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Woman Shout-Out 生中出しは罪 世界に広がれHOPE WORLD 💜 3月の言いたい放題

朝美2022.02.25

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“DIRTY” “EXPLICIT” “UNCOMFORTABLE”
“不潔”  “汚い”  “生々しい”  “いかがわしい”  “居心地悪い”

世界のグローバルアーティストとして君臨するBTSのメンバーJ-HOPEがコンドーム柄のシャツを着た写真をSNSに投稿して炎上したことがある。10代のファンも多いBTSのメンバーがコンドームのプリントのシャツを着るなんてありえない! 非常識ではないかと言わんばかりの批判の声が数々と聞かれた。

実はこの背景には、アメリカのデザイナー・アレックス・ジェームス氏のブランドである“PLEASURES”とイギリスの小売企業ENDの制作によるもの。安全で健康なポジティブセックスの認識を深め、正しい避妊の知識を学ぼうといったメッセージを伝えるためのシャツだ。

このバックストーリーが知れわたると批判的な言葉が一気に一転。抜群のファッションセンスを持ち、お洒落番長とも呼ばれるJ-HOPEがセンシティブなイシューでもあるセクシュアルウエルネスのあり方に耳を傾け、まわりの批判を恐れることなく、ソーシャル・アウエアネスを高めようとするその姿にリスペクトする声が湧き上がった。

数々のバースコントロール・メソッド(避妊法)があるけれど、今回の炎上で、不潔、汚い、生々しい、いかがわしい、居心地が悪いといった声が聞かれたコンドームはバリア系のメソッド。世界保健機関によるとコンドーム失敗率は、2〜15%。カイザーパーマネント医療機関によると100組のカップルのうち、2組のカップルの妊娠が報告されているのだそう。

性感染症(STI)の予防ともなるコンドームはピルと併用して、避妊率の効果を高めるとされている。しかし、コンドームをつけたがらない男性もいれば、男性がコンドームをつけることを躊躇する女性たちもいる。それは、アメリカも同じ。

その理由は、性感染症に感染する心配がない。気持ちよくない。パートナーがつけたがらない。また、セックス後のコンドームの処理が面倒。生理中だから、妊娠の心配はない。バースコントロールピルを飲んでいるから大丈夫。ムードを壊したくない……などなど。でも、もし、パートナーにコンドームをつけてほしいと言われたらどうする? といった質問に対しては、パートナーの意見をリスペクトすると72%が答えているのだそう。

また、パートナーがピルを飲んでいるから生挿入で大丈夫だと考えている男性もいれば、それに同意してしまう女性もいる。コンドームなしでのセックスには不安はあるけれど、その場に流れてしまう女性も多いのも事実だ。さらに、PULL-OUT METHOD(外出しメソッド)、体外で射精すれば妊娠を防ぐことができるといい加減なことを言い出すモラルのないオトコたちもいれば、それを容認してしまう女性たちもいる。

そういえば、昔、ワタシのルームメイトも男性がコンドームをしたセックスは気持ちがよくない。自分は妊娠させしないと断言して、アンプロテクトセックス三昧をしていたのを覚えている。

それが、ある日、ルームメイトのセックスフレンドであるオトコが中で漏らしたことを白状したと泣きじゃくってワタシの部屋に飛び込んできた。避妊をするようにとアドバイスするワタシの言葉を聞いて眉間にシワを寄せていたルームメイトだったけれど、討論している場合ではない。とりあえず、妊娠検査薬を購入して判定を待つことに。結果は、ネガティブ。ピークに達したストレスと固まった身体が一気に解けて床に座り込んでしまったのを覚えている。

それと、ワタシが学生の頃、海外から飛び級留学してきた成績優秀の友人が初恋人とアンプロテクト・セックスで妊娠してしまったことがある。友人は、将来を期待する親に心配をかけることはできず、まして、BFがいることも告げられず(しかも、相手は、20半ばのプー太郎)、友人は、アメリカ在住の姉と相談し中絶という形をとった。その後、妊娠中絶したことが両親の耳にも入り、強制帰国。BFとは決別。その場は修羅場化した。心身共に傷ついた友人の精神状態が悪化。周りにいる皆の胸も張り裂けた。宿した生命に微笑みをかける人間は一人もおらず、あまりにも残酷で悲しい出来事であった。

ちなみに、PULL-OUT METHOD・外出しメソッドといわれる勘違い避妊法では、5人に1人が妊娠。予定外の妊娠で中絶に至るケースは40%と報告されている。

ナショナルセンターフォーヘルスの調査では、セックスをする際は、毎回、コンドームをつけると答えている男性が19%。毎回ではないけれど、時々、コンドームを使用してもらうと答えている25歳〜44歳までの女性は24%以下と報告している。避妊は、シングルメソッドよりもダブルメソッドがベストであるといった考え方が認識されてきているものの、それでも、シングルメソッドでセックスに及んでしまう人が、まだまだ、少なくない。

また、ナイジェリア、フィリピン、インドネシア、ザンビアなど世界には、コンドームを使うことへの恥じらいやスティグマがあったり、コンドームは、道徳に反する、また、危険とし、コンドーム使用禁止措置をする国もあったりするというから驚いてしまう。

アメリカでの初体験の平均年齢は、18歳。アメリカではピルも手に入りやすい環境にあり、学校内の保健室などには無料のコンドームが置かれているところもある。また、学校内のトイレには、生理用ナプキンやタンポンのディスペンサーもある。

ガットマチャー研究所では、近年のアメリカの10代の妊娠率は減少傾向にあると報告しており、その理由は、至ってシンプル。避妊である。ティーンエイジャーの86%は、1種類の避妊を試みているというのだ。

ワタシの周りでは、これまで、2人が望まない妊娠・中絶を経験している。どちらもアンプロテクト・セックスが原因だ。早期のうちにセクシャル・ウエルネスの教育はもとより、女性を主体とし、女性が安全に安心に、なおかつ、手軽な料金で避妊にアクセスできる環境とそれぞれの心と身体の健康にあった避妊法の選択とメンタルのケアをサポートする環境が整ってほしいと願ってやまない。

アメリカも、まだまだ、避妊、妊娠、中絶について保守的な意見をもつところが多くあり、まだまだ、女性のセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルスアンドライツ(Sexual Reproductive Health and Rights/ SRHR)が整っているとはいえない現状だ。

1973年1月22日に中絶が合法化されているけれど、いまだに、中絶論争は絶えることはなく、たびたび、大統領選でも議論されている。州によっては、中絶制限法を成立させ、それにより、閉鎖に追われる中絶クリニックもあり、女性の選択の尊重・プロチョイスと胎児の生命の尊重・プロライフの対立で、デモや討論、脅迫、殺人事件と争いが絶えないでいる。

中絶反対のデモでは、女性たちも多く参加しており、アグレッシブな態度で中絶禁止の声を張り上げる男性たちの姿もある。中絶は殺人だと声を上げているのだが、その選択に迫られた女性の気持ちや女性の身体や心の健康、将来を考えているのか? と、オトコたちに一体、何がど〜わかるっ!と腹ただしくなってしまう。

昨年、テキサス州では妊娠6周目以降の人工中絶の禁止。人工中絶に関わった医療機関や支援者に対して、一般の市民が訴訟を起こすことも可能といった無茶苦茶な法案が施行された。バイデン大統領は、中絶は女性の権利、女性の選択を支援、尊重する意向を示しているのだけど、それを疑問視したレポーターがホワイトハウスでのカンファレンスでホワイトハウス報道官であるジェン・サキ報道官にその疑問を投げつけ、サキ報道官がこれに反論したことが話題となった。

“女性の身体、女性の選択、女性の権利。決めるのは女性の選択です。女性のその決断を尊重し、医師と共に慎重に行うべき。あなたには、そのような難しい選択に迫られることもなければ、妊娠することもない。でも、その選択に直面しなければならない女性にとっては、信じられないほど難しい問題。女性の選択を尊重すべきなのです”
と明確に答えた。

このテキサス州の動きと反比例な動きを見せるのはリベラルなカリフォルニア州。同州では、昨年の10月7日、ニューサム州知事がステルシング法に署名。女性を保護する意向を示している。

ステルシングとは、性行為中に合意なしにコンドームを外し、体内に射精するというモラルに反した性的暴力行為だ。男性の10%が合意なしでコンドームを外したことがあるといった声も聞かれ、女性の3人に1人、男性では5人に1人がステルシングの被害を受けたといった報告もある。

今後は、合意のあった性行為でも、性行為中にコンドームを外されてしまった場合、それを違法行為として、法的に対応することが可能となる。それが、パートナー同士の関係であっても、また、セックスワーカーたちが顧客と同意した性行為であったとしてもだ。

アメリカには、カリフォルニアで始まったことは、全米に広がるといった昔からの言い伝えがある。そのカリフォルニアから、セクシャル・ジャスティスの一歩が踏み出したからには、今後の動きに期待の声も高まる。
いまだに、女性の声が封じ込められている社会であることを感じずにはいられない世の中ではあるけれど、希望の声を発信し、その希望の声に耳を傾け、希望を胸にして共に歩み、次世代へとつなげていく。そうすることで、世界中にHOPE WORLDの輪が広がって行くはずだ。

RESPECT YOURSELF
MY BODY, MY CHOICE, MY RIGHT
I Purple You💜💜

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朝美

朝美(ともみ)

米国大学在学中にダンサーに。NY拠点にダンサーとして活動後、多種多様な業界を渡り歩いた元・3ヶ月坊主のジョブホッパー。米フォーチュン500企業の最も働きやすい企業に籍を置いたのち、アメリカが選ぶ最高の雇用者のトップに君臨する米大手企業に㊗現職!ライター、ライフスタイルリサーチャー、ブランドアンバサダーとしても活躍。ランニング、ヨガ、ダンスとネコと自由を謳歌する自由人。https://morningbeauty917.wixsite.com/mysite

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