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 成宮君、ほんとに引退するのでしょうか。コカインをやっていなかったら、辞めることもないと思いますが、やっぱりやっていたのか、それともゲイだとアウティングされたせいか・・。勝手に、なんかもったいない、と思って書いています。

 同僚の男子から、そのニュースをパソコンの画面で見せてもらいながら、「A-Studio」という鶴瓶の番組にゲストで出たときの話も聞きました。
 14歳の時にお母さんが亡くなって、6つ離れた弟と二人きりになった成宮君は、自分は中卒で働きながら、弟を大学まで行かせたそうです。
 「ええ子やないの!」とオバちゃんみたいな反応になりました。

 家に帰ってから、その番組をユーチューブで見た私は、その弟が結婚したことまで知りました。最後に、弟からの感謝の手紙、そら泣くわ。

 コカインのせいか、「一番知られたくなかった」というセクシュアリティのせいか、友人の裏切りがこたえたのか、全部の理由が書かれた声明文を読んだあと、もう芸能活動に意味を見いだせなくなっていた、という理由もあるかもしれないと邪推しました。
 関西のテレビでは、上沼恵美子が「頭がわーってならはったんやろ」とコメントしていました。

 コカインは犯罪なので、やっていたなら、「ごめんなさい」で罰を受ければいいし、やっていなかったら謝ることもない。友人の裏切りには同情します。
 芸能活動に未練がないならしょうがないけど(しょうがないけど、って)、もし、弟さんに変わる意義を見出していただくなら、いっそ、オープンリーゲイの俳優として再生を図るという道はいかがでしょう。たくさんの弟たちのために、なんて。

 そういえば聞くのは噂ばかりで、今まで日本の俳優でカミングアウトした人はいないように思います。

 先ほどの同僚は、「ゲイだということが分かれば、役者として色がついてしまいますよね」と同情していました。
 私にはわからない話ですが、よく聞きます。
 「マッキーは歌手だから、そんなに活動に影響がなかったってことかしら」とよくわからない返しをしてしまいました。あと三善英史さんとか。

 妻夫木聡がゲイの役をすれば芸の幅が広がった、となるのに、ゲイの俳優がノンケの役をしていてもそうは思われないって、変ですよね。

 ちなみに最近の私は、同性とのセックスに対する「生理的嫌悪」というのも、政治や文化が変わればどんどん薄くなるようなものじゃないか、後付けだろうと考えています。まあ、そこを変えるのが難しいわけですが。

 ホモフォビア(同性愛嫌悪)のイメージが勝ってしまっている社会だから、成宮君も「暴露される」とか「さらされる」といった言葉を使って、その攻撃や排除に恐怖を感じて警戒しているのでしょう。

 カミングアウトの話になったとき、前は、有名な人が堂々とカミングアウトして、それが肯定感に満ちあふれていれば、そうした「隠さなければいけない」という状況が変わりそうだな、と思っていました。
 けれど、隠すものを見ようとするのも、当事者の勇気だけにユートピアを求めるのもおかしい。
 今回の彼のように「知られたくなかった」という人に強制(アウティング)すると、当事者のフォビアも強化してしまいます。

 「その人が障害を持っているから生きづらいのではなく、社会が障害を持っているから生きづらいのだ」というような言い回しが好きなのですが、それと同じことで、「同性愛が異常なのではなく、そう見る社会のほうが異常である」というふうに、くるっと反転させてしまいたい。
 ほんとに、問題は「セクシュアリティが何か」にあるのではない、と強く言いたい。

 カミングアウトの意味は、自分のセクシュアリティの表明だけにあるのではなく、そのあとに「だからなに? すでになんなく一緒に生きてますけど」という状況を生み出していくことが重要なわけです。

 どうやら運動の現場では、昨今のLGBTブームで、クリーンアップされてしまった当事者のイメージというものがあるようで、確かに、そこに同化してしまったら元も子もないと思います。「セクシュアリティ」は社会に認めてもらい許してもらうようなことではないからです。

 前に成宮君がテレビで、好きなものは何かと聞かれて、「おしりが好きです」と答えたことを良く覚えています。下ネタではないですよ。うろ覚えですが、自分で撮ったという着衣状態のたくさんの男女のおしりの写真のパネルが、その背後にあったと思います。「おしりを見るとほっとするんです」とあの口角の上がったスマイルで言っていました。

 成宮君がゲイかもしれないと、二丁目の噂から妄想していた私は、「次元がちがう・・!」と驚きました。
 彼がゲイであれ何であれ、この先、健やかに生きて行けますように。そしてそんな社会のほうに関わっていたい。

 来年もどうぞよろしくお願いいたします。良いお年を!

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茶屋ひろし

茶屋ひろし(ちゃや・ひろし)

書店員
75年、大阪生まれ。 京都の私大生をしていたころに、あたし小説書くんだわ、と思い立ち書き続けるがその生活は鳴かず飛ばず。 環境を変えなきゃ、と水商売の世界に飛び込んだら思いのほか楽しくて酒びたりの生活を送ってしまう。このままじゃスナックのママになってしまう、と上京を決意。 とりあえず何か書きたい、と思っているところで、こちらに書かせていただく機会をいただきました。 新宿二丁目で働いていて思うことを、「性」に関わりながら徒然に書いていた本コラムは、2012年から大阪の書店にうつりますますパワーアップして継続中!

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