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レディー・ガガで笑っていられるような人生が結局は幸せなのよね…

高山真2015.04.16

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 推定4人の、定期的に読んでくださっている読者の皆様、前回のエッセイから少し間が空いてしまってごめんなさい。どうも体調が安定しないのはダメね。長いスパンで見れば、徐々に快方に向かってきてはいるのだけれど。
 前回のコラムに大きな反響をいただいたのは、北原みのりさんがツイッターやフェイスブックで取り上げてくださったことが大きなきっかけなの。多くの方にお読みいただいたありがたさはもちろんありつつも、率直に言えばとても複雑な感情を抱いているの……。だって、「ああいったことに多くの人々の意識が向いてしまう」という空気感そのものが悲しいわけじゃない?
本来あたくしは、
「ギャー! シェールすげえ! ビョークおもしれえ!」とか、
「聖子の歯がゆさはどうにかならないか」とか、
「梶芽衣子がついに『アウト×デラックス』で“解禁”してしまった」とか、
「女芸人のバービーが、斎藤工の楽屋に突撃し、つまづいたふりして座っている斎藤工の股間めがけて倒れこんでいったとき、斎藤工は驚いてよけたり身を固くすることもなく、余裕たっぷりに両手を広げて迎え入れ、その後すぐに、太ももあたりに顔を乗せたバービーの顔や首を指先でやわやわといじっていた。やっぱりあたくしたちの目に狂いはなかった」
とか、そんなことばかりを話題にして一日を楽しく終えられるような世の中が「平和」ってことだと思っているから。
 というわけで、今回は無理くりにでもハッピーな話題を。先日北原さんからお電話いただいたとき、「レディー・ガガを『まとめにかかるのが早い』と評したセンスが好き」という感想を頂戴したの。こちらの感想は複雑なんて感情とは正反対の、100%の嬉しさだったわ!
ええ、そうね、まだ30歳にもなっていないうちから、グラミー賞ではトニー・ベネットとジャズを演り、オスカーではスタンダードに手を出したレディー・ガガにびっくりしたのはゆるぎない事実よ。
 別にあたくしはジャズやスタンダードが嫌いなわけじゃないの。ジャズ畑だけでも、ビリー・ホリデイやサラ・ヴォーン、エラ・フィッツジェラルドなど、大好きなシンガーはたくさんいるわ。この動画にはビリー・ホリデイこそいないけれど、何度見たかわからないくらいよ。当時サラ・ヴォーンは55歳、エラ・フィッツジェラルドは62歳でこのリズム感!

 レディー・ガガは、なんと言うのかしら……、「あたくしたちみたいにリアルタイムで過ごした人間にとっては、手放しで懐かしむわけにはいかない、赤面するような思いも混みで振り返らざるを得ない、80年代の『ダサさ・恥ずかしさ』。その『恥ずかしさ・ダサさ』だけで全身丸ごとセルフプロデュースしやがった」という点で、認めざるを得ないパワーがあったわけ。アンビバレンツなものに対してためらいがない人間って、やっぱり敬服せざるを得ないのよ。だいたいにおいて世の中の閉塞した空気感を打ち破るのはそういう人間と、相場は決まっているからね。
だからこそ、あたくしはまだまだガガには攻めていてほしかったの。まあ、マドンナも『VOGUE』で「ガッツリおしゃれ気取っているのに、絶妙な比率で、かつてのダサさが抜けていない」という新たな境地に至る前、ほんの短い期間ではあったけれどスタンダート系に走ったからね、この種の「揺り戻し」と言うか「アタシの隠された実力をわかって病」って、スゴいオンナがもう一枚壁を破るために必ず通る道なのかもしれないんだけどさ。
(マドンナ、『VOGUE』前の「やっちゃった感」バリバリのパフォーマンスがこちら)

 あたくしたちの間でのガガのベストといえば、『Telephone』 ということになるかしら。ビヨンセを迎えて派手にブチ上げたシングル曲ね。ちょっと『テルマ&ルイーズ』をオマージュしたかのような雰囲気のPVも、当時日本のオカマたちが爆笑とともに大騒ぎしたものだわ。
(ガガとビヨンセの『Telephone』)

 そして、日本の女装界は、海外のドラァグクイーン界のように、「曲に合わせておしゃれに踊る」という発展の仕方だけをしてきていません。この『Telephone』も、あっという間に、あたくしが敬愛してやまない日本の貧乏女装たちのエジキになりました。夕方のニュースや、『目撃! 衝撃の場面』的なエンタメ系ドキュメンタリー番組でよくある、「万引き犯をとらえる、私服パトロールのオバちゃん」と『Telephone』をミックスした出し物がコチラ。こちらはぜひぜひ、ガガとビヨンセのPVを見てからご覧いただきたいわ。

 はあ、こういうので腹がよじれるほど笑って、それで「今日も一日楽しかった」で寝つくような人生が、全員に訪れてほしいわね……。

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