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AVに誇りを持ってるなら、隠さずハッキリ言わんかい!

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 玖保樹です。ここのところ体調不良で出オチのネタも思いつきません、ってあたしゃ芸人じゃないし!
 さて12月1日、朝刊を読んでいたらあるニュースが目に入りました。それは

「裸の映像「ネットに流す」 女子高生に関係強要の疑い」

というものでした。
 なんでも32歳の男が女子高生との性的行為を撮影し、それを「ネットに流す」と言って脅して、関係を継続させようとしたそうです。児童買春と児童ポルノ禁止法、強要未遂などの疑いでこの男は逮捕されましたが、分かっている被害者は6人、でも30都道府県の56人が被害に遭ったと警察は見ているとありました。
 なぜこのニュースが気になったかというと、ちょうど前日の11月30日、国際人権NGOのヒューマンライツ・ナウと人身取引被害者サポートセンター・ライトハウス、ポルノ被害と性暴力を考えるNPO・PAPSによる院内集会『いまも続くAV出演強要被害:被害根絶を目指して』に参加した際、「え?」と思う話を聞いたからです。

 HRN事務局長の伊藤和子さんによると、さすがに最近はAV強要という言葉が広まったせいか、路上でスカウトマン(違法です)が「AVに出ないか」と誘ってくるケースは減ったそうです。しかし「モデル」「コスプレモデル」「デッサンモデル」など、ぼんやりしたキーワードで勧誘をするようになり、被害そのものは続いている。中には「東京コレクションモデル」なる名目で勧誘し、応募してきた女性を執拗にAVに勧誘するケースもあったのだとか……。
 登壇者のライトハウス・藤原志帆子さんはこの1年の現状について報告しましたが、藤原さんも「最近はAVというのをハッキリ出して、リクルートすることはない」と言っていました。むしろ、こんな事例が横行しているそうです。

「あるAVプロダクションは、別会社でアダルトグッズモニターを募集していて、面接に来ただけでも謝礼をあげますとサイトに書いてある。ので女性が面接に行くと、「モニターの仕事はあまりなくて、AVならある。でも登録だけしていって。パーツモデルだったらやってもいいでしょ。手とか足とかだけだから大丈夫だよ」と言われ、「登録には全身写真が必要だから」と裸にされてしまう。それ以降、AVの出演依頼を断れなくなってしまった」

 酷い話です……。
 私も勉強のために、あるアダルトグッズモニターの募集サイトを見てみました。すると拘束時間は1回10分から1時間程度で、ギャラは最高50,000円と書いてあるじゃないですか。なので一瞬応募しかけ、ってオイ!
 その会社は、モニタリングルームでアダルトグッズを試すだけで最低1万円、面接に来ただけでも謝礼をくれるそうです。何そのうますぎる話……。サイトでは“とにかく楽に稼げるし、脱がないし舐めないし触られないから気軽に働くことができる!”というのをしきりにアピールしています。数々の修羅場を味わったアラフォー・玖保樹にはひたすら怪しく見えますが、若くて世間ズレしてなかったり、当面のお金に困っていたら、「風俗よりはいいか」と思ってしまうのは理解できます。

 サイトをじっくり見て会社概要をクリックして会社名でググると、やっと経営会社がAVプロダクションだとわかります。でもそこまでする人はよほど慎重かヒマ人か。
 そのプロダクションは単体系の女優さんが数多く所属していて、レストランやヘアサロンとも提携しているなど、ひたすら楽し気な雰囲気を醸しています。その上で「素人モデルは顔バレNG希望」でもできるし、イメージDVDモデルは「水着での仕事」撮影会モデルは「アマチュアカメラマンによる撮影会なので、作品に残らない」と書いてますが……。着衣であっても着エロってありますよね。私も見たことがありますけど、一応着衣で挿入がないだけで、内容は十分過激なんですが……。あとアマチュアカメラマンはプロでない分、肖像権への配慮や遵法意識がどこまであるか、フツーに未知数なんですが。

 このパーツモデルとやらを募集しているサイトは、自分の仕事に自信があるなら「経営してるのはAVプロダクションです」と書けばいいし、プロダクションのほうも「顔バレNGでも気軽にできる」とか良い点ばかりでなく、たとえば「水着でも着エロ撮影になる可能性もあります。ちんこはないけどバイブはあるよ!」とか「アマチュアが撮影するから、ネットに流出する可能性もあります」とか、起こりうる最大数のことを明確に表記しておくべきだと思います。そうすればミスマッチの悲劇も防げるでは? と、むしろ業界の皆様にアドバイスしたいぐらいですよ私は。

 さらに藤原さんは、今年10月20日にMoe★Moe Styleというサイトの経営者が逮捕された件での、大阪地裁判決に触れました。
 この経営者は高校生を含む200人以上を「コスプレモデルになりませんか」とサイト上で勧誘し、スタジオに来た女性を身分証明書を持たせて撮影。断りにくくさせた上に自己決定を装った形で、AV出演を強要しました。監督や男優、販売までを1人でこなして、5年間で1億5000万近い利益をあげていたそうです。で、押収された契約書は200枚以上あるのに、なんと判決は懲役3年および罰金30万円、執行猶予5年。し、しっこうゆうよ…?
 というのも罪状は職業安定法違反とわいせつ電磁的記録媒体領布、そして強要なのですが、この強要とは出演ではなくて、「契約書へのサインを強要」のことなんですって。はあー?

 ここまで見ると、いかにAV出演にまつわるものがウソとごまかしに満ちているかがわかると思います。この集会の登壇者で、過去記事にも登場してくれたくるみんアロマさんも、スカウト時には脱ぐなんて話はこれっぽっちも聞いてなかったと言ってますし……。このようなウソ・大げさ・まぎらわしいAVへの出演勧誘手法には、大きな問題があると思います。

 AV関係者は「AV業界を潰す気か!」とか言う前に誇りを持ってるなら、隠さずごまかさずハッキリ言わんかい! って話です。そして200人以上も被害に遭っていても執行猶予付き判決を見ると、現行法では32歳男もあまり厳しくされない気がします。やっぱり何らかの形で、法を作ることが必要な時代に来てるのではないでしょうか。
 この院内集会についてはまだまだ書きたいことがありますので、次回も続きます。

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