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なんでオヤジってすぐ「女は子育てに専念」とか言い出すんだろう

栗林デバ子2016.06.16

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 京都にある府立朱雀高校が妊娠した女子生徒(17)に、一方的に休学届を送りつけたり、卒業するためには、体育の授業で持久走など実技が必要と迫っていたりしたことが問題になっています。
 京都新聞の記事を見ると、生徒は卒業を希望していたにもかかわらず、学校側が「学業と子育ての両立はむずかしい」と休学を薦めたとか。

 副校長は女子生徒に休学を薦めた理由を「妊娠すると子育てに専念すべきで、卒業するというのは甘い」「全日制では妊娠した生徒は学業から離れないといけない。府民の要請がある」と説明したそうです。

「卒業」や「学業」を仕事に置き換えると、あるあるあるある!!

 当たり前だけど、職場でのマタハラって、いきなり始まるわけじゃなく、学校でのマタハラから脈々とつながっているんですね。
 きっとこれは氷山の一角で、私立高校とか、イメージが悪いってことで退学させられている女子生徒とか多いんじゃないかなって思います。学校でのマタハラ、もっと報じられるといいな。

 そして、なんでこういうオヤジってすぐ「女は子育てに専念」とか言い出すんだろう。

 少し前に、大阪市でも茨田北中の校長が「女性にとってもっとも大切なことは子どもを2人以上産むこと。仕事でキャリアを積む以上の価値がある」と発言して批判を浴びましたが、必ずこういうオヤジたちって、子育てに学業や仕事を引き合いに出して、学業や仕事をあきらめろっていうんですよね。

 で、批判を浴びるとすぐに「失言だった」とか言うわけですが、根っこのところに強烈な女性嫌悪、子ども嫌悪がある気がしてなりません。子育てを神聖なもの、大事なものと思っているわけじゃなく、それを理由に女を自分たちのいる世界から締め出したいんじゃないかなって。(神聖視っていうのも一種の蔑視な気がしますが)

 最近、知り合い(女性)から、赤ちゃんを連れて近所のレストランに行ったところ「子ども連れはお断りです」と立て続けに入店を拒否されたという話を聞きました。
 三つ星レストランとかそんなんじゃない、その辺にあるようなふつーのそば屋とイタリアンです。店の人も「他のお客様から苦情があって・・・」と申しわけなさそうに言っていたそうですが、まだ泣いてもいない、騒いでもいない、ただ子どもがいるだけで迷惑って、そう言い切ってOKな日本ってすごい国だなぁと思います。

 この学校から締め出された女子生徒もそうですが、妊娠、出産がすべて女の問題になっていることもおかしい。
 今月、参院本会議で民法の改正法案が可決、成立し、離婚した女性の再婚を禁じる期間が半年から100日に縮小されましたが、DNA鑑定で誰が父親かなんてすぐに調べられる時代であるにもかかわらず、なんで女にだけ再婚禁止期間を設けるんでしょう。もっと言えば、なんで結婚可能年齢だって男は18歳、女は16歳と差があることにも理由がない。結婚を定める民法自体が女性蔑視に満ちてるんですよね。

 妊娠させたのは誰?産んだあと育てるのは誰?って視点が完全に抜け落ちている。
 副校長は、妊娠して卒業しようなんて甘い、とか言っちゃってますが、妊娠させた方(男)はなぜ問われないんでしょうか。副校長は報道を受けて、「今後対応をあらためる。妊娠がマイナスイメージであってはならない」というようなことを言っているんですが、誰が妊娠をマイナスにしてるんだ!あなたたちだよ!!と心から突っ込んでしまいました。

 女子生徒が結婚して出産するのか、シングルマザーになるのかは分からないけど、今後、彼女が社会に出て働いていく上で、高校卒業って学歴は絶対に邪魔にはならない。こんなオッサンに負けないで、卒業してほしいなって思います。

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