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ケイティ・ペリーの役割を、日本では村主章枝が背負うのよ!

高山真2014.12.02

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 フィギュアスケートシーズン真っ盛りです。あたくしが人生で最初にとりこになったフィギュアスケートの演技は、1980年のデニス・ビールマンのオリンピックのフリー演技でした。マニア歴はかれこれ34年。好きな演技を挙げはじめたら、きっと一晩じゃ足りないでしょう。何しろ、ひとりひとりの選手ごとに、「○○年の、××という競技会の、フリー」みたいな感じで好きな演技があるものですから。伊藤みどりだけで20以上出てくるんじゃないかしら。で、シングルの選手、ペア、アイスダンスと10人(10組)以上のお気に入りがいるうえに、嫌いな選手はいないのよ。博愛主義者を気取るわけではないけれど、一度だけ、遊びで氷の上に乗ったとき、「こんな薄い刃がついた重い靴で、よくあれだけのことができるものだわ。全員すごいことをしてるのね」と思い知ったというか。同じ意味で、夏の五輪競技だと体操も好きだわ。バク転ひとつできない人間だからこそ、あれだけのことをしている選手たちを見るのが好きなわけね。
 そんなあたくしなので、昨今のフィギュアスケートブームは大変ありがたい。アマチュアを引退した選手が、「リスペクトの対象」としてバラエティ番組などにたくさん出ているのも喜ばしいわ。若い方はご存じないでしょうけれど、伊藤みどりがアルベールビル五輪で銀メダルを獲ったあと、最初にやってきたCMは、「みどりさん、オリンピックで2回もこけちゃったの」とかいうナレーションで始まる、湿布薬のコマーシャルだったのよ。「♪すってんころりん あいたたた♪」なんて歌わされるみどりが不憫でならなかったものよ。
 先日の『アウト×デラックス』(フジテレビ系)には、アマチュア引退を発表したばかりの村主章枝が出ていました。そこで村主ったら、「彼氏がいない」という話の流れで、「なんと言うんですかね、あんまりジェンダーのことについてとか、そんなにこだわりがなくて」「なんでみんなそんなに男女でこだわるのかな」と発言したのよ。マツコですら思わず「アンタすごいこと言い出したわね」と目を丸くする始末。その後も村主、「(女性)経験はないです。ただ興味はあります」と堂々と発言。ええ、あたくしも正直、耳を疑いました。バラエティ番組で「ジェンダー」という単語を耳にするとは思わなかったものだから。それも旗振り役が村主章枝。素晴らしい……。
 その後も村主は、番組のアシスタント的な立場で出演している小間千代というセクシーなタレントを「かわいい」とガン見し、「いいなって思う人は、インド系のミックスっぽい人とか、ロシア系も好きですね」と、トリプルジャンプを飛ぶ前の、あの加速をつけた走りっぷりを彷彿させる発言を披露。それに触発されたように、小間千代も「私も一時期、女性のほうに行こうとしたことがあります」とサラッと過去を振り返っていたり。
 そんな流れの中で特に印象的だったのは、村主が「たまに、すごく男性がイヤになるときがあるんですよね。生理的に無理って」と語っていたときに、横に座っていた小間千代が村主のほうを見ながら深々とうなずいていたシーン。オトコに対する潜在的な恐怖感とか、ある種の解消できない苛立ちとか、生理的な嫌悪感を、けっこう多くのオンナたちが共有しているのを目の当たりにした思いだったわ。あの徹底的な鈍感さと性的なエネルギーの強さ、性的エネルギーを対象に向ける際の人間であることをすっ飛ばした獣くささは、そんなノンケを狩りにかかる(ただし美形限定)側のあたくしからしても鼻白むなんてもんじゃないときがあるしね。
 生粋のレズビアンの人たちの中には、「ファッション的に『オンナの子もいいかな』とか言っちゃうノンケオンナにはカチンとくる」って人がいるかもしれない(そして、そのことの是非を述べる資格は、オトコのゲイであるあたくしにはない)。ただ、あたくしは、ケイティ・ペリーの『I Kissed A Girl』の世界観(オンナの子にキスしちゃったら、すっごく気持ちよかったの的な可愛らしさ)を、この日本ではアスリートが広めにかかったのが、なんというか、とても刺激的だなと思うのよ。世界中どの国でも、アスリート界ってのはショウビズの何万倍も保守的なのが相場だけに、ね。
 村主は、今後はコリオグラファーを目指すとのこと。現役時代、演技に集中しているときの、あの「引き締めまくっているのか、それとも逆にゆるみまくっているのか」すら定かではない顔の筋肉と、どこを見ているのかわからない目線……。振付だけでなく、あの「顔」を引き継いでくれる選手が現れることを願いつつ、村主の第二の人生を全力で応援したいわ。

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