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56歳のマドンナが見せてくれるもの

高山真2014.03.13

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 推定4人の読者のみなさま、お久しぶりです。高山真です。体調が悪くて長いお休みをいただいていました。ごめんなさいね。

 今週から、テレビ番組とか雑誌とか、アタシが目を惹かれたメディアをいろいろご紹介していこうと思っています。

 第1回目は、ファッション誌『ハーパースバザー』の今月号。表紙はマドンナ、インタビューが掲載されているわ。ええ、当然アタシもマドンナのインタビュー目当てで購入したわけね。

 グラビアのマドンナは相変わらずカンペキな仕上がり。キレイよー。まあ、この世のものではないのですが。うふふ。肌とかピンッピンすぎてマヌケの域に到達しているもの。いえ、だから好きなんですけどね。

 加えて、なんて言うのかしら、「ギリギリで『生き物感』を残している」あたりも絶妙なのよ。浜崎あゆみがファッション誌の表紙を飾ると、もう紙に印刷されているのは「ヒト」ではなくて「人形」か「絵画」だからね。「小国の国家予算くらいは軽く凌駕しているのではないか」と、写真の修正費用に思わず思いを馳せてしまうけれど、それが許されているのもメディアの世界で長いこと番を張ってきたオンナならではの特権だわ。

 で、インタビューはいつものマドンナ節なんだけど、そのインタビューのあとに、2ページを使って、ある作家によるマドンナ評が載っていたわけ。その一文にアタシったら目が釘付けになったわ。「60代、70代のマドンナは、何で私たちを魅了してくれるのだろう。その年代だと、シワがひとつもないのもボンデージでステージに立つのも痛いし」と言っているわけ。

 これ、なかなか考えさせられるわね。シェール御大が「アタシにケンカ売ってんの!?」と、鉄パイプで殴り込みに来るわよ!うふふ。

 今年56歳になるマドンナは、この『ハーパースバザー』でボンデージ風のルックを披露しているのよ。CGギリギリの修正技術を使っているとはいえ、ピンッピンの肌でね。

 マドンナ(少し前ならシェールでもOK)は、たぶん40歳のときにも50歳のときにも「40代(50代)でシワがないのは痛い。ボンデージでステージに立つのは痛い」と間違いなく言われていたんじゃないかしら。そんな風潮を軽く吹き飛ばしてきたからこそのマドンナ(そしてシェール)なわけでしょう? なんで、20年間にわたってそんな声をせせら笑ってきた55歳のマドンナが、60代でボンデージ着たら「痛い」ことになるのか、皆目見当がつかないのよね。だいたいマドンナが『Hung Up』のPVでレオタード姿でダッサい(褒め言葉)ダンスを踊っていたのは、40代後半のときで、あれはあれで「痛い」という声を上げた人間も一定数いたはずなんだけど。

 で、マドンナは、ある層から「痛い」という声が上がることを確信犯的に利用しているとアタシは思っている。非難の声を漏らしたり眉をひそめたり……、オンナ(とかオカマ)が道を広げる(つまり、世間が「オンナ」とか「オカマ」という対象に抱いている認識そのものを変えさせる)とき、必ず、ある層の人々がネガティブな声を上げることを知っていて、それを楽しむことすらしているわ。その意気こそが、マドンナを「ポップ」の世界で番を張らせている一番の要因だとアタシは確信しているのよ。

 ジャンヌ・モローのように「凄みのある加齢を見せるのか」、マドンナのように「科学技術の粋を集めた『衰えない作品』としての『マドンナ』を見せ続けるか」、それは本人が決めればいいことだけど、アタシはどちらも大好きよ。だってどちらにも可能性はあるのだから。自分がどちらかを選ぼうと、自分が選ばなかったほうをチョイスした人を褒めたたえても、なんにも悪いことないでしょう?

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