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ラブ十一  雛祭り・♡・子どもの日

早乙女智子2015.03.11

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今更ながら、今年初めて、真剣に雛祭りに疑問を持ちました。そして今年初めて、自分のお雛様を出しませんでした。かびたり虫がつかないようにたまには出してあげなくては。
そもそも、3月3日、雛祭り。4月4日 LGBTの日? 5月5日 こどもの日(女子も)はいつからあるのでしょう。小さい頃からそういうものだと思って来ましたが、性別役割認識に疑問を持ち始めると、こういうお祭りもなんだかなあ、と思うこの頃。
しっかし、雛祭りになぜお内裏様がいるのか、今まで考えたことがなかった自分にびっくり。雛祭りなんだから雛だけでいいじゃん。しかも雛壇はテレビの雛壇とは違って、超カースト制。女子は誰もがお雛様役になる日。誰も三人官女や五人囃子の位置に自分を投影してはいない(している?)。雛祭りのご馳走の定番、ハマグリの吸い物。二枚貝で他の貝とは合わないことから貞操の証として貝は女性の陰部の隠語的な役割を果たしています。って、二枚貝の一方がそうなら、男性も貞操守ればいいけど。そんなダブルスタンダード、意味あるんだろうか。と、にわかに疑問だらけになったこともあり、お雛、ごめんよ。
比べて5月5日の鎧兜は戦争そのものだし。こいのぼりは超家族志向のくせに、「大きな真鯉はお父さん、小さい緋鯉は子どもたち・・・」あれっ、お母さんがいない。
私、母の影響でこうみえてお詣り好きです。毎月の成田山新勝寺横浜別院、湯島天神、正・五・九月の成田山新勝寺詣りは、かれこれ二十五年欠かさず行っています。四国八十八か所も2回廻りました。初詣はもちろん、結婚式を挙げた筑波山神社も毎年契約更新に夫婦そろって出かけます。願意は家内安全、子孫繁栄。でも、最近、それにも疑問を持つようになりました。家内安全はともかく、子孫繁栄って願うべきことなんだろうか。
誰もが結婚して子供をもつべきとされた時代ならいざ知らず、LGBTの診療をしている身としては、まずは自分の身体安全が先ではなかろうか、と思います。その結果、ご縁あって子孫ができたらそれはそれでいいけれど、親が子孫繁栄を願い、次世代に押し付けるのは何か違う気がしてきました。とくに家族に見放された当事者と接するとき、そんな生き方は認めない!と息巻く前に、ますは自分の子どもを尊重しようよ、と、言いたい。
自分自身は、親に孫を見せたい、自分も孫が欲しいと思って子どもを欲しいと思いましたが、それほどのことだったのだろうか。今になってみると思い込みに過ぎなかった気がします。当時の自分はそういった暗黙の指示があっただけで、マインドコントロールの解けた今の自分だったら子どもを持とうと思ったのかどうか、よくわからないというのが正直なところです。出産って、ある意味、プレッシャーがなければしようとは思わないことなのかも知れません。だとすると、様々な仕掛けで男女の別を強調し、通過儀礼としての行事でそれを印象付け、意識下の命令系統として「そういうもの」だと位置づけることが、子孫を育む圧力として歴史的に働いてきたのかも知れません。
今の少子化を促進するのは、性の自由か、それともこうした圧力か。保守的と称される、個人の権利など認めない考え方では、圧力をかければ人々はもっと子どもを産むと主張するのでしょう。逆に、性の権利を主張する考え方では、産みやすい社会環境や子どもを持つ利点があれば、言われなくても子どもを持つだろうというスタンスです。子どもの勉強と一緒で、勉強しろと言われてするものではないし、言われなければ勉強しない、というパラドクスに陥っているのかも知れません。少子化を止めるべきなのかどうかももはやわかりませんが、日本という国がどうしたいのか、どうありたいのか定まっていないようにみえて仕方ありません。個人の幸福の集積が国の成り立ちであるという考え方ではなくて、先に国ありきで国民が国を支える、という考え方が色濃く出ているためだと思います。
最近、講演の度にジェンダーギャップが国連加盟国135か国中104位(2014年)という話をしています。これは日本の女性の危機管理の甘さを露呈しています。男性社会でけしからんと言う前に、実力を付けるしかない、そんな思いに駆られて、遅ればせながら政治の勉強を始めました。還暦までに政治家になれたらいいな、なんて夢見ています。
ちなみに、私の誕生日の12月12日は一万円札の福沢諭吉と同じだとか。「天は人の上に人を作らず、人の下に人を作らず」が本当ならいいですね。児童福祉法公布記念日、トルクメニスタン中立記念日とも。また、ブライダルの大家、桂由美さんと内田和子さんが提唱した「ダズン・ローズデー」でもあるらしい。12本の薔薇を恋人に送る日だって。ええい、面倒くさい。自分で自分に贈るわ。

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早乙女智子(さおとめ・ともこ)

神奈川県医師会神奈川県立汐見台病院産科副科長 産婦人科専門医 「性と健康を考える女性専門家の会」会長 日本性科学会認定セックスセラピスト 家族計画国際協力財団(ジョイセフ)理事

1986 筑波大学医学専門学群卒
1986-1991 国立国際医療センター産婦人科研修医・レジデント終了臨床薬理学教室在籍
1991-2000 東京都職員共済組合青山病院産婦人科
2000-2003 NTT東日本関東病院産婦人科
2003-2006 ふれあい横浜ホスピタル産婦人科医長
2006- 神奈川県医師会 神奈川県立汐見台病院産科副科長
専門:人口問題、家族計画、セクシュアルヘルス
2009~神奈川県立衛生看護専門学校非常勤講師
2009~明治学院大学非常勤講師 
  2011~家族計画国際協力財団(JOICFP)理事
2012~性と健康を考える女性専門家の会会長
【所属学会】
日本産科婦人科学会(専門医)、日本女医会、日本不妊学会、日本人口学会、日本性感染症学会(専門医・評議員)、日本生命倫理学会(研究開発委員)、日本母性衛生学会、日本性科学会(認定セックスセラピスト)神奈川STD学会幹事
【著書】『避妊』(主婦の友社1999)『13歳からの恋とからだノート』(新講社2005) 『ガールズセックス』(共同通信社2003)他多数 

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