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第11回 強引にポジティブに政治にコミット!

打越さく良2015.01.09

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総選挙結果…強引に前向きっ

 世の中の動きが速い。年末年始ひたすら「いえーい!」と女子会で「お浄め」したついでに、「え、総選挙ですかマジすか!?どうしてこのタイミングで!?」と慌てた前回は既に遠い過去のような気がしてくる。しかし、前進するためにはまずは過去を振り返らねば。
 「与党圧勝」という見出しが視界に入らないように入らないように…と思いつつやはり気になって読みこめば、意外にジェンダー的には案外悪くない結果。私ほか多くの女性たちが望んでやまない選択的夫婦別姓を実現すべしという議員・前議員が無事当選したり、強硬に反対していた議員たちが無事落選したり。「圧勝」という見出しにがっくり肩を落とさないで細々確認し、応援すべき人を応援するのが肝心と再確認する。
 それにしても、今回の衆院選(昨年12月14日実施)の投票率(小選挙区)が52.66%っていうのは、民主主義の危機ではないか。戦後最低を記録した前回2012年の59.32%をさらに6.66ポイント下回り、最低を記録してしまった(2014年12月15日12時46分朝日新聞digital)。んぬ…。まあね。気持ちはわからないでもない。「どうして今やるんだ、どうせ野党が準備できていないうちに、組織力で勝つんだろ」「一票で何か変わるもんではない」「入れたい候補がいない」etc.。
だけど。棄権するってことは、政治に意思表示することを諦めます、お任せしますよ、どうぞお好きにって、与党に放り出していることと変わらない。特別に応援したい人が選挙区にいないなら、消去法でいい。「この候補の政策は絶対許し難い政策のオンパレード」という人からどんどん外す。棄権すると、その人でも誰でもいいですよと言っているのと同じ。言わせてもらえば、私が重視するジェンダー平等に関する政策のことなんて、世の中的に争点にもなっていない。でも、ふてくされて棄権なんかしても、政治家が「すんません、ではジェンダー平等を重視しまっせ」と振り向いてくれるわけはない。ますます、そんな問題無視するのが落ち。だから、「私は○○(集団的自衛権でも、憲法でも、原発でも、派遣労働法でも、選択的夫婦別姓でもなんでもいい)を重視するので、あなたに一票を投じます(投じません)」と選挙事務所に連絡もした上で投票しにいくのがベスト。普段から地元の議員の事務所に連絡してもいいが、忙しい日常でそのようなエネルギーが保てる人はそうはいない。だからそこまでやってしかるべきとまでは言わないけど、選挙のときくらい有権者としてテンションを高くして、自分が優先することを候補に伝えてはいかが?
あれはダメ~これはダメ~とないものねだりな消費者化した有権者こそダメダメかも(有権者の「消費者化」についての懸念は2013年参院選直前の想田和弘監督のインタビュー参照。)。「お任せ民主主義」?言葉からして矛盾している。


準備万端とはいかなくてもコミット!
 とはいっても国政は遠すぎる?間もなく統一地方選。本当に間もなくで、またしても準備が間に合わない?準備不足がたたってか、「女性ゼロ」の議会は12年松で全国の市議会の8%!町村議会では4割近くに及ぶ。女性議員がいても、1人、2人の議会が多く、女性議員が占める割合は都道府県会で9%、市区町村会で12%(総務省調べ、2014年1月1日毎日新聞朝刊)。おお、衝撃の数字。
 女性が折角議員になっても、「男性社会」である議会では「異分子」。昨年塩村文夏都議への野次が問題となったが、女性議員たちは野次のほか尻や太腿を触られる(!?)等ののけぞるような様々な嫌がらせ、差別を受けている(2014年1月3日毎日新聞朝刊)。女性議員でなくても女性たちが望む政策について質問するのに「勇気がいる」ほどの野次を受ける(2014年1月5日毎日新聞朝刊)。私は国会の審議を傍聴したことがあるが、同じ趣旨の質問をしても、男性議員に対してより女性議員に対する嘲笑、野次のほうが明らかに激しかった。その上初回はマスコミの注目を集めて当選しても、その後実績を重ねても注目されず、落選することもある(2014年1月4日毎日新聞朝刊)。嫌がらせを受けた上、応援もない。それでは、議員になりたい、やり続けたい、という女性は増えるはずがない。
 女性が極端に少ない議会で、多様な政策課題が実現することはなく、民主主義は深化しない。女性の視点を!というと、「男は男らしく」「女は女らしく」というフェミニズムがずっと闘ってきたことを譲って、「女は政治に口を出さず、家庭にいろ」と言い返されかねない。そういうことではなくて、男性だろうと女性だろうとそれぞれの人の個性を尊重するために、男女の比率が極端に偏った議会のままではいけないということなのだ(三浦まり教授へのインタビュー参照)。
 ああ、それにしても確かにまたしても準備の時間がない。でも何か出来ることをしよう。議会の構成はWebで公開されている。議員たちの名前をゲットし、それぞれのWebページを検索して、ジェンダーに関してどんなことを主張しているのか、確認するとか。或いはこの人こそ応援したいっという人がいたら、メールしてみるとか。
 なんだそんなめどくさい?しょぼい?ぶつくさケチつけているだけでは何も前進しない。ある日突然めくるめく前進があるわけではない。ちょっとずつ、コミットしていきたい、ですよね?コミットしていきたくなりましたよね(強引か…(^^;)!

 今回は新年らしく、ウルトラ前向きモードでしめましたっ。

 

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打越さく良(うちこし・さくら)

弁護士・第二東京弁護士会所属・日弁連両性の平等委員会委員日弁連家事法制委員会委

得意分野は離婚、DV、親子など家族の問題、セクシュアルハラスメント、少年事件、子どもの虐待など、女性、子どもの人権にかかわる分野。DV等の被害を受け苦しんできた方たちの痛みに共感しつつ、前向きな一歩を踏み出せるようにお役に立ちたい!と熱い。
趣味は、読書、ヨガ、食べ歩き。嵐では櫻井君担当と言いながら、にのと大野くんもいいと悩み……今はにの担当とカミングアウト(笑)。

著書 「Q&A DV事件の実務 相談から保護命令・離婚事件まで」日本加除出版、「よくわかる民法改正―選択的夫婦別姓&婚外子差別撤廃を求めて」共著 朝陽会、「今こそ変えよう!家族法~婚外子差別・選択的夫婦別姓を考える」共著 日本加除出版

さかきばら法律事務所 http://sakakibara-law.com/index.html 
GALGender and Law(GAL) http://genderlaw.jp/index.html 
WAN(http://wan.or.jp/)で「離婚ガイド」連載中。

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