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韓流は、あえてキラキラ美形以外に注目してみて!

2016.03.11

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玖保樹です。花粉の季節真っ盛りですがなんとかやってます。さて先日、韓国に1週間ほど旅行してまいりました。町中でやたらみかけたのは、韓流スターのユ・アインが登場するリーボックの広告画像。彼は昨年韓国で公開された『ベテラン』という映画に出たことで、もともと人気はありましたが大ブレイクしました。

『ベテラン』は財閥三世のバカ御曹司が絡む犯罪事件を、ベテラン刑事たちが暴いていくという内容で、御曹司をユ・アイン、刑事役を映画『国際市場で会いましょう』の、ファン・ジョンミンとオ・ダルスの黄金コンビが演じて話題になりました。
ロッテや大韓航空など、韓国の財閥の騒動は日本でも取り上げられていますねえ。この作品も会長みずからが暴力事件を起こした、某Hという財閥がモデルではないかと韓国内でウワサされていましたっけ。といっても決してシリアス一辺倒ではなく、ちょいちょい笑いどころが隠されているおかげか、1000億ウォン以上の興行収入をあげました。日本でも公開されたので、私の周りでも見た人が何人もいましたね。

そんな彼ら彼女らが決まって名をあげていたのが、ひたすらバカ坊ちゃんの尻拭いをさせられる「兄様」の、チェ・テウン常務。財閥会長からのお尻ペンペンもムショ行きも、ぜーんぶ代わってさしあげる彼の異様さは、見た者に強いインパクトを与えました。
チェ常務の中の人=ユ・ヘジンは映画やバラエティ番組にコンスタントに登場する俳優で、日本映画『鍵泥棒のメソッド』のリメイクでは、香川照之が扮した役にキャスティングされています(公開はまだ先の模様)。目の下のシワが特徴の彼は、韓流スター特有のキラキラさはみじんもない。でもなぜか気になって仕方がない。彼の演技をまた見たい……と思っていたところ、4月16に日本でも公開される映画『あいつだ』に出演しているという情報をキャッチしました。

 1999年に釜山で起きた女子大生殺人事件をヒントにした作品で、主演はTVドラマ『製パン王キム・タック』や『ヨンパリ』のチュウォン。彼も日韓両国で、リアルに人気がありますねえ。ちょっと幼さを残した美形の彼は体重を増やし、慶尚南道なまりがきつい妹思いの兄を今回は演じています。キラキラ度はやや薄くなってます。
ロケ地の昌原市は釜山のすぐ近くに位置していますが、映画の舞台は開発から取り残された、貧しい漁村界隈。親を亡くした2人の住まいも「タルトンネ」と呼ばれる、スラム街の一角にあります。2015年の話とはとても思えない寒村っぷりで、スマホが出てくるのが不思議に見えるほど。
チュウォン扮するジャンウは、女子高生の妹・ウンジを溺愛するあまり、周りが見えなくなっています。当然ウンジは兄に反発してビッチ化していくのですが、ある時何者かに殺されてしまいます。怪しいのは、彼女が「オッパァ~」と甘えていた、薬剤師のミン。このミンをユ・ヘジンが演じているのですが、一見親切だけどウンジを見るじっとりした目線(ただし性的要素はない)は、怪しさこの上なしといった感じで「おお!」と思いました。もう「志村! 後ろ後ろ!」ばりに怪しさ満点なのですが、町の人は全員いかりや長介なんじゃないかと思うほど、普段は善良なミンを信じきっています。
人の死が見えてしまう霊能力者のシウンが絡むことで、ストーリーは意外な方向に進んでいきます。でも結局は全員がミンに振り回され、そして消耗していく。なぜこんなおっさんに……と思いながらも、見ている私も完全に振り回されて、すっかり消耗しました……。

同作は10月に韓国で公開された時には初登場1位を飾り、その後累計観客数が100万人を超えたそうです。このヒットはもちろん、天才に嫉妬する努力の人(キムタック)や、大日本帝国の圧政と戦う青年(TVドラマ『カクシタル』)などの難役を演じてきた、チュウォンによるところが大きいと思います。しかしながらユ・ヘジンの圧倒的な存在感も、大いに貢献しているのではないでしょうか?
思えば『シュリ』のソン・ガンホや『オアシス』のソル・ギョングは、正直キラキラしてませんでした。そしてかつての韓国映画といえば、むしろ無骨な男のオンパレード。彼らが演じる骨太な野郎どもが放つオーラに、圧倒されながら見るものだった気がします。“国民的俳優”として50年以上のキャリアを持つアン・ソンギも、どことなくウッチャンに見えて仕方ないし……。

これは私の個人的な意見ですが、ヨン様以降の「韓流スター=キラキラなイケメン」というイメージも、日本人男性による韓流バッシングの一因となった気がします。でもユ・ヘジンやファン・ジョンミン&オ・ダルスのような“notキラキラ男たち”だって多数登場するし(その典型が『新世界』でしょうか。イ・ジョンジェは若干キラキラですが……)、脇を固める役者たちもガチで役を演じています。その濃さこそが、韓流の魅力なのではないでしょうか?(日本でも香川照之のような名バイプレーヤーは存在しますが、韓国映画の「脇のガチ度」はハンパない)
暑苦しさマックスの「キラキラしてない男たち」に注目することで、韓流作品の楽しさを、純粋に味わえるような気がします。もちろん「キラキラを求めて何が悪い!」という意見もあるかと思いますが、それならすでに、韓流の魅力をわかっていることでしょうし。もしかしたらキラキラしてない韓流スターこそが、日韓の溝を少し埋める存在になるかもしれません、って、ちょっと話デカくしすぎ? こりゃ失礼しました~。

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