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「熱血!東方神起とわたしたち」

おのゆり2016.09.15

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 もうこれまでもじゅうぶん書いてきてると思うけど、東方神起はほんとに、熱い。いつも本気。なんていうか、一生懸命がんばりますっ!とか、そういうまっすぐで熱血な感じって、もうながいこと、日本じゃ、ちょっと流行らない感じっていうか、そう思ってても、そんな素振りは見せないとか、クールな感じの方がかっこいいっていうのがあると思う。あったと思う。だけど、これはおそらく東方神起だけじゃなくて他のK-Popアーティストや韓国の俳優さんとかも、それとは反対に、すごくまじめに、熱くアピールするし、ファンにありがとうとか、応援よろしくお願いします、愛しています、などとまっすぐに伝えてくるように思う。そして、それに素直に感動して、ひきつけられている多くの女性たち。ほんとうはそういう熱くてまっすぐなものをいつも求めていたのかなって思う。

 でも、わたしは、東方神起が日本で活動を始めた当初、よく「がんばります」ってくりかえし言ってるのを、なんとなく痛々しいと思ってみていた。まだ日本語もおぼつかないし、そして、アイドルのおきまりの文句を言わされているのだと思って。だけど、彼らの「がんばります」はほんとうの「がんばります」なんだ、ってことにあるとき気づいたのだった。だって、ほんとに「がんばって」いたから。たとえば日本語がわかんなくて、気の利いた受け答えができないとか、笑ってごまかすしかないって、すごくかっこうわるいわけで、そんな姿をさらすことになっても、それでも日本で新人としてスタートして。まだ小さなステージにしか立てないけど、地方の情報番組にしか出られないけど、「がんばって」地道に活動して、日本でもみんなに東方神起を知ってもらえるように、愛されるように、そして少しでも多くの人に夢や希望をあたえられるようになりたい。彼らの「がんばります」は、そういう決意と意志のあらわれだった。そういう彼らの本気に気づいて、心をうごかされた。

 彼らの歌もそう、本気だからすごく伝わってくるんだと思う。アイドルの歌う歌に、その歌詞には、それほど意味なんてなくて、ただ単に、調子のいい、聞こえのいいことばがちりばめられているようなものだと思っていた。だけど、彼らが歌うと、その一見ありきたりともいえることばが、ほんとうにその意味をおびたものとして届いてきて、感動してしまったりする。それは、彼らがほんとにかっこよくてきれいだから、その世界に入り込めるっていうのもあるけど、やっぱり、彼らが本気でその歌や音楽と向き合っているからだ。
 新曲についてのインタビューに答えて、その歌に対する思いや、それをどう表現したのか、どんな声で歌ってみたとか、そんな風にテクニックのことまで語っているのを聞いて、最初ははっきりいってちょっとびっくりした。アイドルにとっては、歌は、どんどん新しいものを出して、流れるように次から次へと目新しいものを見せてファンを惹きつけるためのものって感じなのに、そんなにひとつひとつ真剣に歌っているものなのかと。彼らの音楽へのプロ意識と、テクニックが歌を深め、そしてその熱い思いが、歌を通して、ことばを超えて、伝わってきて、胸にせまるのだと思う。

 彼らの本気の本気を、最大限に感じるのは、なんといっても、コンサート。それこそ命をすり減らして、3時間半も、歌って踊って、かけまわって、日本語でMCやギャグまでして笑わせてなごませて、できるだけ多くのファンの目を見て、手を振って、愛嬌を振りまいて。足がつってても、ふらついて倒れそうになっても立ち上がり踊りつづけ、ファンの前に立ちつづけて歌い、ほんとに最後の方は気合いだけで乗り切っているような。そんなつらそうなシーンやバックステージを見ると、そこまでしてがんばらなくても、ってことばがふとあたまをよぎったけど、まさに、そこまでして、彼らは伝えたいことがあって東方神起を全力でやっているんだ。

 彼らが本気で熱いだけじゃなくて、きっと、わたしたちファンもなんだろうって思う。わたしたちも、日々本気で生きているから、時に、というか、たぶん、特に女性は、つねに、いろんな超えられないものにぶちあたりながら、毎日、本気で生きているから。だから本気で訴えてかけてくるものに、こっちも本気ではまるんだ。東方神起の代表曲に『Rising sun』というのがある。すごく情熱的ではげしい東方神起らしいダンス曲。
 むかし、もうちょっと彼らも若いころ、何歳までこの曲を踊れますかとファンに質問されて、今でもしんどいとか笑いながら、でも、ユノは、みなさんが求めてくれるなら何歳まででも、って答えていた。求めるファンがいるから彼らがいる。すごく激しいダンス曲だけど、彼らの最大の見せどころでもあるから、コンサートでは終盤に披露されることが多くて、ほんとうに、気力だけで踊りとおしているようにみえる。とにかく力強くて、すごい迫力で圧倒される。これを、わたしたちが求めれば、彼らは、いつまででも見せてくれるって、そんな思いでいてくれる。ほんとに熱いな、東方神起。

 でもほんと、あんなにむりが続いたら身体がおかしくなっちゃうし、兵役から戻ってきたら、わたしたちだけじゃなくて彼らも2つ歳をとっているわけだから、今までとまったく同じでなくてもいいから。それでも、わたしたちに熱い思いを、いつもいつまでも届けてほしいなって思う。『ライサン』は、実際のところ、何歳までできるかな。

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おのゆり(おの・ゆり)

大学院生。
1974年生まれ。東京出身。女性学修士。2012年に渡独し、現在、大学のジェンダースタディーズ博士課程で、フェミニズムや女性運動について研究中。もうそんなに若くもないのに、ひとりドイツで、貧乏学生生活送ってます。トンペン歴8年。 

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