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  • 本来はあなたが怒っていいことなのにね。

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 猛暑突入で、ツラ~イ夏本番です。でも、女性の悩みや相談に夏休みはありません。
相談現場は、危険が予見されるなど緊急性が高く迅速に措置対応の必要があるケースや、時間をかけて傾聴しアプローチする慢性的な問題ケース、心理的ケアと回復を目指すケースなど、次々にそのニーズと求められる力量はさまざまです。

相談の主訴分類では、DV、モラハラ、浮気・異性関係などの要因背景がある「離婚」を視野に入れたケースが、相変わらずダントツの多さです。
世代を問わず似たような相談が続いていますが、今回は夫の浮気・不貞による離婚問題をとりあげます。

Aさん、30代後半の例。
結婚10年。夫は職場の同僚と3年前から不倫関係にあった。「なんだか怪しい・・」と思っていたが、半年前にスマホで証拠を見つけて発覚した。「勝手にスマホを見た」と激怒した夫は、それ以降開き直っている。夫からは「離婚したい」と言われている。専業主婦になったため、子ども2人をシングルマザーで育てていく自信がない。子どもにはいい父親でいてくれる。夫のことはまだ「好き」だから。「昔のように仲良く暮らしたい。離婚なんて考えられない」・・・


「いったい何、そのオレ様態度は!?」 夫はそう言われても仕方ないことしてるのに、 Aさんの気もちには、ため息でる方もみえるでしょう。
不倫でどれほど傷ついているか、3年もの間、自分を騙していた夫に腹を立てるのはこっちなのに・・・騙されていたことに気づかない自分にも情けない思いでいるのに・・・泣いて謝るか、ひざまずいて許しを請うならまだ気持ちのもっていきようがあるというのに。
ばれたらいきなり逆切れ? 開き直る? 思いもしなかった「離婚」の2文字が突然降ってきたら?
動揺して、混乱して、右往左往するのは当然です。

相談に来る人は、誰にも話せず、どこに相談していいかもわからず、一人で悩んで苦しんできていることがほとんど。考えれば考えるほど「どうしていいかわからない」「どうしたいのかもわからない」と言われます。

Aさんにとっては「まさか自分の身にこんなことが起こるなんて・・」の事態です。
でもね、Aさんは気がつかなかったのかもしれませんが、「まさか」は突然起きているとは限りません。
話を聞いていると、だんだん夫という人の姿が見えてきます。Aさんも、今自分に何が起きているのか、夫婦としての関係はどうだったのか、「なんだか怪しい」直感はどう働いたのか、自分の言葉で語りながら、その時々の自分の気もちを振り返ることが必要です。ツライかもしれませんが、まずは事実を直視するしかありません。

身勝手で自己中な夫たちの言い分は、けっこう似ています。
「仕事で遅く帰っても、子どもの世話で妻は自分にかまってくれない」
「家事を手伝っても、当然だと思われる」
「たまの休日に子どもの世話を押しつけられる」
「少ない小遣いでガマンしている」
「それにひきかえ、お前は一日中家でゴロゴロしてるくせに掃除もろくにしない。メシだって手抜きばっかりだ」
「家は散らかり放題で、気分がわるい。外で遊びたくなるのはお前のせいだ」・・・

「~~してくれない」「ほめてくれない」「かまってくれない」・・・のオンパレード。
究極の「くれない族」ですね。それで寂しかったってこと?
だから、寂しいオレ様が外で女性と不倫関係をもつのは仕方ないって言いたいわけだ。
「不貞行為は妻にも非がある、オレ様を大事にしないからだ」
この責任転嫁を正当化する人の多いこと多いこと。
ほとんどパニック状態の妻にとっては、気持ちの整理がつかないままのモーロー状態。弁のたつ夫から責められ、被害者面されて、「お前がまいた種なんだ」なんて煙に巻かれると、「私も悪かったんだ」とその口車に乗せられ、罪悪感まで抱かされることもある。踏んだり蹴ったりじゃないですか。

<だからって、不貞を正当化できるの? おかしいと思わない? 自分の不満をあなたのせいにして言い逃れしてるとしか見えないよ>
何がおかしいのか、自分はどう思うのか、それをどこで目を覚ましてくれるか。夫の言い分のおかしさを見抜き、「その手に乗らない」自己覚知が必要です。
<都合のいいこと言ってんじゃねえよ!>とAさん自身が思うのかどうか。

妻を裏切り不貞しておきながら、夫婦関係を破綻させる問題をおこしておきながら、ばれたら妻をなじる、責める、あげくに開き直る、居直る夫。
「子どもにはいい父親」というけれど、子どもにだって失礼。それでいい父親なの?
「自分を裏切ったことは許せない、でも、子どもが生まれてからは夫のことをかまってあげるゆとりがなかった」・・・(ここをグズグズと繰り返しながら出口を見つけていく作業)
家事や子育てに追いまくられて、自分を後回しにしながら頑張ってきたにもかかわらず、疲弊している自分の辛さより、自分も夫をそうさせたんだと罪悪感をもたされていたAさん。イクメン気取りの夫のお世話も大変だったことでしょう。

<夫が逆ギレしてるけど、本来はあなたが怒っていいことなのにね。そう考えてしまう自分のことをどう思う? 改めて彼のことも、夫婦として、自分のパートナーとしては?>
そこに焦点をあてていくしかありません。自分の中に夫への不満や本音もあるはずですから。

あなたにとっては残念だけど、夫の気もちは離れているようだし、不当な裏切りのうえ、さらに暴言、威嚇で傷つけようとする人です。「まだ好き」という思いで、現実を否認しようとしているようにも見えます。

夫婦関係だけではなく、自分の生活が日々動いている日常。作り上げてきた生活の基盤、経済的な保障、自分のまわりの人間関係も含めると「変えたくない、失いたくない・・・」と思い揺れるのも当たり前です。子どもがいる場合は、子ども自身にも意思があり、その生活、環境も無視できません。

「離婚なんて考えられない」なら、今は考えなくてもいいんですよ。有責配偶者のくせに何なんだと思っていいのよ。そんな夫の言いなりにならなくていいんです。
あなたがイヤなら離婚に応じる必要はない。それを決めるのは夫ではなく、あなたです。簡単に答えはでないでしょうが、自分がどうしたいのか、したくないのかを見定めていきましょう。

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具ゆり(ぐ・ゆり)

フェミニストカウンセラー
フェミニストカウンセリングによる女性の相談支援に携わっている。
カウンセリング、自己尊重・自己主張のグループトレーニングのほか、ハラスメント、デートDVやDV防止教育活動など、女性の人権、子どもの人権に取り組んで20年あまり。
映画やミュージカルが大好き。
マイブームは、ソウルに出かけてK-ミュージカルや舞台を観ること。

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