ラブピースクラブはフェミニストが運営する日本初のラブグッズストアです。Since 1996

  • TOP
  • 具ゆり
  • 「おひとりさま」を生きるということ

Loading...


もう12月半ばだというのに、暖かい陽射しの日が続いています。暖冬ですね。
今日は久しぶりの静かな休日。気になっていた殺風景な庭にいくらかの花の苗を植えました。葉牡丹の寄せ植え、ビオラ、ジュリアン、キンギョ草、ミニシクラメン。冬の定番です。今年のヒットは、上から見るとバラの花のようなミニスプレー葉牡丹。小さな花がとても可愛いのです。夏の花が終わってしばらくほったらかしだった小さな庭に、花の色が一気に広がって、なんだかすごく気分いいなあ~。

 フェミカンルームでは、これまでほんとにたくさんの女性と出会ってきたなあと最近つくづく思います。20年はあっという間だったなあ、若かったし夢中だったなあ。スローライフと言いながら、今年もよく働いたなあ・・。この先どこまでできるかしらねえ。

カウンセリングは、一度の出会いで終了することもあれば、数回、1年、何年もと、さまざまです。中には10年以上おつきあいすることもまれにあります。
最近は、懐かしい方が再来訪されるケースがたびたびあります。

Sさんは50代。「まあ、15年ぶりかしら?」・・くらいの再会です。
当時は、夫婦関係、夫の親(義父母)との確執、子どもの不登校で、2年ほどのおつきあいをしています。まだ子どもたちは中学生のころでした。
地域の名士で資産家の夫の実家で同居する、ジェンダーばりばりの典型的な「お嫁さん」をやり抜いていた人でした。夫は親に頭があがらない人で、厳格な義父母からは夫婦ともに酷い扱いを受けていたそうです。そんなSさんのストレスは、子どもたちにも影響して、アトピーやぜんそくなど、子どもの病気でも苦労されていました。
そして、子どもの不登校をきっかけに、義父母からの「逃避」、同居生活からの「脱出・解消」を決行しています。
「じゃあ、(親に頭があがらないという)夫はどうした?」と気になります。実は、妻と子どもにくっついて一緒に実家を出ています。親ではなく、妻や家族をとったのです。Sさんのおかげで、夫も「やっと」家を出ることができたと言えないでしょうか?

実は、Sさんのような同居結婚では、「できのいいお嫁さん」だった女性が究極の選択を迫るケースって、けっこうあるんです。「私は出て行くけど、あなたはどうする?」「離婚か? 別居か? どっちかよ!!」。
で、たいていどうなるか? いや~、夫は妻を選んでいますよ。妻に捨てられたくないんですね。妻側も「まさか!? 親を捨てて、私を選ぶとは? あ~っ!こんなことなら、もっと早く家を出ればよかった~!」と、悔しがる女性は多いのです。そうですよね、何十年も、どれほど自分を犠牲にしてきたことか!と、確かに悔やまれることでしょう。でもね、そこまで来ないと、その選択を決意できなかったのも事実なのです。

当時のSさんは「子どもの問題は自分のせいだ、なんとかしなくちゃ」と相談機関をわたり歩いて、追い詰められているようでしたが、不登校で悩んでいた子どもたちも、現在はそれぞれ大学を卒業して社会人に、義父母も亡くなったといいます。
Sさんの今回の主訴は・・・相変わらず「母親」を頑張るSさん自身の問題でした。
残念ながら、Sさんが当時のカウンセリングでジェンダーフリーになったわけでも、自他分離・境界のある親子関係を確実にもてるようになったわけでもありません。
ただ、少なくとも、「不登校の責任は自分のせいだけじゃない」と思うようになったり、子ども自身が自分の道を見つけることを「待とう」としたり、少しずつ変わろうとされていました。
でも、身についた習性は強固です。妻だから、母親だからというジェンダー、他者優先や過剰責任行動、そのお世話役割意識や「やって当たり前だから」というすりこまれた思い込みからの脱却やそのための罪悪感の払拭はそう簡単ではありません。
その意味では、いつになっても、子どもや家族のために「私が何とかしないと・・・」と右往左往するSさんのような母親は、決して珍しくありません。だけど、問題がなんであれ、いつまでも子ども扱いされる子どもの側はたまったものではないはず。

お子さんたち、もう30歳になるんですね。不登校で悩んでみえたことを思うと、それぞれ大学に行き、社会人として仕事をされている。立派じゃないですか。
そんな方たちなのに、何かあると「私がなんとかしてあげなければ」と考えてしまうのはなぜでしょうね? そっとしておいてほしいと言われているのに・・・。
逆に考えてみませんか? あなたなら、30にもなって、まだ自分のことに侵入してくる親なら、どう思います? 自分が何とかしないと、と思ってくれる親に。
ありがたい? 感謝する?

これって、やっぱりあなたの問題じゃないかな? たぶんもう、Sさんは十分すぎるほどの責任を果たしてきたじゃないですか。これ以上、まだ足りないですか? 彼らの人生ですもの、心配はつきないかもしれませんが、もう母親は卒業しませんか? 


相変わらず、夫の存在感の薄さが気になりますが、これからは「おひとりさま」を生きることに取り組めるといいですね。

Loading...

具ゆり(ぐ・ゆり)

フェミニストカウンセラー
フェミニストカウンセリングによる女性の相談支援に携わっている。
カウンセリング、自己尊重・自己主張のグループトレーニングのほか、ハラスメント、デートDVやDV防止教育活動など、女性の人権、子どもの人権に取り組んで20年あまり。
映画やミュージカルが大好き。
マイブームは、ソウルに出かけてK-ミュージカルや舞台を観ること。

RANKING人気記事

Follow me!

  • Twitter
  • Facebook
  • instagram

TOP