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「いつからか長丁場」

茶屋ひろし2014.11.06

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ある晴れた休みの日に、そうだ、走ろう、と急に思って、家の前を流れる淀川の土手を駆け上がって、20分くらい走ったら疲れてしまって、50分ほど歩いて帰ってきたら、翌週に風邪を引きました。
慣れないことはするものじゃありません。ただ、太ったことを最近ようやく受け入れたのです。大阪に帰ってきてから、10キロは増えています。知らないふりをしていましたが、先日撮られた自分の写真を見て、うわ、と驚きました。
それと、仕事上で、すぐには解決しそうにない問題をいくつか思い浮かべているうちに、どうしてもため息が出てくるようなあれこれを、払拭したくて、走ってみたらどうだろう、と閃きました。
毎晩のビールは、飲んでいるときだけ憂さが晴れた気がして、昼間の脳は霞がかかっているようになります。
しかし、この件に関しては、もう解決策を知っていました。
テレビブロスの清水ミチコのコラムで、あるときホテルで頼んだ按摩のおばさんが、仕事で人の疲れを取っていると、どうしても溜まる負のエネルギーのようなものを、夜眠る前にビールを飲むことで発散させていたが、だんだん酒量が増えていって疲れも取れなくなって、そのうちビール代をかせぐために仕事をしているようなことになってきて、これはいけない、と思っていたある週末、登山に誘われたので参加してみたら、気分がすっきりして、その夜はお酒なしでもぐっすり眠れた、それ以来、ビールは断って、週に一回、山に登るようになった、今ではそれがとても楽しみである、という話を、マッサージをしながらしてくれた、という回があって、それを読んで以来、記憶にずっと残っていました。
なんていい話なんだ、と思ったのが数年前で、しかしまだその時ではない、と先送りにしていました。
このたび、走ろうと思い立ったとき、ついにアレを実践するときが来たか、という勢いでした。
家に帰ってきたとき、汗が止まらないほど火照っていて、ほどなくして冷えた体に半袖のままだったのがいけなかったのかもしれません。
次の休日には、マスクをして布団にもぐりこんで一日中、ラジオを聴いていました。枕元でいろいろ聴きたくなって、夏にCDラジカセを買いました。
ラジオとカセットとCD機能がついていて、ソニーので五千円くらいでした。
小学生の頃には考えられなかった安さです。その頃、叔父さんに買ってもらった、オレンジと黒に塗られたプラスティックのダブルラジカセを思い出しました。スイッチは、押すとガチャリと音がしました。指先に力が要りました。
ラジオから歌をカセットテープに録音するとき、最初に、ブォっと雑音が入りました。再生したら、オメガトライブもアニメソングも、ブォっと鳴ってからスタートです。
高校に入って貯めたお年玉でステレオセットを買うまで、ずいぶん我慢しました。
ソニーのなめらかで冷たいボディにあこがれました。スイッチを押しても少ししか下がらず、カチャ、と尖った音を立てていました。
それを今や、思ったときに買えるなんて・・。そして今は音も鳴らない。
もっぱらラジオを聴いていますが、ラジカセを買った後に、今の人は、パソコンやスマホで聴くのかも、と思いました。
NHKの「ラジオ深夜便」を聴きながら、寝て起きると、国会中継が始まっていたりします。
ニッポンは朝日新聞に恥をかかされた、世界に向かって謝罪しろ、と吠える議員に、拍手が沸きあがっています。思っている以上にひどいことになっているわ、とまた寝かけて、安部政権打倒を目指して・・! という共産党委員長の強い声にびっくりして目を覚ます、といった具合です。こちらは野次が飛び交っていました。
平日の午前中に聞いている人はどれくらいいるのでしょう。
先日、毎日新聞の世論調査で、「嫌韓・嫌中」の記事や本を読んだ人の45%以上が60代以上で、20代は8%、10代は3%、という結果が出ていました。http://mainichi.jp/select/news/m20141025k0000e040248000c.html
後は30~50代でしょうか。
やっぱり・・、なんて思ってしまいました。性別のイメージは男性です。
「週刊金曜日」の人が、ウチの購読層とかぶっている、とツイッターでつぶやいていました。
世の中を悪くするのも良くするのも、「おっさん」に委ねるしかないのかしら・・、と思うと、いいえ、「そのことのほうが遥かにわたくしを恐怖させます!」と突然、ドラマの浅丘ルリ子になってしまいます。
「おっさん」には、なるべく国とか政治に関わらないで生きていて欲しい、とおっさんの私は思います。芸事を覚えるか、物をつくるか、漁に出るとかあたりで、手を打ちませんか。大きな玩具を取り上げてしまいたい気分です。
ツイッターを見ていると、「SASPL」という学生有志や、赤旗祭りをジャックしろという人たちのエネルギーに圧倒されます。その連投には、ラジオとは違うライブ感があります。11月2日の「東京大行進」は、「のりこえネット」の中継で見ました。すばらしかった。たくさんの人と歩いた夏の御堂筋で、ふいにこみ上げたことを思い出しました。
また体調が戻ったら走ってみよう、疲れたら寝ながらラジオで音楽を聴こう、と炬燵のなかで思います。このところ、なんだか長丁場です。

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茶屋ひろし(ちゃや・ひろし)

書店員
75年、大阪生まれ。 京都の私大生をしていたころに、あたし小説書くんだわ、と思い立ち書き続けるがその生活は鳴かず飛ばず。 環境を変えなきゃ、と水商売の世界に飛び込んだら思いのほか楽しくて酒びたりの生活を送ってしまう。このままじゃスナックのママになってしまう、と上京を決意。 とりあえず何か書きたい、と思っているところで、こちらに書かせていただく機会をいただきました。 新宿二丁目で働いていて思うことを、「性」に関わりながら徒然に書いていた本コラムは、2012年から大阪の書店にうつりますますパワーアップして継続中!

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