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「どうしたんですか」

茶屋ひろし2016.05.09

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 毎日のように行っている近所のスーパーの店員さんたちに新しい制服ができました。

 これまで男女ともに白い襟シャツと黒いパンツ、それと支給されている紺のエプロンを義務付けられていた恰好でした。
 シャツとパンツは私物のようでした。
 それが、細かい紺のギンガムチェックの襟シャツに緑のベレー帽とエプロンに統一されました。
 私物だと、サイズが合っていないシャツを着ている若い男子も多くて、せっかく可愛い顔をしているのに可愛くない状態になっていました。
 それが、年齢や性別にかかわらず、みなさん可愛さが二倍増しになったような印象を受けました。

 ウチの男子スタッフにもこれしよう、と思って、職場の書店でほかの社員に提案しました。

 20代後半から30代半ばのアルバイトスタッフの男子たちの、女子スタッフたちからの受けがどうも悪い、問題、と言うのがこの一、二年で明確になってきました。
 もともと、あの態度ってどうかと思う、と言いたいけど言えなくて秘めていた女性もいましたし、いったんそれが言葉になると、そうだそうだそうだった、と覚醒してもう元には戻れない、となった人たちもいて、だいたい男とゆうものは・・、という空気になってしばらくたちます。

 一言でいえば、女子とコミュニケーションがうまくとれていない男子たち、なのですが、その内訳はそれぞれ(三人います)に特徴があって、「言わなくてもわかってくれると思っていたのにわかってくれないから腹が立ってしまう」と、「良かれと思って周囲のミスを指摘しすぎてしまう」と、「相手の気を引きたいがためにほら吹きになってしまった」といった具合です。

 止まらないのは、本人がそれを悪いことだと思っていないからです。

 もっと詳しく見てみたら、「言いたいことがうまく言えないから相手がこうだと決めつけて相手のせいにしている」というのと、「何々ちゃんの良くないところを先生に告発したら褒められたのでそれは良いことだと思って、今でもそれを続けている」というのと、「かまってほしくて自分の話ばかりしているうちにネタがつきて、嘘の過去や自慢、知ったかぶりがひどくなり、相手にしてくれる人がどんどん減っている」というのがそれぞれの状況です。

 いっそこのからくりを各々にすべて説明して差し上げたい! と私が勇むと、社員の人たちからなんとなく待ったがかかります。
 店長である私がそこまでするとパワハラになるんじゃないか、とか、人格攻撃になる恐れがある、とか、そもそもこのような状況に気づいていない本人たちに、いまさら言ってなんの効果があるのか、とか・・。

 そうか、私も言いたいだけかもしれない、と思いとどまって、じゃあ、せめて身だしなみだけでも可愛くしたい・・ということで、スーパーの制服の話題を振ってみたのでした。

 仕事上、険悪な関係になられても困るので、言いたいことがあって、それが感情的になってしまう場合は、まず私に言ってね、それを私から伝えるから、と。誰々さんがこんなことをしてました、とか、できていませんでした、とか、気づいたことをそのまま連絡ノートに書くのではなくて、まず私に言ってね、私がそれを伝えるから、と一人一人に言って、そうしてもらうようになってから表面上は鎮火しましたが、一度味わった彼らへの不信感はそう簡単には払しょくできないようです。
 ほら吹き男子に関しては、もはや私には嘘がつけないので、突っ込む機会がなく、周囲からの報告を聞くまでに終わっています。

 男に特徴的なことなのかどうかわかりませんが、男性スタッフ四人のなかの三人なので、うちでは割合が高めです。

 AV監督の二村ヒトシさんが、WEB上で銀座のママとやっている人生相談で、「女にとって男とは、気持ち悪いか気持ち悪くないか、である」と真理を導いておられました。「あなた(男)がモテないのは気持ち悪いからだ」ということだそうです。
 付き合うときの判断基準の基礎のようです。
 顔じゃない、おしゃれじゃなくても清潔であればよい、あとは、これだと。

 教典が出た! と私はそのページを印刷してホッチキスでとめて休憩室に置いてみました。読んでくれるといいけど・・とはらはらします。
 あらためて、相手の話をよく聞く、という標語をつけくわえたいものです。
 おそらく、自分のことしか見えなくなっている状態がキモい、ということだと思われるからです。
 けれど、このラブピースクラブで連載されている牧野雅子さんの『今月のマモルくん』で、「話? 聞いているよ」みたいな男性が相手の何もわかっていなかったという悲劇(喜劇?)が紹介されていたので、まだまだ道のりは険しいと思い知りました。

 どうしたらいいんだ、と顔を見つめていると、きょとんとした目で、「どうしたんですか」と三人それぞれから聞き返されます。
 どうしたんですか、じゃねえよ。こっちが聞きたいよ。

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茶屋ひろし

茶屋ひろし(ちゃや・ひろし)

書店員
75年、大阪生まれ。 京都の私大生をしていたころに、あたし小説書くんだわ、と思い立ち書き続けるがその生活は鳴かず飛ばず。 環境を変えなきゃ、と水商売の世界に飛び込んだら思いのほか楽しくて酒びたりの生活を送ってしまう。このままじゃスナックのママになってしまう、と上京を決意。 とりあえず何か書きたい、と思っているところで、こちらに書かせていただく機会をいただきました。 新宿二丁目で働いていて思うことを、「性」に関わりながら徒然に書いていた本コラムは、2012年から大阪の書店にうつりますますパワーアップして継続中!

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