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ひとりでカナダ大学生やりなおし~アラフォーの挑戦 Vol.1 ようやく日本を飛び出しました!

橘さざんか2022.11.09

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36歳にしてカナダ東部、人口40万人のとある都市の大学に交換留学している橘さざんかです。
東京育ちで都内の女子校を卒業後私大医学部に入学し、研修医を終えた後は精神科を選択し、関東圏内の大学の医局に入り、10年精神科医をやり2020年に大学院博士課程に入りました。このたび私がなぜ海外に行きたくなった=日本にいたくなくなった理由からお伝えしますね。

私が育った女子校はあの矢島梶子が作った学校ですが、「フェミニズム」という言葉を使わずして「フェミニズム」が息づいているようなところで、おもしろい女の子がいきいきとしている高校でした。
そのころから男性目線がなかったわけではないけれど、自分たちの考える「男性社会」は無邪気なもので、女子100%の環境であるゆえに不平等社会に対する憤りなどもなく、そもそも私立進学校の生徒という特権階級にいることにも気づかず、のびのびと育っていました。
親には「高校時代というのは大学受験のために存在する時間なのだ」と言われ、勉強すれば華々しい未来があることを何も疑わず勉学に励んでいました。

社会的理不尽に対して免疫のない私が、私大医大という巣窟に入り、バグをおこすことになるのは振り返ってみれば当然の帰結と思います。
大学では一気に自分のイケてる価値観が通じなくなり、若さゆえの自意識過剰もあり、やっぱり孤独になりました。
フェミ傾向、スポーツ苦手・・・だと大学医学部では居場所がなくなるのです。
サブカルに詳しいなんてこともなんの役にも立ちません。
その分、真面目に医学を勉強すればよかったと後悔はしていますが、試験のためだけ机に向かい、ありあまる時間を持て余した私は本を読みまくり、幸運なことに高校時代とは違う「フェミニズム」にようやく出会うことができました。

当時は誰とも意見交換するようなチャンスがなく、それが一生続くように思えていましたが、数年後フェミ友だちと出会い、あらゆるトピックについて話し合えるようになりました。本当にそれまで寂しかったな~としみじみ思ったものです。

その後多少の社会性を身につけ、多少の男性経験を経て、仕事でもある程度自信がついたので、大学時代のような「誰もわかってくれない私のすばらしさ!!」というようなルサンチマンはほぼなくなったのですが、自分の感性を押し殺して型にはめて街道を走ってきたような気持ちはどうしても残ってしまいました。
たとえば、ツイッターでときどき見られるような才女のように大学からハーバード大学に行っていたら、ニューヨーク映画学校に行っていたらと、ありもしない自分の幻影を海外で活躍している女性に見てしまっていたり……。こんな幻想は浅はかでしょうか? 海外在住の女性に「日本の女性はかわいそう」とか「海外に来てみなよぉ~」と言われた経験はありませんか? ナイーブなのかもしれませんが、「日本にいるのは損しているのだ」、私はそういった言葉を真に受けてしまっていたわけなのです。
よりのびのびと生きる第一歩として、大学院2年生のいま、交換留学の権利を運良く手に入れ、2022年9月より、大学生として、ここカナダで心理学を学んでいるというわけです。

今ようやく腰を落ち着けるまでになったこの3週間、バタバタは予想通り、まぁまぁストレスフルでした。はじめEstaというアメリカのビザでトランジットのみでも必要な手続きを忘れ、フライトミスすることにはじまり、日本でリモートでやっている研究のストップ、日本から送った荷物を手に入れることができそうでできないことになりポストの前に10時間座っていたなんてもこともあったりなどが続き、なにも素敵なことはしていません。

とりあえず新鮮味とカナダに留学しているという響きの良さと、挑戦している自分が好きという感覚を保って生き抜いています。
今週はトロントで学会があり今地元に帰ってきたところですが、ハリケーンフィオナの影響で、週末ずっと大停電だったとのことでした。それを避けられたのは運がいいとしか言いようがありませんが、同じフロアの人たちと仲良くなるきっかけを逃したような気もしています。

友だち作りたい、作ると言っている私ですが、これからどうなるのでしょうか?
ちゃんと友人を作って、英語が上達して、国際感覚を持てるようになるのでしょうか?
大学には語学学校が併設しているのですが、そこの日本人生徒は、たいてい3~4人の日本人グループで行動していて、ひときわ子どもっぽい感じに思えます。でもそうしたい気持ちはわかります。日本人ってさ、とばかにしながら、自分の内向きな日本人性を日々感じます。こうありたい自分と本当は違う自分というのを両方認識して俯瞰できている人というのはなかなか少なく、それができるということは成熟の証であり、神経症を防ぐ手段の一つであり、自分としてはそうでありたいところなのですが、私のように変な野心がまだあり、努力が追いついていない状態だと容易に本当の自分の立ち位置を自分で偽ってしまいます。

今までは運はよかったと思いますが、この経験を生かすも殺すも自分次第の立ち位置にいる私。なんでも楽しめばいいんだよと自分に言い聞かせつつ、そうは陽気になれない私・・・。いろいろ複雑な思いがありますが、まだ始まったばかりなので、これからどうなるかわかりません。いろいろ矛盾する気持ちをこのコラムで吐露できていけたらいいかなと思っています。


とても小さい大学ですがヨーロッパ建築っぽい外観。ちなみにうちの大学はダイバーシティを売りにしており、1/4がインターナショナルスチューデントです。


大学食堂にはグラウンドが望める見晴らしの良い大きな窓があり気持ちいいです。日替わり形式のビュッフェですが、毎日必ずあるのがピザ、ハンバーガー、ベジタリアンメニュー。またサンドイッチバーのコーナーではスタッフが一つ一つ注文に合わせてラップなどをその場で作ってくれます。


港町なのでシーサイドデッキあり一大観光スポットになっています。海を挟んだ向こう岸をフェリーで渡ると、ダウンタウンとは少し違う大人でレイドバックな町があります。

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橘さざんか

橘さざんか(たちばな・さざんか)

1986年生まれ。精神科医、大学院生。認知行動生理学と慢性疼痛の研究をしている。交換留学でカナダ東部都市在住。映画オタク。

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