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第8回 スクール・セクハラや教師からの性暴力から、子どもを守るには?

具ゆり2014.10.16

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今回は子どもへの「性暴力」「性虐待」についてもう少し考えてみましょう。長い間潜在化したまま隠され、タブー視されてきた問題といえます。社会が問題を取り上げること、真実に向き合うこと、事実を明らかにする・公表していくことが重要です。 最近では少しずつ被害当事者自らが勇気を出して語り始めています。『なかったことにしたくない 実父から性虐待を受けた私の告白』(講談社)を元タカラジェンヌの東小雪さんが出版されています。自分の尊厳を守る権利意識がなければできないことです。

  Q「子どもたちへの性暴力、性虐待というと、あまりにも痛々しい気がします」 A:本当にそうですね。だからこそ、逃げないで向き合っていただきたいのです。 この問題は、残酷で卑劣な犯罪であるにもかかわらず、加害者からも被害者からも隠されてきたといえます。しかも年齢が幼い子どもほど、自分に何が起こっているかわからないのですから、それを訴えることが難しいし、継続した加害が繰り返されて深刻な事態にならざるをえません。  ただ、何らかの通報や保護によって発見された子どもたちには、回復のための支援が少しずつ対応されているようです。性虐待被害の後遺症の深刻さを思うと、いかに早期に発見して適切なサポートを受けるかが、子どもたちの心身の傷を癒し、後の後遺症からの回復に直結するといえます。  

 Q「子どもたちの被害は、実際にはどのくらいあるのでしょうか?」 A:2012年度「全国児童相談所における子どもの性暴力被害事例」では、1614人。女子1419人、男子182人(一部性別不明)。男の子への性暴力も明らかになっています。被害年齢は小学生576人、3歳~就学前164人、0~2歳44人です。  日本性科学情報センター「子どもと家族の心と健康」調査報告によると、小学6年生までに、女の子では6.4人に1人、男の子の17.4人に1人が性虐待被害にあっているという結果があります。  ただし日本の「児童虐待防止法」では、虐待者を「親権者や現に子どもを監護する者」に限定しているため、加害者がきょうだいや親族からの被害は統計数字にも入らないということです。 圧倒的に低年齢で発生していることは、無防備で無力な子どもたちが狙われているという事実です。驚くべき被害率の高さといえますが、ほとんどの子どもたちが誰にも言えずに苦しんでいることを思うと、目に見えるこの数字がどこまで実態を表しているといえるでしょうか? 埋もれている被害はあきらかですね。 家庭での性虐待は、誰かに話すことで早期発見できると思われますが、家族や親が気づいていながら見て見ぬふりをしたり、事実を拒んだり、信じようとしなかったり、逆に被害者の子どもを責めたりして、子どもが罪悪感をもって孤立無援感を深めていくことは多くあります。 しかも多くの善良なおとなたちは「性虐待」の真実を知りませんし、知ろうとしない場合もあります。やりきれない思いになります。

 Q「学校でも、教師による性暴力やスクール・セクハラがニュースになりますが?」 A:そのとおりです。スクール・セクハラと言われていますが、「教師によるわいせつ行為、性暴力・性虐待」と位置づけたほうが、問題が明確になるのではないかと思います。 2012年度に全国の公立学校で懲戒免職処分になった教員は、文科省調査開始以来過去最多の206人でした。その理由別では「わいせつ行為等」がトップで全体の約6割119人、停職・減給も入れると計186人にのぼる現状です。被害者は「自校の児童・生徒」が49.4%(うち10.2%は「児童」だった)というもの。性的言動のセクハラ、盗撮・のぞき、「性交」は35人で3番目に多いのです。 でも、はっきり「強姦」と言わないのはなぜなのでしょう? と言うより、学校で何をしてるんだ!と思いませんか?  

 Q「なぜ学校で、先生が子どもたちを傷つけ、貶めるのでしょう?」 A:それは、力の差が歴然とあるからでしょう。簡単に支配できますからね。子どもたちは、「先生」のいうことには逆らえません。怖い、おかしいと思ってもついていきますし、怒られないように、言うことを聞かないといけない、と考えます。つまり教師が「先生」の特権を悪用して性暴行・性犯罪を犯しているわけです。 もしあなたなら、何ができると思いますか? 逮捕される事件も後を絶ちませんが、犯行が明るみになったとき、言い訳や責任逃れをする「先生」のセリフは教育者のものとは思えません。「冗談のつもりだった」「親愛の情、スキンシップだった」「指導のつもりが行き過ぎてしまった」「恋愛感情だった、真剣な交際だった」・・無責任極まりない言葉、弁解や正当化、あるいはうそが、被害を受けた子どもたちをさらに傷つける二次加害となるのです。深刻なPTSDの発症、人生に大きな影をおとしていってもおかしくないことなのです。

 Q「子どもたちを守るために、おとなは何をすればいいのでしょう? 私たちは何ができるのでしょう?」 A:私たちが目をそむけず、問題に向き合うことが、被害を受けた子どもたちを守り支えることにつながると思います。日本で、子どもの性的安全を守る・保護する法律がまだまだ未整備なのは、その必要性が認識されていない社会全体の問題とも言えるでしょう。 子どもだけでなく、女性や性別に関わらず、不当な性暴力に対しては、泣き寝入りしないで声をあげていくこと、性暴力が許されない社会を目指していくことだと思います。   今、「性暴力禁止法を作ろうネットワーク」が頑張っていますね。「あらゆる性暴力をなくすための法律をつくろう! あなたの力が必要です」と呼びかけています。 ◆読んでみてください 被害を受けた当事者からのメッセージがたくさん寄せられています。  NHKオンライン/ハートネット性暴力被害メッセージ

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具ゆり(ぐ・ゆり)

フェミニストカウンセラー
フェミニストカウンセリングによる女性の相談支援に携わっている。
カウンセリング、自己尊重・自己主張のグループトレーニングのほか、ハラスメント、デートDVやDV防止教育活動など、女性の人権、子どもの人権に取り組んで20年あまり。
映画やミュージカルが大好き。
マイブームは、ソウルに出かけてK-ミュージカルや舞台を観ること。

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