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誰にとって都合の良さが「ちょうどいい」なのか…

栗林デバ子2016.05.24

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 「美しすぎずちょうどいい感じの美人な人事担当者がいる4社合同説明会」なる就職説明会が、「セクハラ」「性差別」だと批判を浴びて中止になりました。

 仕事や会社の内容を説明をするのに、容姿がどうかなんてまったく関係ない。しかも「ちょうどいい感じ」って誰にとってなのか。なんか、オレでも臆せず口説けそうな程度の美人っていう男目線が見えて、「わーっ、きも!!わーっ、きも!」って素朴に思ちゃったのですが、こういう表現って最近増えてませんか。

 低年収や無職など、いわゆる「貧困状態」ではなく、見えっ張りだったり、女子会やSNSで華やかな生活をアピールするために身の丈に合わない消費を繰り返す。年収は700万円とおよそ少なくない給料をもらっていながら、華やかな生活を維持するために借金をしている。そんな新たな貧困状態(これは貧困と言っていいのかという疑問もありますが)に陥っている30代女子の生態を書いた「貧困女子」(小学館新書)なる本があります。

 著者の沢木文さんのインタビューがウェブに出ていたのですが、沢木さんによれば、「貧困女子」には「中途半端な美人」が多いそうです。
 中途半端な美人とはなんぞや?学生の時は、スクールカーストで2番目か3番目くらいに「かわいいね」と言われてきた子。そういう子は周囲がチヤホヤしたり、不倫でオジサマから海外旅行やブランド品などをプレゼントされてきたため、自分の身の丈がわからなくなってしまい「貧困女子」になってしまう危険が大きいのだそうです。

 そもそもチヤホヤされると身の丈に合わない生活を送るようになる、ってそうなのか?という疑問がむくむくとわいてくるんですが、ここで使われている「中途半端な」って言葉は必要なんでしょうか。美しいほど、周囲がちやほやするのなら、「美人」「超絶美人」の方が危険性は高そうだけど。

 それとも完全な美人は金銭感覚にも優れているといいたいのか、玉の輿に乗ってしまうから大丈夫だとでもいいたいんでしょうか。いずれにしても、美人って冠には、人間性や振る舞いまでが含まれていることがぷんぷん匂ってきます。

 また、沢木さんは「若くてかわいいうちは何の疑問もなくメリットを享受しているけど、気が付けば何もない、という人生になりがち」と警鐘をならしているんですけど、これまたすごい偏見でしょ!!
 ご飯をおごられたり、チヤホヤされることをメリット思うかどうかは人によるだろうし、チヤホヤされている人が人生について何も考えてないなんてことありえるんだろうか??

 女性が書いているので、誰もつっこまないのかもしれないけど、これ、男が書いてたら完全にアウトじゃないかと思うんですけど・・・。

 で、いろいろ書いてきたのですが、言いたいのは、少し前にはやった「美人過ぎる○○」と構造は同じなのではないかと思うんです。「美人過ぎる」も、医者や議員、アスリートなど、男目線でいうところの「男勝りのブスがやっていた仕事」につくことが多かったから。「本来ならブスがやっているはずの仕事をすげー可愛い子やっている」が「美人過ぎる」って形容詞になっていた。誰にとって、美人過ぎるのか?って考えると、完全に男、オッサン目線なんですよね。

 お笑い芸人の山崎ケイさんがネタにしている「ちょうどいい感じのブス」も似ているんではないかと思っています。たぶん、冒頭の就職説明会のネタ元も「ちょうどいい感じのブス」。企画側は、きっとみんな笑ってるし、山崎さんは人気だし、美人に置き換えてもOKって思ったんでしょう。
 山崎さんは、自身を「酔うとやれそうなブス」「押したらいけそうなブス」と自称してます。でもこれも、ブスだから酔うとやれるとか、押したらブスはいける、とかすごい差別的ですよね。お笑いだから面白いから目くじらをたてるなって言われそうな案件ですが。

 いったい誰が美人かブスを決めているのか、誰にとって都合の良さが「ちょうどいい」なのかを考えると、ネタとはいえモヤっとする気持ちがぬぐえません。

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