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ガッチガチの男の組織だったオウム。オウム真理教元信者の菊池直子被告の裁判傍聴で見えてきたもの

栗林デバ子2014.05.23

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チャゲアスのASKAが覚醒剤取締法違反で逮捕されたり、PC遠隔操作事件の片山祐輔被告が自作自演を告白したり、すっかり話題をもっていかれた感がありますが、東京地裁では5月8日からほぼ連日、オウム真理教元信者の菊池直子被告(42)の裁判が開かれています。
オウムって、引き起こした事件の凶悪さに加え、いわゆる「学歴エリート」がなぜ麻原彰晃の教えにハマっていったのか、若者論や社会学的な視点から語られることが多いですよね。デバ子も世代は違えど、ずっと興味を持っていました。
で、実際に菊池被告の裁判を傍聴した印象は、オウムって、なんてガッチガチの男の組織だったの!ってことでした。
裁判の争点は、菊池被告が都庁爆破事件に使われると知っていながら爆発物を運んだのかどうか、という点なのですが、証人として出てきた元オウム幹部の男たちの口から語られるオウムは、まるでザ・大企業。
仕事を円滑にすすめるためにしかれた省庁制。別の班に所属する人に仕事を頼む時は、その上司に話を通さなければならないこと(「おれ、聞いてないよ」を避けるためですかね)。
トップ(もちろん男!)同士の対立、麻原を頂点とする「上司」からの指示には絶対服従であること。大きな「ワーク」を成し遂げれば昇進でき、幹部クラスともなれば、結婚もできるし、移動する時は運転手がついていた・・・などなど。
オウムが力を持ち始めるのは、日本がまさにバブルにわいていた80年代後半?90年代前半。男は3高(高身長、高学歴、高収入)とかいわれ、大企業(そこに務めるリーマン)が必要以上に威張ってた時代ですよね。
そんな時代の空気や組織になじめず、生きづらさを感じた人たちがオウムに救いを求め、入信したのだと思っていました。
結果、社会から脱落した男たちがつくったのが、またもや同じような「組織」だったとは。
そこで担わされる女の役割もまったく同じです。
当時、井上嘉浩死刑囚と中川智大死刑囚が爆発物をつくっていたアパートには女性が2人配置されていましたが、彼女たちの仕事は彼らの食事や身の回りのお世話をすることでした。
デバ子が傍聴した日、クシティガルバ棟(サリンとか毒ガスをつくっていた実験棟ですね)で作業していた女性が証言台に立ったのですが、彼女いわく仲間内では「サリン」のことを「サっちゃん」「サリーちゃん」とよんでいて、みんな身の回りにある論文などから、自分がつくっているのはすさまじい殺傷能力ものだと感じながらも、上司にそのことを問いただすことはしていません。それは自分の役割を超えているから、と。
彼女はその後の「異動」で、麻原の隠し子のお世話をする省庁で仕事をするようになります。
そんな話を聞きながら、デバ子は「当時の話」とは思えませんでした。
今の社会に感じる違和感、そして「仕事」というフィルターをかけると、いかに自分が感情とか嫌悪感を押し殺して、思考停止してしまうか。
身に覚えがありました。そして、そこから抜け出すことよりも、どうやったらうまく振る舞えるのかを考えてしまうかもなって。
裁判の間、菊池被告はまったく表情を変えることもなく聞いていました。
グレーの地味なスーツに着、女性弁護士の話にコクンコクンと小さくうなずく彼女は、ごくごくフツーの女性という印象を受けます。
菊池被告は高校3年の時に、自分の意思でオウム真理教に入信しました。
早熟で意志の強かったであろう彼女が、オウムという組織の中でどんなことを感じながら生活していたのか。なぜ17年もの間、逃げ続けなければならなかったのか。

被告人質問で彼女は何を語るのか、今からとても楽しみです。

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