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よく話してくれる韓国のお姉さん Vol.01「初めまして。3月から韓国に暮らしています」

鈴木はな2020.03.16

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ラブピの読者の皆さま。はじめまして。鈴木はなと申します。

週刊誌や新聞で17年、記者として働いてきましたが、この3月から会社を休職して、韓国に語学留学に来ています。なぜこのタイミングで韓国に来たのか。「いきおい」「少し疲れた・・・」という本音もあるのですが、司法や労働、ジェンダーのことを取材していると、最近必ずといっていいほど、有識者の方が言うのが「韓国では今」っていう言葉なんです。
・・・・日本では当事者間の合意だけでする「協議離婚」が主流のため、親権や養育費をめぐるトラブルの原因にもなっていますが、韓国では必ず家庭裁判所が間に入る。お客による従業員への暴言や悪質なクレームなどのカスタマーハラスメント、ソウル市ではそうした感情労働者を保護する条例ができた・・・・などなど。

翻って日本をみると、夫婦別姓すら進んでいない・・・。はぁ。日本と韓国は刑法も民法もすごく良く似ているはずのに、なぜ現在地はこんなにも離れてしまったのか?一度、韓国に住んで変化する国の空気を感じてみたい。そう思ったんです。
で、そんなこんなで、2月末まで仕事をして、3月から勉強するぞ!と思ってソウルに来たのですが、私が今していることといえば、近所のジムに行ってお風呂に入り、おいしい韓国料理を食べて、ビールを飲んで寝ることくらい・・・。新型コロナウイルスの問題で、3月上旬開講予定だった大学の語学堂が10日ほど延期されることになり、入国後、約2週間ほど再延期されることになり、とうとう4月スタートになることになってしまったんですよ(今はここ)。
さらに、日本が韓国への査証免除措置を停止したことへの対抗措置として、韓国政府も日本への査証免除を停止したため、日本から遊びに来る予定だった友人も来れなくなり、私自身も「必要ができたら、いつでも日本に帰れるしね」とだいぶ身軽に出てきたのですが、今帰国しても再び韓国に入国できるのか、先の見えない状況になってます。ほんと、どうなるんだろ?

なぜ日本政府は、韓国と同じく患者が増え続けているイタリアへは査証免除を停止していないのに(3月12日現在)、韓国に対しては行ったのか。こんな乱暴な措置をとる合理的根拠はあるのか。当事者として疑問しかわいてきません!囲の知人からは、この3月、4月から韓国から日本に留学、就職しようと思って入学金を振り込んだり、家も決めていたが、延期やあきらめざるをえなくなったという話が聞こえてきます。互いの国に関心を持っている人たちがこんな思いをしなきゃいけないなんて、ほんとうに悔しい。

そんな状況で、日本の報道を見ていると、本当に恐ろしいのはウイルスよりも人間なのだ、ということが実感をもって迫ってきます。
公に尽くすべき静岡の県議がマスク不足に乗じて、マスクを大量にネットオークションに出品、多額の売り上げをあげていたかと思うと、11日には、幼稚園や保育園への感染防止策として、マスクを配布していたさいたま市が、朝鮮初中級学校を配布対象からはずしていたということが明らかになりました(3月11日付 共同通信→その後の報道によると、さいたま市は朝鮮学校にもマスクの配布を決めたそう)。市の担当者はその理由について、「配ったマスクが転売されるおそれがある」という趣旨の説明をしたとも言われています。え?命を守るためのものだよ?? これが差別でなくて何なのか。9万枚以上の備蓄がありながら、わずか数十人の子供たちに配るマスクもないというのだろうか。彼らが生きているだけでこんなに不安でつらい目にあわなければいけない理由は何なのだろう。

これまでも、日本政府は朝鮮学校を高校無償化や幼保無償化の対象から除外してきました。
全国の朝鮮学校の生徒や学校法人が原告となって、高校授業料無償化の対象から朝鮮学校を除外した国の処分はおかしいと訴えた裁判でも、国はあくまで「学校が適正に運営されていないおそれがあるから」で「差別ではない」と主張していました。そして残念なことに多くの裁判所が国の主張を認める判決を書きました。
すべては同じ線の上で起きている。こうした取り扱いを、国や社会が「是」としてきたり、「しょうがない」と見逃してきた結果が、こうした「非常時」に命に関わる問題として、一気に吹き出してくるんですね。

少し前ですが、NHKが東日本大震災下で起きた性暴力について特集をしていました。(https://www.nhk.or.jp/gendai/comment/0011/topic027.html

その数の多さ、女性からの相談の5割以上が性暴力に関するものであること。めまいがするような思いですが、よく考えてみると、避難所や仮設住宅、コミュニティの運営に携わっているのが男性ばかりであること。食べ物や何らかの利益の見返りとして性行為を要求されること。声を上げると叩かれること。は!これ、まさに私たちをとりまく社会そのものだ・・・・。

災害対策って、なんでもない毎日に起きる一見ささいな差別をひとつひとつなくしていくことしかないんでしょう。

ちなみにマスク問題ですが、韓国の食品医薬品安全処は、9日からマスクの販売について曜日制を導入し、『月曜日は生まれた年の末尾の数字が1と6の人、火曜は2、7』というように割り振って、薬局や郵便局で販売するという政策を始めました。その制度には外国人登録をしている在韓外国人も含まれています。幸いなことにマスクが手元にあるため、本当に買いに行った人全員が購入できるのか、十分な量のマスクがあるのか。それはわかりませんが、少なくとも、国籍にかかわらず、この社会で暮らす人すべての命と安全を守る義務が政府にあると表明していることに外国人として暮らす私は少し安堵を覚えました。
このコロナ騒ぎのなか、もっとも弱い立場の人の立場に立った政策がきちんと実現されますように。

タイトルの副題にあるハングルは「マニ イヤギハジョ」と読みまして、「たくさん話しましょう」という意味です。この1年、多くの人と出会い、たくさん会話して、女性のことや日韓のことを考え、書いてきたい。そう思っています。

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