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世の中には、私はレズビアンです、という男性がいるそうです。私はまだ会ったことがありません。あなたはレズタチでしょ、と、あるゲイ男性に言われたことはあります。違います、と否定しました。

私はレズでもタチでもありません。
いよいよ、というか、ようやく、というか、二丁目に来て四年目に入り、ゲイバーで飲んでいると、「あなたは女でしょう」とか、「ゲイではないでしょう」とからかうように言われるようになってきて、私も、「ゲイのひとってこう言うじゃない?」とか、周りのゲイ男性に向かって問いを発していたりして、「じゃあ、おまえはゲイじゃないのかよ」と、笑いながら突っ込まれて、「それはわからない」と、煙に巻こうとして巻けず、違和感が浮き出るようになりました。

ゲイ男性ではないなら、いったいなんなのか。でもそのオネエっぷりは、ノンケの男には見えない。それでも同性愛者だとしたら、あとはレズビアンしかないじゃないか、ついでにタチにしておこう。
あなたはレズタチでしょう、と私をからかった内容はそんなところかと思われます。

私は自分のことを女だとは思いません。その時点で、レズビアンにはならないように思います。私は自分のことを男だと思います。それで男とセックスしたいと思っているから、ゲイ男性になるような気がします。
ただ、ここでフェミが注入されると、私は、その「男」に疑いを持ち始めます。すると、どういうわけか、ゲイ男性に、男だと思われなくなってしまうようです。

博多のミックス・バーでケイコママに「金玉いつ取るの?」と開口一番に言われたとき、ハッテン場に行くにしても女装してハッテンすることを薦められたとき、私がニューハーフ(MTF)になる方向に動けば、周りのゲイ男性に違和感を与えることはなくなるのかもしれない、と思いました。

けれど、私は女の体になりたいとは思いません。ホルモンでなれるのかどうかはわかりませんが、いまのところは体を変えようとは思っていません。
「エルワード」に登場した、自称レズビアンの男性は、体を女にしていませんでした。禿げていて毛深い男性が演じていました。そしてセックスの場面で男性性器を使うことに抵抗を示していました。そこが、女同士のセックスに混じりたがるノンケ男とは一線を画していて(EDのノンケだったのかも・・疑り深い)、そんなひともいるかもしれない、と思いました。
体は変えたくないから変えなかったニューハーフの人(ベティママとか)って、一昔前にはよくテレビでも見かけていたような気がします。体を女に近づけたい人もいるし、それはしたくないけど性自認は女、という、体は男の人もいるのでしょう。そうすると、それを踏まえて、体は男のままで女が好きな「女」、という人がいてもおかしくないことになります。
けれど、また私の勝手なフェミを注入すると、その「女」ってどんな女だ、という疑問が出てきてしまうのです。

私は、ニューハーフの人やゲイ男性の「女らしさ」を、なにかのパロディのように思っているフシがあります。彼らは「女」の気持ちがよくわかる、という言説はあまり信じていません。そのときの「女」は、すでに加工されて世の中に流通しやすい「女」になってしまっていることが多いと感じるからです。私にはそういう女の気持ちや男の気持ちがよくわかりません。
じっさいゲイ男性の社会では、オネエ言葉を使うことによって言いたいことが言えるようになっている、という効果があると思います。男の言葉では言い表せなかったものが、女言葉を使うと言えるようになって楽しい、とか。ただ、その女言葉は、世の中に流通している、「男」が好む「女」の言葉なので、それを使うことによって、異性愛の社会ともつながっているような気がします。

ゲイ男性の社会は、彼らを排除しているノンケ男性の社会の一部であって、大きくは分離していないんじゃないか、むしろまとめてそれをホモソーシャルというのではなかったか、とか思うのです。
そうすると、そこに入らないのは、女言葉を使わない女になります。

「エルワード」では、ネコとタチという役割が、それとはっきりわかる形で演出されていなかったように見受けました。英語が分からないので字幕のみで言っていますが、ネコとタチという意味の言葉もあまり使われていなかったような気がします。
女役と男役・・どちらも女の場合は、わざわざ片方を男役と名づける必要がないからかもしれません。
まだ会ったことのないレズ男子は、性自認や性的対象の確認をすっ飛ばしたところで考えると、男役を降りつづけた結果生まれた男、を意味しているのかもしれません。
とりあえず私は、なるべく女言葉を使わないオカマ(矛盾)でいよう、と思います。

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茶屋ひろし

茶屋ひろし(ちゃや・ひろし)

書店員
75年、大阪生まれ。 京都の私大生をしていたころに、あたし小説書くんだわ、と思い立ち書き続けるがその生活は鳴かず飛ばず。 環境を変えなきゃ、と水商売の世界に飛び込んだら思いのほか楽しくて酒びたりの生活を送ってしまう。このままじゃスナックのママになってしまう、と上京を決意。 とりあえず何か書きたい、と思っているところで、こちらに書かせていただく機会をいただきました。 新宿二丁目で働いていて思うことを、「性」に関わりながら徒然に書いていた本コラムは、2012年から大阪の書店にうつりますますパワーアップして継続中!

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