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私たちは、なぜ「怒り」や「批判」に弱いのでしょう?

具ゆり2016.11.17

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 「人間関係がうまくいかない」「人から批判されると頭が真っ白になる」「言いたいことが言えない」・・・そんな悩みをもつ人は少なくありません。
 もし、誰かから「批判」されたとき、みなさんはどうしていますか?

 フェミニストカウンセリングを基盤にしたグループトレーニングは、さまざまなテーマで実践されています。今回は「怒り」と「批判」について考えてみます。
 人間関係力アップ講座の「怒りとつきあうコツ」「批判に対処するコツ」は、自己覚知と自己変容へのステップのプロセスに取り組む講座です。「コツ」とありますが、誰にも有効なうまい話ではありません。
 私たちは、なぜ「怒り」や「批判」に弱いのでしょう?

 講座には、人との関係に行きづまってしまった、胸につかえた思いを抱えて悩んでいる、困っている人、出口を見つけたい人たちが自ら出向いてきます。「私を開いて自らを語る」なんて、普段はハードルが高くてなかなかできません。参加する方は、それをするため、目的をもってその場を求めています。気持ちを吐露できる、共有できる場として安心できる関係づくりからスタートします。ニーズにこたえる必要があります。

 「言いたいことがないわけじゃない。でも相手の勢いや剣幕に太刀打ちできない。とっさに反応できなかった。丸め込まれた感じがするけど、自分も悪いのかと思ってしまう・・・」そうして、後からだんだん腹が立ってくる、悔しい、やりきれない思いにさいなまれる。
 ついには「やってらんない、あの人とは口もききたくない、二度と顔を見たくない!」となると、もう最悪です。でもそれが本音でしょう。
 気分はますます悪化するだろうし、相手への嫌悪感もエスカレートしていくから、コミュニケーションどころではありません。二度とつきあわなくてすむ相手ならそれでもいいでしょうが・・・。そうはいかないから、困るんですよね。

 誰にもわかってもらえないと、一人でもんもんと悩んでいたけれど「悩んでいるのは私だけじゃないんだ」・・・この気持ちは、グループダイナミクスを生み出すうえでの重要な要素です。

 私たち女性が抱えている問題はさまざまに共通する社会背景のもとで起こっています。長年の鬱積をともなう場合や複雑な成育歴、夫婦や親子関係の暴力や虐待がからむ問題など、多くの女性が犠牲を払っているといえます。一筋縄ではいかないものを抱えている場合が多く、そう簡単に解決できるものはほとんどないといえます。その意味で、複雑で深刻な問題はグループトレーニングだけでは難しいし、扱いきれないと考えた方がいいでしょう。

 グループトレーニングはグループカウンセリングに通じます。

 例えば・・・
 Aさんは職場で上司から一方的に咎められ、批判されたという。その場では何も言えず黙ってそれを聞いているしかなかった。その場で何もできなかったけれど、そのことが頭から離れない。
 Bさんは、結婚しても当分は仕事を続けるつもりでいたのに、義母から「子どもは若いうちに産んだ方がいいから」と毎日のようにネチネチ言われ続けていた。夫は知らんふり。義母からの圧力に折れて、妊娠、出産。子どもが可愛いと思えない自分を責めている。


 この例は一部ですが、言われるままに従ってしまったり、不当なモヤモヤ感を抱えながらも、黙ってしまった自分も情けない。それも自業自得と自分を責めてしまう。そんな思いをしたこと、いやな苦い記憶は、誰にでも多少あることでしょう。
 それでも、言えないなりにも、私たちには自分の信念や理由、言動パターンがあるのです。自分が卑屈になってしまったわけではありません。おそらくそこには、あなたを従わせる力、権威を相手がもっていたともいえると思いませんか?

 そこには社会の家父長的制度や力関係、性差別やジェンダーが介在して、有無を言わさず自分を犠牲にせざるを得なかった。そんな背景を読み解いて問題を考えていくことができますし、そこに気づいてほしいと私は考えています。それは、本来の自分の望んでいるありかた、生き方を考えていく力の源にもなるのではないでしょうか。
 相手を変えることはできませんが、あなた自身の「おかしいよ、なんとかしたい!」という心の声、あなたの気持ちを自分でつかむ必要があるでしょう。

 その時はどんな気持ちだったの? あなたの中では何がつかえている?
 どうしたいのかな? 言いたいことはなんだったの?
 おかしいことはおかしいと思ってもいいんです。
 不当な批判なら、怒っていいじゃない。謝罪してほしいなら、交渉してみる?
 もし、それはそうだ、相手にも一理あるな、と思うことはどうする? 認められる?
 その勇気も必要じゃない?
 自分の正直な気持ちをふりかえって、そこを考えていこうか。


 女性が抱える問題の背景やジェンダーの視点を視野に入れて、自分をとらえなおす作業です。自分の生き方を再考するには、てっとりばやさは逆効果です。時間と本気、根気がいります。
 グループのメリットは、メンバー同士で相互に多くの気づきを生み出すことです。自分の価値観やこだわりの偏りは、なかなか気づきにくいものだから。1つのできごとに多面的な見方があることは、頭ではわかっているんです。でも、そこが難しい。

 「ほかの人はそんなふうに思うんだ、そんな違いもあるのか」・・・「これが私の個性なのよね」・・・。
 自分の行動パターンや問題のとらえ方を、認知を見直すためには、勇気とチャンスが必要です。自分のことは見えにくいけど、人のことが見えてくるから自分のことにも気づけていく。そこがグループで学ぶ最大のメリットですね。

 最近は、自己啓発セミナーなどコミュニケーションスキル研修は多様化しているし、選択肢は増えています。でも、「コツ」やスキルさえあればうまくいく、なんて簡単なことではないことに気づいてもらいたい。
 自分の怒りがどこから来ているのか。不当な批判への対処、正当な批判にはどうするか。自分が何を怖れていたのかなど、自己発見しながら対人関係スキルをつかんでいく。自分の感情にも、人にもふりまわされない「私」でいるための、丁寧に自分に向き合うトレーニングです。
 自分の気持ちや言いたいことがはっきりしてくると、コミュニケーションはラクになっていきますよ。

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具ゆり

具ゆり(ぐ・ゆり)

フェミニストカウンセラー
フェミニストカウンセリングによる女性の相談支援に携わっている。
カウンセリング、自己尊重・自己主張のグループトレーニングのほか、ハラスメント、デートDVやDV防止教育活動など、女性の人権、子どもの人権に取り組んで20年あまり。
映画やミュージカルが大好き。
マイブームは、ソウルに出かけてK-ミュージカルや舞台を観ること。

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