車が展示されたのはなぜだろう。装甲車を身近に感じさせて、慣れさせるためなのか。はたまた、福井県選出の稲田氏の防衛大臣就任でも祝うつもりだったのか。『週刊金曜日』7月29日号では、東京都武蔵村山市の公立中学校の生徒が、米軍横田基地の新兵訓練の一環行事に参加していたと報道されていた。あの手この手で、軍隊や武器に親しませようとする手法は、これからもっと増えるのか。女性自衛官が「活躍」できる場も増やそうとしているらしいが、「危険防止のため」そこは増やして貰わなくて結構。女性が活躍したいのは、もっと別のところにある。

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深井恵(ふかい・めぐみ)

九州某県の高校日本語教員。
日教組の「教え子を再び戦場に送らない」に賛同して組合加入。北原みのりさんとは、10年以上前(ジェンダー・フリー・バッシングがひどかった頃)に組合女性部の学習会講師をお願いして以来の仲。

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