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捨ててゆく私Vol.36「選挙の足元」

茶屋ひろし2007.08.02

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参議員選挙が終わりました。

当日はテレビで速報を、自民党が敗れていくのを見るのはこんなに気持ちがいいのねー、と思いながら見ていました。でも圧勝した民主党は、じゃあどんな党なのか、というとよくわからなかったりします。政治には疎いくせに、自民党は嫌、という認識だけは、反自民の家庭環境で刷り込まれて育ってきました。

私も今回はひさしぶりに選挙に行きました。そう、ひさしぶりです、すみません(だれに?)。その民主党から、同性愛者であることをカミングアウトして立候補した、尾辻かな子さんを応援していたからです。

ひと月前に二丁目で事務所を構えられた、尾辻さんとスタッフの方々が選挙運動に駆け回っている姿に、日々気持ちで寄り添っていました。終盤に近づくにつれて、周囲との会話や、インターネットのコミュニティサイトの書き込みを読みながら、私も気分が盛り上がってきました。

日本の有権者で同性愛者やセクシュアルマイノリティーの人は、200万人はいる、と言われているそうです。何のレポートかわからなくて申し訳ありませんが、1億以上人口があるなら、それくらいいてもおかしくないような気もします。もっといるといいな~、くらいです。ということで、その数にします。

それにしても200万。しかも比例区というシステムは、全国どこにいても、個人名を書いてその人に票を入れることができる。
200万票集まれば楽勝じゃない・・?
10万入れば受かるとも聞きました。
なおさら!
と思いました。ところが。

選挙当日、投票をすませて出勤した私は、スタッフのポチをつかまえて、偉そうに、「あんた、行ったの?」と聞きました。「いや、時間がなくて行っていません」とポチは答えました。さすがの私の「偉そうに」もここまででした。私も、ひさしぶりに選挙に行ったからです。「そうなんだー」と流しながら、ふと不安がよぎりました。
わたし、今回、もっと何かしなくちゃいけなかったかもしれない。
尾辻さんの選挙で、支援する人々が、周囲やインターネットで言っていたのは、「まず選挙へ行こう!」でした。それは、同性愛やセクシュアルマイノリティーの問題が政治的なことだという呼びかけ以上に、少し前の私のような、政治そのものに無関心な層へ向けての発言だったように思います。
それはセクシュアリティーに関係なく、日本の選挙の中で、大きな問題としてデンと居座っているのでしょう。
私自身、周囲の人との会話や、ネットでの書き込みを読んで、頭の中でいろんなことが繋がり、「そうだ、選挙に行こう!」と思った口です。その口を、もっと身近な人たちに伝えていくことを、私はほとんどしていなかったのです。なにより毎日顔を合わせていたポチに・・。

さらに、じゃあ私はポチになんて伝えることが出来ただろう、と考えました。押し付けるわけではなく、セクシュアルマイノリティーの議員の誕生のために、あるいは選挙そのものについて、どう対話することが出来たのでしょう。
やだ、これって、ものすごく難しい・・。
ましてや、カミングアウトの問題も含むし、親兄弟、ノンケの友人へと広げていくとなるともっと大変。
私は、ゲイの職場で毎日働いているポチですら、説得する自信がないことに気がつきました(説得はしなくていいのかしら・・それもよくわからなくなってきます)。
尾辻さんは38229票獲得しましたが、当選ラインに届きませんでした。
そう考えていると、この数字は、200万で浮かれていた私には少なく感じるけれど、ポチのことを思うと、いや、一人一人に口で伝えていこうとした、尾辻事務所の人たちの活動を思うと、簡単に出て来た数字ではないのだと思いました。
数で勝ってなんぼ、の世界ですが、たとえ3万8千でも、「いいのいいの、こういう人は日本の国会に必要だから」と当選させてしまうようなシステムがあればいいのに、と思います。尾辻さんには海外の取材が多かったから、とかそんな理由で、外国の人が判断する、外人判断枠。その代わり日本人もホワイトハウスの人事に口出しできるようになるとか・・。
妄想が広がってきて、また足元が見えなくなりました。
(尾辻さん、本当にお疲れ様でした。そして、ありがとうございました)

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茶屋ひろし

茶屋ひろし(ちゃや・ひろし)

書店員
75年、大阪生まれ。 京都の私大生をしていたころに、あたし小説書くんだわ、と思い立ち書き続けるがその生活は鳴かず飛ばず。 環境を変えなきゃ、と水商売の世界に飛び込んだら思いのほか楽しくて酒びたりの生活を送ってしまう。このままじゃスナックのママになってしまう、と上京を決意。 とりあえず何か書きたい、と思っているところで、こちらに書かせていただく機会をいただきました。 新宿二丁目で働いていて思うことを、「性」に関わりながら徒然に書いていた本コラムは、2012年から大阪の書店にうつりますますパワーアップして継続中!

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