
こんにちは!ラブピスタッフSです。
先日、3月31日に一旦のフィナーレを迎えたラブピラフォーレ店の店頭スタッフでした。
2023年の7月に入店し、2025年3月31日にラブピラフォーレがゴールテープを切るまでの約1年半、本当にたくさんの女性と出会うことができました。
パートナーのこと、婦人科のこと、生理のこと、プレジャーのこと、身体や生活、お仕事や人間関係にまで広がる様々な問題をご相談いただき、寄せられる信頼に感謝しつつ、それに相応しい知識と人柄であろうと奮闘した1年半でした。
お客様が帰りに私に言ってくださるのは、知らなかったことたくさん!勉強になりました、ありがとう、ということで。
私たちは、自分が望む望まないに関わらず女の身体で生きていて、世界の半分以上が女性であるのにも関わらず、社会に憂慮される健康や快適さ、身体の喜びは男のためばかり。
女には、自分の身体の中身がどうなっているかもわからないまま、生理をコントロールしろだの腟内で気持ち良くなれて当たり前だの、デリケートゾーンにはこれを塗れ、あれを塗れ、毛を抜け、要望ばかりをされている。
社会がこれまでサボってきた「女に本当に必要な性教育」の尻拭いこそが私の使命だと思いながら、日々店頭に立っていました。
私は今でこそ、所有バイブは20個以上にも渡り、月経カップ・ディスクを使うのは当たり前、毎日ムーンパンツを履き、プレジャーの話を今日の夜は何を食べるとかと同じくらいの気軽さでするけれど、ラブピの面接をした時は全くそうではありませんでした。
店頭で、初めて見るものに興味津々なお客様と同じくらい、私にとってラブピも新世界でした。
入店前から、フェミニズムにはとても関心があったので、ラブピのことは知っていて、「セルフプレジャー」も言葉としては知っていて。なんかキラキラした概念、くらいの認識でした。
セルフプレジャーが何であるか深掘りし始めたのは、ラブピの求人を見てから。その時期はちょうど、「女男間の性交に潜む危険」が自分のフェミニズムのテーマだったので、女性が女性のために作るプレジャートイは、そのテーマと親和性が高いと感じました。
それまで、自分の中でセルフプレジャーはタブーで、周りの友人とも話したことがなかった。男性に頼らず女1人で自立して生きていこうとした時に、男に頼らない=性欲もない、みたいな感じで、性的欲求も男とセットで淘汰されるべきという空気感が自分の中にありました。それは、性は男性とセットである、というこれまで生きてきた中で蓄積された固定観念であり、自分の身体に無意識に課せられた肌感でした。
だからこそ、セルフプレジャーに感じていたタブー感はもちろん、自分の腟に関しても性交と常にセットな肌感があり、最初は月経カップもディスクも挿入トイも怖いと感じていました。自分の腟内は未知の領域、宇宙の果て、触ると何かよくないことが起こってしまいそうなパンドラの箱。そんな身体感覚を持つ女性はとても多くいると、店頭で実感してきました。
それは、店頭で女性がディスクや挿入トイを見たなら、「こんなの腟に入るかな」と仰ることがほとんどだからです。私は彼女たちの気持ちも、その背景にある隠れた恐怖心や、恐怖に至るまでのストーリーがそれぞれ全ての女性にあるとわかる。
入店前に記していた、ラブピで働くための勉強ノートを見返すと、「健康であることは病気でないことではなく、身体も心も社会的にもとても良い状態であること」とあります。
私たち女性は、飢えないためだけじゃなくて楽しむために食事をしたり、隠すためだけじゃなくてときめくために服を着たり出来るのに、性のこととなると途端に難しくさせられる。本当はそれらと同じように生理用品やバイブへの選択肢も開かれているべきだ。病気じゃない、それも大事だけれど、女にも最低限より多くを求めてほしい。男は自分がもっと気持ち良くなるためにあらゆる手を尽くして買い占めるのに、女にはそもそもセルフプレジャーという選択肢すらないと思わせられていたり、性によって傷付けさえさせられるのはおかしい。店頭でバイブをご案内した女性に、「こんなにいいもの今まで知らなかった、このまま一生バイブを使わないまま死んでいくのかと思っていた。ありがとう」と伝えられた時の気持ちを、私は死ぬまで忘れられないと思う。
世界中の女性によって作られてラブピに並ぶたくさんの商品は全て、善意から作られています。全て上質で、不便を避けるための消極的選択ではなく、自分のライフスタイルやときめきを元にたくさんある中から迷いながら選べるという環境がラブピなのだと思います。
そこには、早く決めなきゃいけないという圧や、アダルトショップ等に一度でも入った女性ならわかる、男性からの視線やズラリと並んだ、女体をモノ化した男性向け商品に囲まれる怖さ、そんなものは一切ありません。
海の向こうの女たちが自分を想って商品を作っているのだという事実が、月経カップや挿入トイへの恐怖心を克服するチャレンジに私を駆り立て、今ではCシェイプトイ博士へと育ちました。最初は自分の身体のことや生理のこと、プレジャーのこと、更年期のこと、わからなくて当たり前。どこでも教わらないから。でもわからなくても、ミリ知らで遊びに来てもラブピに流れる女の情熱的なバイブスを女ならきっとみんな感じ取ることが出来る。女の肉体を持った当事者なのだから。実際、店頭でお話を始めると、あれこれと止まらなくなって気づけば2時間くらい経っている、なんてお客様は多いです。それくらい、みんな日々思うことがあるということです。
先日実家に行った際、母が「私はもう生理が無くなってたくさん余ってるから」と大量のナプキンを差し出してくれました。私は、月経カップを使っているからナプキンは使わない、と言いましたが、母は月経カップを知りませんでした。
実際店頭でもカップやディスクに、自分はもう生理が来ないけど生理があった頃に出会えていたらよかった、と仰る女性は多いです。
また、私は初めて生理が来たのが中学1年生の頃でした。バレーボール部に入ろうと体験入部に行く前にトイレに寄った時でした。結局体験入部に行かずそのまま帰ったのですが、体験入部はその日が最終日だったので別の部活に入りました。もしこの時、ムーンパンツを履いていたら、というifの世界線を想像します。
女の数だけこのようなエピソードがあると思います。いきなり初見だと新しい世界に見えるあらゆる商品は本当はすごく身近なものなのです。
本郷のサロンは、大きな窓から木々が見える、けれど外を歩く通行人の視線はない、明るく開放的かつ安心安全な空間です。どんなバイブもローションも月経カップも触れるし、専門家であるスタッフとお家でお茶するような感覚で話せるので、気軽に遊びに来てくださいね。
text/スタッフS
ラブピースクラブ ショールーム
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木 11:00~20:00 フリー入場(予約不要)
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