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みなさんこんにちは。本格的な冬の冷たさがしみ入る季節ですね。
新年に、とても懐かしい人たちとの再会を楽しむ女子会をもちました。かつて子どもが通ったオルタナティブスクールで、いろんな経験と時間を共にした人たちです。今はすっかりおとなになった娘たち。それぞれが自分らしい人生を歩いています。母たちはちょっと加齢、でもちっとも変わらない雰囲気。久しぶりの再会で、いろいろな思い出が交錯するものの、何から聞こうか、話そうか。しみじみ、温かい気もちがこみあげてくる、そんな幸せな時間になりました。

30年前、そのオルタナティブスクールとの出会いがなければ、私のフェミニストカウンセラーへの道も見つからなかったかもしれません。
その「ちいさな学校」は、「野並子どもの村」(1986年-2005年)といって、イギリスの“世界でいちばん自由な学校”「サマーヒル・スクール」やアメリカの「サドベリー・バレー・スクール」をモデルに誕生しました。当時は「不登校」を「登校拒否」と言っていた時代です。子どもたちの自主・自律・自由を尊重した、ジェンダーフリーで民主的な「もうひとつの学びの場」は「名古屋に自由な学校をつくる会」によって生まれました。同じ頃に「東京シューレ」や「きのくに子どもの村学園」が生まれています。日本のフリースクール草創期といえますね。そして、私にとっても刺激的で、自分を生きていくうえで、大切な学びの場となりました。

私はもともと学校や教育制度に疑問をもっていたわけではありません。当たり前に学校に行く、そこそこ普通のバスケ女子でした。それなりの矛盾や教師に欺瞞を感じることもありましたが、学校は自分にとって大切な居場所でした。

一方で、子どもの父親であるパートナーは「学校」や「教育」に対しての持論をもっていました。日本の学校制度や教育のありかたをけっこう強く懸念していて、子どもには自分と同じ道を歩ませたくないと思っていたのです。
だけど、まさか「そんな学校に行かせるのはやめない?」とくるとは思ってもいなかった。「ええ~、そうなの?・・」「そうは言っても・・」と実感がなかった教育や学校の問題を、そこから私も考え学び始めることになります。

困っていた私が見つけた、というか、娘の就学1年前にできたのがその小さな学校。
「子どもの村」の教育理念は、子どもが主体、自己尊重、自己決定と自己責任。そして性別にとらわれないありかた。まさにフェミニズムに立脚していました。もちろん無認可ですが!
「いいじゃん~!」
子どもがありのままで育つ・生きることが保障される世界が目の前に現われたのです。「こんな学校なら私も行きたかった」と思えることで、親2人の意見は一致しましたね。

彼女は「子どもの村」で6年、その後の6年もフリースクールや自由な学びの場を選び、通信で資格をとって大学に行きます。もともとスローペースな人で、何事も決めるまではほんとに長い時間をかけます。笑っちゃいますが、今でもアイスクリームひとつ選ぶのにも。でも、14歳で一人ピースボートに乗ったり、10代は仲間と山に登ったりアメリカ大陸横断をしたり、考えて考えて、できると思うから行動する人。だから大学生になってみて、同世代の子たちの多くが「みんな子どもに見えた」ようです。その後交換留学をきっかけに日本を離れて12年、仕事に暮らしにたくましく生きています。

(私)「あなたってスゴイことしてきたよね。私、今になってよく心配しなかったもんだ、手も出さなかったもんだと、自分で驚いちゃう」と心から思うのですが、
(娘)「いや、ぜんぶが当たり前だったものね」さらりと返ってきます。
彼女の経験は異色といえるでしょう。恵まれたと思えるかは彼女が決めることです。
私の学校時代や思春期とはまったく別の世界と時間をもった彼女は、確かに自由があったと言えますが、すべてを自分で選ぶこと、決めることは、ある意味厳しく、過酷なことだっただろう、今は心からそう思えます。

当時は私も若かったし、未熟さ山盛りでした。
 「子どもの村」の時間が彼女の原点となる一方で、私は自分を生きることに精一杯になった時期でした。きっと、とんがって肩に力も入っていたはず。
「自由」に生きることは簡単なことではありません。子どもの村で過ごした彼らは自分の人生を自分で決める力を奪われず、その責任を自分でとることを学び育まれたと思います。そして、彼女の成長とともに、私自身も自分の生き様や未来を考えるようになれたのだろうと思います。

「もうひとつの学校」を選んだ子どもたち、親たちにはそれぞれ語りつくせないくらいのドラマや、それはそれは面白くて楽しいエピソードがいっぱい。そんな時間を懐かしむ穏やかな昼下がりのティータイム。時の流れって止まるときがあるのですね。

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具ゆり(ぐ・ゆり)

フェミニストカウンセラー
フェミニストカウンセリングによる女性の相談支援に携わっている。
カウンセリング、自己尊重・自己主張のグループトレーニングのほか、ハラスメント、デートDVやDV防止教育活動など、女性の人権、子どもの人権に取り組んで20年あまり。
映画やミュージカルが大好き。
マイブームは、ソウルに出かけてK-ミュージカルや舞台を観ること。

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