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よく話してくれる韓国のお姉さん Vol.13 9月のソウル

鈴木はな2020.09.21

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みなさま、ご無沙汰しています。お元気でしたか? 私はこの間、来年の留学修了までに達成したい目標ができて、一生懸命韓国語の勉強をしたり、済州島に旅行に行ったりしていました。一応目標を達成し、一段落しましたので、これからは今まで通りのペースで原稿を書いていけたらと思っています。どうぞよろしくお願いします。

……って、ここまで書いておいて何ですが、日本でコロナ禍の夏を過ごしたであろう皆さんに「お元気でしたか?」も何もないですよね。すみません。むしろ、生活も精神的にもどんな工夫をしてこの夏を乗り越えられましたか?この夏を生き延びたことだけですごい。またラブピで会えてうれしいです、と言いたい! 世界中、コロナで大変だったのは間違いないけれど、日本の状況はやっぱり際だって異常だ(だった、と過去形にできないのもつらい)と思うから。私も留学終了まであと半年切ってしまい、日本に帰りたくない。日本に帰らずに済む方法はないのか、という思いが日々強まっています。

とはいえ、この夏、韓国もかなりしんどい状況でした。8月になっても梅雨が明けず、梅雨が明けていないにも関わらず、「史上最大級」と言われる大型台風が次々来て、韓国各地で浸水や崖崩れなど大きな被害が出ました。そして極めつけは光復節(日本では終戦記念日ですが、韓国にとっては日本の支配から主権を取り戻し、光が戻ってきた日です)の8月15日、「サラン第一教会」という宗教団体の牧師が集会を呼びかけたために、再び大規模なコロナの集団感染が起きたことです。ソウル市が集会の自粛を求めたにもかかわらず、強行されたこの集会のせいで、それまでは一日当たりの新規感染者数は50人前後で推移していたのに、感染者が爆発的に急増し、一時は一日の新規感染者が400人を超える状況になりました。しかも感染経路の不明な患者が増えて、各地で集団感染が連鎖的に起きたために、どこが比較的安全でどこが危険なのか、警戒しようにもできない状況に。ほんとうに怖かった。私も夏学期が終わったら、友達と国内旅行に行く計画をたてていたのですが、台風とコロナの状況が深刻になってしまったために、取りやめました。

これまでソウル市はバスやタクシーの中でのみマスクの着用を求めていたのですが、8月24日からは自宅から一歩外に出たら、常にマスクを着ければならなくなりました。ソウル市内の飲食店やカフェでお茶を飲んだり、ご飯を食べたり時も、食べている時以外はマスクをしなければならず、違反すれば、罰金を課せられます。紙マスクを落としたり、破れてしまったりしたら怖いので、最近は必ずバッグに予備のマスクと除菌シートを入れるようになりました。

8月30日には、政府がソウルを含む首都圏の警戒レベルを最高の「3」一歩手前の「2.5」段階まで引き上げ、9月の新学期から学校に通う予定だった子どもたちは登校できなくなり、スターバックスのようなチェーン展開しているカフェは店内での飲食が禁止され、テイクアウトのみに。飲食店も営業は夜9時までに制限されて、夜の街から人が消えました。ふと思いついて、深夜12時前に、家で韓国の配車アプリ「カカオタクシー」(韓国版ウーバータクシー)を立ち上げてみたのですが、いつもだったら、地図上にたくさんの空車のタクシーが表示されるのに、なんと1台も!いなかった。ソウルがこれほど厳しい状況になったのは、私が渡韓した今年3月以降初めてです。

9月も末になった今も、カフェや飲食店を利用する時は、店の入り口で必ず検温と、携帯のQRコード認証(ない場合は、名簿に自分の名前と携帯番号、コロナが発生したときに個人情報を使っていいかどうか○をつける)を求められます。地下鉄の改札でICカードをかざすと「マスクを着用してください」というアナウンスが流れ、車内でマスクをしていない人が他の乗客に通報されているのも見かけます。
「交通機関内のマスクの着用を義務化します。あ、今夜12時からね!」という猛烈な迅速ぶりと、自分の個人情報が丸見えになっていることにうっすら不快に感じることもあるけど、それでも「コロナは風邪と大差ない」と言って、故意に集団感染を起こさせようとする人たちがいるのを見ると、正直、安心の方が大きい。
9月14日にはコロナ対策に当たってきた疾病管理本部が疾病管理庁に格上げされ、職員数も907人から500人以上増やし、感染症研究所を新設して国産のワクチン開発に取り組んでいくとのこと。ちなみに、疾病管理庁のトップを務める鄭銀敬(チョン・ウンギョン)さんは女性です。

その間、日本では何がなされていたんでしょうか。厚生労働省は、検査態勢は、病院は、マンパワーは足りているのでしょうか。増員、強化はされたのですか。ワクチン開発はどうなっているんでしょうか。航空機内でマスクの着用を拒否した乗客が飛行機から降ろされた、というニュースを見るたびに、「これが日本なのだ」という気がします。法律や条令を改正し、その責任を行政、政府が引き受ける韓国と、何もせず、住民に「自粛」を求めて政府や行政はいっさいの責任をとらない日本。

東京都だけで200人以上の新規感染者が確認された18日、GoToトラベルで東京発着の旅行商品も販売されるようになったというのを聞くと(これ、韓国であれば社会的距離の確保を2.5段階レベルです)、自民党を支援する一部の旅行観光業者を倒産させないために、ある程度コロナで死んでも、後遺症が残る人がいてもしょうがない。それが日本政府の考えるコロナ対策(withコロナってやつ)なのだろうと思います。

指導的地位の女性を2020年までに30%に引き上げる、いわゆる「2030」がコロナのどさくさにまぎれて30年までに先送りされ、菅政権の閣僚が高齢男性ばかりである現実をみると、たぶん「3030」も達成されることはないだろう。女性が見えない政治や社会。これからの人生をそんな国で生きなければならないのか。後から振り返って、「政治にワクワクしたのは、韓国に留学していたあの1年間だけだったな……」そう思う人生でいいのか。あと半年、考えたいです。

※夏休みを利用して行った済州島の海。美しかった!

※済州島の猫

※久しぶりの金浦空港国内線ロビーには、旅行客がけっこういました。済州から金浦に帰る帰りの飛行機も満席でした

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